表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1804/2000

どうにでもなれっ




9章111話になります!


本日1回目の投稿です!


それではどうぞ!









「ねえねえリーシャ、何に拗ねてるのさ?毛布にくるまって寝たフリしてないで、その可愛い顔を見せて欲しいな〜?リコもバカって言われた事がショックのか、ションボリしちゃってるよ?」

『ワフゥ…』


自身の勇気の無い振る舞いに苛立ち、毛布にくるまってふて寝をし始めたリーシャの身体を揺さぶり、優しい声を掛けるクジラ。


「む〜…、今回は100%私が悪いし、クジラとリコは全く関係が無いから私の事は放っておいて!ひと眠りしたら元気になるから!」


しかしリーシャは毛布に包まったまま、頑なに姿を見せようとしなかった。自身の躊躇い過ぎて何も出来なかった立ち振る舞いが悔しくて仕方がないらしい。現在の彼女は、それの反省中といったところなのだろうか。


「ん〜…、どうしてこうなったのか全くわからない…」


直前までそこそこ深い眠りに就いており、リーシャの事情が全くわからないクジラは、困ったように首を傾げて彼女を揺さぶるのはやめた。だが…


「…おりゃあっ!」

「えっ、何するのさ!?あっ!ちょっ!クジラぁっ!?」


クジラは彼女を起こすのを諦めたと思いきや、数秒後に毛布を強く握ると強引に引っ張り、無理やり包まっていた彼女から剥ぎ取った。想定外な彼の行動に対応が遅れ、抵抗する時間も無く毛布を剥ぎ取られて姿を見せるリーシャ。ちょっぴり目元が赤くなっていた為、気付かれないよう毛布の中で静かに涙を流していたみたいだ。


「…リーシャ、本当に何があったの?どうして泣いてたのさ?」

「うっ…、それは…」


クジラの大事なところを見ようとしたが、恥じらいの心を無視できず、結果的に何も出来ないままクジラが起きてしまった為、行動しなかった後悔と決断して行動する事が出来なかった悔しさにより泣いていたなどと、言えるはずがない。深刻そうな顔をして尋ねてくるクジラに、目を逸らしてどうしようと頭を悩まずリーシャ。


「リーシャ、正直に言って欲しい。僕はリーシャの泣いているところなんて見たくないから。…一体、どうして泣いていたの?」

「それは…(クジラのおちんちん見ようとした一連の流れなんて喋れる訳ないじゃんバカ!)」


リーシャは、真面目に尋ねてくるクジラに対し、言い淀みながら心の中で毒を吐く。


「リーシャ!何か…、僕が悪い事をしちゃったのかな…?もしそうだったら、本当にごめんね?出来れば僕の悪い所を口にして欲しい。全力で直すからさ」

「ああもうっ!勝手に話を悪い方向に持っていかない!それこそクジラの悪いところ!私は私自身の行動力と勇気の無さが悔しくて泣いてたの!さっきから2人は別に何も悪くないって言ってるじゃん!クジラのおバカ!」

「えぇっ?それじゃあなんで、僕が起きた時に僕を見ながら暗い表情をしてたのさ。…顔は真っ赤だったけども」

「あぁ〜っ!うるさいうるさいうるさーい!その話しちゃダメ!思い出すだけで恥ずかしい!それにあの姿勢から一切動けなかった自分が悔しい!」

「リーシャ!?ちょ、やめなよ!」


クジラが自分が目覚めた時の事を口にすると、リーシャは土下座をしながら何度も頭を下げるような動きで、テント越しに頭を地面に打ち付けながら騒ぎ出す。その自傷行為に驚いたクジラは、すぐさま止めに入った。


「私はぁ〜!クジラのあそこを見ようとしてたんですぅ〜!でも、恥ずかしくてズボンをずり下ろせずに止まってたんですぅ〜!そしたらリコに起こされちゃって、今に至るんですぅ〜!…うがぁぁぁぁっ!!ふて寝する!毛布返して!」


もう真相を語る以外に解決策は無いと諦めの境地に立ったリーシャは、もうどうにでもなれというような口調で彼が寝ている間の行動を打ち明ける。そして、クジラからバッと力づくで毛布を奪い取ると、再度毛布に包まり、先ほどと同じような体勢になるのであった。


「僕のあそこを見ようとしていた…?」






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ