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何も出来ない後悔




9章110話になります!


本日2回目の投稿です!


それではどうぞ!









「こ、このズボンをズリ下ろせば…」


リーシャは赤面して、心臓をバクバクと言わせながらクジラのズボンに手をかける。


「すこぉ〜、すかぁ〜…」


だいぶ疲れていたのか、クジラは目の前で鼻息を荒くしているリーシャに気がつく事はなく、未だに寝息を立てて夢の世界を放浪していた。


「ムフー、ムフー…。クジラのあそこは一体どんな…。あれ?なんか私、変態さんみたい…?」


彼のズボンをズリ下ろそうとしながら荒い呼吸を繰り返す自身の事を客観的に考えた結果、1つの結論に至ったみたいだ。まるで自分が変態のようだと。


「ううぅ〜…、なんか変態さんみたいな自分が嫌になってきた…。で、でも…、クジラのあそこがどうなってるのか気になるしぃ…」


自覚の無いムッツリスケベなリーシャは、彼のズボンをズリ下ろし、女性の自分には無いモノを見てみたいという好奇心と、今すぐこの変態のような行動を止めて淫らではない清純な心を保ちたいという自制心を正面衝突させ、どうするべきかウンウンと悩み始める。


『良いじゃん良いじゃん!自分の好きなようにやっちゃえ!私の大好きなクジラはそんな事じゃあ怒らないし、むしろ喜ぶんじゃないかなぁ?』

『ダメだよ!誘惑に流されちゃダメ!どうせ近いうちに宿とかに止まったら見れるんだから!』

「うぅ〜…、2つの意見が頭の中をグチャグチャにするせいで上手く考えが纏まらない〜…」


どうやら彼女の頭の中では、いくとこまでいってしまえ!という案と自分から行動に出るのは恥ずかしいし、クジラから来るのを待とうという案で割れているみたいだ。リーシャは彼のズボンから一旦手を離し、頭を抱えて深刻そうに悩む。恥ずかしがり屋な一面が彼女の自制心の最後の砦だろう。


『ウ〜…、ワフッ?…ワフ〜っ!』

「ほへっ?…あっ」

「ん〜…、ザラザラしてくすぐったい…。どうしたのリコ…?お腹でも減ったの…?」


リーシャが眠るクジラの横で必死にウンウンと唸っていると、それが耳障りだったのか隅っこでリオと仲睦まじく寄り添い眠っていたリコがノソノソと起き上がった。リーシャはクジラを起こす為の策を練っており、それが原因で唸っているのだとリコは思ったのだろうか?起き上がって数秒経つと、『私に任せて!』とでも言うように自信有り気な鳴き声を発し、彼の顔を全力でベロベロと舐め始めた。ザラザラで湿っていて生暖かいものが顔中を這っていても気にせず眠れる人などいないだろう。クジラはかったるそうな声を出しながら起き上がり、リコの頭をポフポフと撫でた。リーシャは、全ての計画を失敗に陥れられた為、非常に残念そうな暗い表情を浮かべている。


「ん〜…?リーシャ、なんで顔真っ赤でそんな暗い顔をしてるの?…もしかして熱をぶり返した?」

「クジラとリコ、それに私のバカー!ふて寝するっ!」


リーシャはクジラに自分の顔の事を指摘されると、グチャッと無造作に置かれた毛布を取って全身スッポリと包まり、横になった。クジラとリコはあくまでオマケで、勇気と決断力が無いせいで何かしらのアクションを取る事すら出来ずに後悔をしている自分に対して、罵倒を口にしたのだと思われる。


「…どういう事?」

『ワフ〜…?』


直前まで寝ていたクジラは本気で不思議そうな顔で、リコは何か悪い事しちゃったかな…?と落ち込んだ様子で顔を合わせ、リーシャを心配するのであった。








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