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曰く付き物件!?

45話になります!


「うーん...。どれも結構高いね...」


「まぁ、家を買う訳だからね...」


2人は、壁一面に貼られた住宅情報を確認していく。


「(それでも元の世界の事思いだすと相当安い気がするんだけどなぁ...。築12年の3LDKが900万モールって絶対安いよ)」


「クジラ、これなんてどうかな?」


「どれどれ、築15年3LDKで100万モール!?いやいや、絶対何かあるよこの家」


クジラは、明らかな爆弾物件を、リーシャから見せられ驚愕する。


「そう?いいと思ったんだけど...」


「値段はすごい安いけどちょっとは疑おうね!?」


そのような話をしていると、受付のおばさんが声をかけてきた。


「その激安物件は、何か霊のような物が出るらしいですよ。何度も取り壊そうとしたらしいんですけど、壊そうとした業者の人は、みんな青ざめて逃げて行ったそうです。なのであまりお勧めはできませんね...」


「幽霊かぁ...。(あれ、具現化魔法で幽霊を寄せ付けない魔除けの鈴的な物作れば解決じゃない?)」


「ひぃ!?だだだだめだね!違う家にしようよクジラ!」


幽霊という言葉に反応し、リーシャはプルプルと震えながら、違う物件の張り紙を見始めた。


「いや、1度行ってみるのもいいかもしれない(きっと具現化魔法で解決できるはず...)」


「えぇ!?クジラ!?幽霊だよ!幽霊が出るかもしれない所なんて住めないよ!」


「大丈夫、...具現化魔法でどうにかできるかもしれないよ」


クジラは、慌てるリーシャをなだめ、周りには聞こえない小声で対策を話す。


「うぅ、1回だけだからね!これで解決出来なければここは見送りだよ!」


「わかってるよ、ありがとうリーシャ」


「すいません、この家を見学してみたいのですが、連れていってくれませんか?」


「えぇっ...?本当に行くんですか?」


受付のおばさんは半信半疑に聞き直す。


おばさんもこの物件へ行くのは乗り気ではないようだ。


「えぇ。案内だけしてもらえれば、中の案内はしなくて良いですよ。僕達だけで中入りますから」


「わかりました...。それでは早速案内しましょう。受付に代わりを立てるので5分くらいお待ちください」





5分ほど入り口前で待つと、受付にいたおばさんが、こちらへ歩いてきた。


「さて、お待たせしました。早速行きましょうか」


「はい、お願いします」






その家は、ギルドから10分ほどの距離、丁度宿屋と中間くらいの場所だ。


「こちらになります。それでは申し訳ありませんが、私はここで待機してますので、こちらが鍵になります」


「はい、どうもありがとうございます。リーシャもここで待ってるかい?」


「えっ、いや...、私も行くよ」


「無理しなくていいんだよ?」


「大丈夫!でも...手握っていい?」


「うん、そのくらいなら」


「ありがと、よし!怖くない怖くない...」


リーシャは軽く涙目になり、プルプルと震えている。


「ははっ、まだ入ってもないのに」


「うっ、うるさい!早く入るよクジラ!」


「はいはい、了解」


クジラとリーシャが雑談をしながら玄関へ向かっていると、おばさんが激励を飛ばしてきたようだ。


「お2人共気をつけてくださいね!」


「はい!ヤバくなったら急いで脱出します」


「クジラ、私の事しっかりと守ってね?」


「うん、任せて!」


ガチャ


鍵を開けドアを開き、2人は中に入っていった。




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