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まるでスポンジ




9章61話になります!


本日は1回のみの投稿です!


それではどうぞ!









「まあ、これくらい教えれば何とかなりそうかな?どうだいレイ君、1人でもスマホは扱えそう?」

「う〜ん…、今教えてもらった通話とメール機能、他いくつかの事は多分1人でもなんとか出来ると思います」


約20分程度の指南のあと、クジラがスマホは扱えそうかと聞くと、レイは微妙な面持ちでおそらく出来ると返答する。


「えへへ、横で見てた限り、クジラが教えた事を次々と理解出来てたし、もっと自信を持って良いと思うな!それにレイはすっごく物分りが良くて飲み込みが早いから、慣れたらいろんな機能の使い方を自力で覚えられるはずだよ!」


そんな自身に対する評価が控えめなレイに、もっと自信を持つよう伝えるリーシャ。レイなら慣れさえすれば、自力で様々な機能を使いこなせるようになるだろうとまで口にしている。彼女の言う通りレイは飲み込みが早く、大体の指南を1発で聞き入れて、かなりの要領の良さでスマートフォンの使い方を覚えていった。指南する側であったクジラの方も、まるでスポンジのように教えた事を吸収していくレイはとても教え甲斐があったようで、やり遂げた満足そうな顔をしている。きっとレイが優秀かどうかを尋ねたら、あの子は優秀であったと全力で熱弁してくれそうな様子である。


「そういえばリーシャは物分りが悪いというか若干機械音痴みたいところがあるから、スマートフォンに慣れるまではかなり手こずってたよね」

「むう…、ちょっと不得意な分野だっただけだもん!それに今はちゃんと使えるし!ほらほら!こんなに素早いフリック操作で文字が打てちゃう!」


レイとは対称に、リーシャにスマートフォンの指南をするのは何倍も大変だったという事を思い出し、口に出すクジラ。彼女はそれを聞くとムッとしながら不得意だっただけなのだと告げ、今はちゃんと扱えている事を証明する為、ドヤ顔でそこまで早くないフリック操作を披露し始める。


「うんうん、凄い凄い。こないだまでの必死に1つ1つタッチして文字を入力してたリーシャはどこに行っちゃったの?」

「ちょっと前にヨシノがそんな効率悪い打ち方はやめて、フリック操作をするようにって文句を付けてきたの!それからヨシノにフリック操作について教えてもらって、極力教えてもらった通りの操作をするように心掛けてたら、普通に出来るようになってたんだ〜」


リーシャはクジラに褒められ嬉しそうに表情を緩ませると、えっへんと胸を張ってフリック操作を習得した理由を口にした。


「リッちゃん、クジラさんほどじゃないけど打つのが早くて凄い…!僕もシュパシュパ指を動かして文字を入力出来るように頑張ろう…!」


リーシャの可もなく不可もないような速度と正確さのフリック操作披露が、レイにはとても凄いものに見えたみたいだ。リーシャよりも上手く使いこなせるようになりたいという対抗心が芽生えたらしく、自分の物となったスマートフォンをジーッと見つめる。


「えへへ、凄いでしょ〜。レイが私を上回るスマホ使いになれる日は来るかなぁ?」


レイの本心からの凄いという発言によって、少し調子に乗り始めるリーシャ。ちなみに彼女は、未だに基本的な機能と娯楽系の機能以外は全く使い方を覚えておらず、わからない事がある度にクジラ任せだったりする。


「すぐにリッちゃん以上になってみせるから、楽しみに待ってて?…クジラさん。またうちに遊びに来た時、今日みたいにスマートフォンの使い方をご指南してくれないですか?」

「もちろんオーケーだよ。一緒にリーシャを見返してやろうね?」

「ありがとうクジラさん。えっと…、これからもよろしくお願いします」

「こちらこそよろしくレイ君」


クジラとレイは結託してリーシャを見返す決意をすると、ガッチリと握手を交わし、改めてよろしくと伝え合う。


「クジラぁ!私の味方をしてよぅ!」


2人が義兄弟としての仲を深めていると、リーシャはレイの味方ではなく自分の味方になってと、クジラに向けて必死に頼み込んだりしていた。楽しそうな笑みを浮かべた彼に、やんわりと拒否されてしまうのは言うまでもない。





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