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欲望>羞恥心




9章54話になります!


多忙の為、本日は1回のみの投稿にします。


それではどうぞ!









「…あれ、もう眠っちゃったのか。やっぱりアルコールって凄いや」

「スゥ…、スゥ…。うへへぇ…」

「…名残惜しいけど、起きるか」


クジラが添い寝をし始めてからカップラーメンが完成するかしないかといった程度の時間が経った頃、リーシャは幸せ満ちた顔で夢の世界へと飛び立っていた。彼女の間抜けな寝顔をジーっと眺めながら、ゆっくりとベッドから立ち上がろうとするクジラ。ここは彼女の実家な為、誰がいつ部屋に乱入してくるかはわからない。もしも現状の添い寝している光景を目撃されたら確実に誤解を受け、更に追撃で周りの人にバラされて恥ずかしい思いをする可能性がある為、普段のように彼女にベッタリくっ付いていたいという欲求を必死に抑えているみたいだ。


「…へっ?」


そんな訳で自身の湧き上がる欲望を必死に鎮め、ベッドから起き上がろうとするクジラだったが、その行為は叶わなかった。上体を起こした途端、隣で酔っ払って眠りこけるリーシャが追いかけるように上体を起こし、彼の腰にがっちりと抱きついたのだ。


「寝てる…よね?」

「クカー…、ス〜、んふぅ〜…」


クジラは嬉しいのか困っているのかよくわからないような表情をしながら、抱きついて来た彼女の顔を覗き込む。


「ん〜、これは本気で寝ているね。無意識で僕を捕まえて来るなんて、なかなか嬉しい事をしてくれるじゃないか。…そんな事されたら無理だよ。気持ちを抑えられる訳ないよ」


顔を覗き込み、1分ほど凝視してリーシャが本気で寝ている事の確認が取れると、苦笑を浮かべながら我慢が出来ないと呟くクジラ。腰に抱きついているリーシャと共に再び横になると、彼女の事を抱き返した。無意識であっても自分の事を求めてくるリーシャの気持ちに背くなど、男として出来るはずがなかったみたいだ。


「もういいや。誰かにこの光景を見られたとしても僕が恥ずかしいって気持ちになるだけだし、部屋に乱入してくるのなら勝手にすれば良いさ」


リーシャの気持ちに背く事なく受け入れた結果、クジラは完璧に開き直った。眠る彼女の事を出来る限り優しく抱きしめ、彼女のサラサラ艶々な白髪を手櫛で梳きながら乱入者ドンと来いと意気込み始めるクジラ。欲望が羞恥心を上回った瞬間である。


「…ふああ、堂々と添い寝する覚悟を決めたら眠くなってきた…。この家来てから精神的に疲れたし、少し眠っておくか。スマートフォンでアラームを掛け…」


いつでもベッドから起き上がれるように、部屋の外から足音がしたり気配を感じたりしないかと警戒してビクビクするのをやめ、堂々と添い寝する覚悟を決めた途端、張り詰めていたものが消失し、代わりに疲れと眠気がドッと現れたようだ。それによりクジラは彼女と共に眠る事に決め、スマートフォンで目覚まし用のアラームをセットしようとしたのだが、途中で眠気に耐えれずスマートフォンを手から滑り落とし、泥のように眠り始めていた。




「おふたりさん、お母さんが健全かどうかの抜き打ちチェックをしに来たよ〜?…あらまあ仲睦まじく眠っちゃって。んふふふっ♪」







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