表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1738/2000

リーシャは僕が汚す!




9章45話になります!


本日1回目の投稿です!


それではどうぞ!









「父さんにジン叔父さん、それにクーちゃんも。料理が運ばれてくるまで、少し飲みながら待ってない?」


ランドはどこからか持ってきた酒をコップに注ぎ、15歳以上の3人にそれぞれ手渡す。15歳に満たない次男のレイは、少し羨ましげに酒を見つめていた。ちなみに女性陣は皆、ルーシュの宴会をするぞという号令によって食事作りに駆り出されたみたいだ。帰還祝いの主役であるリーシャとララも、例外ではない。その為、現在この建物の2階広間には男しかいない状態だ。


「ありがと。ところでランド。そのランドにしがみ付いて僕の事を見ている子は7兄弟の1番下の子?」


クジラは礼を言って酒の入ったコップを受け取った後、ランドの足にしがみ付き、警戒した様子で自分の事を見つめる少年について尋ねた。トトリ7兄弟でまだ会っていないのは1人しかいなかった為、だいたい察している様子だ。


「へへっ、そうだよクーちゃん。この子は末っ子のロン。7歳で小生意気になり始めた時期だから、時折イラっとするだろうけど大目に見てやってね?」

「クジラとやら、ロンを泣かせたらどうなるかわかってるよな…?」


ランドは相変わらず胡散臭そうな笑みを浮かべ、連れていた少年の頭をワシャワシャと撫でながらその子の説明をする。ロンという名の少年は大人しくランドに撫でられながら、口を開かずただジッとクジラを見ていた。若干の人見知りなのだろうか?そんなロンを守る為、クジラと少し距離を空けて床にあぐらをかいていたルーシュが、自身の子供に対する愛を炸裂させていたのは言うまでもない。


「あはは、リーシャの弟を泣かせたりなんてしませんよ。初めましてロン君。僕はクジラ。リーシャの夫…って言ったら伝わらないかな?えーっと…、リーシャの結婚相手だよ」

「ええいクソッ!んぐっんぐっ!ぷはぁ!ランドもう1杯!」

「ちょっ、父さん!?そんな一気飲みなんてしたら身体壊すよ!?」

「ははは…、ランド君の言う通りだ義兄さん。そんな荒れると孫の顔を見る前にくたばってしまうよ」


ロンに向けて優しく微笑み、リーシャの結婚相手だと自己紹介するクジラ。それを横で聞いていたルーシュは、気持ちを安らげる為に酒を一気に飲み干してランドに追加を求める。ポケッとしてる事から1番過保護に育ててきた愛娘を嫁に出す事が、心配で心配で仕方がないようだ。そんな荒れたルーシュを目撃したランドとジンは、一気飲みなどしても良い事なんて何も無いと、驚きながら忠告をする。


「孫…か。リーシャが産むんだから、絶対に可愛らしい子が生まれてくるんだろうなぁ…。しかし、純粋無垢なリーシャがこの男に汚されると考えると、どうしようもない感情が沸き立ってくるぞ…?おいクジラとやら、1発殴っても良いか?」


ジンの発した孫というワードに反応し、ルーシュはホッコリとした優しい表情を浮かべた。…が、それと同時にクジラにリーシャの純潔が奪われると考えると何とも言えない感情が沸き立ち始めたようで、拳を握ってクジラにひと声を掛ける。


「いやいやいや、そんなの痛いから嫌に決まってるじゃないですか!…確かにお義父さんの言う通り、僕がぜった後リーシャを汚しますよ?」

「クジラァ!!お前やっぱり殴るっ!」


クジラは困ったように殴られるのは嫌だと首を振った後、ルーシュの言う通り自分がリーシャを汚すんだという事を宣言した。堂々と発言された事が癪にさわったようで、クジラがまだ何か言葉を続けようとしてのにも関わらず、クジラ目掛けて殴りかかるルーシュ。


「うおぉっ!?ストップ!ストップですお義父さんっ!!」

「さっきからサラッとお義父さんと呼ぶな!まだ俺はお前を認めてないっ!」

「父さん落ち着いてっ!ジン叔父さんっ!レイ!押さえ込むの協力して!」

「あ、ああ!了解だランド君!」

「わ、わかった…!」


クジラは辛うじて反射が間に合い、その拳をパシッと手で受け止めながら落ち着くよう叫んだ。しかし、ルーシュは暴れて止まろうとしなかった為、ランドはジンとレイに助けを求め、3人がかりで何とか父親を抑えつけて落ち着かせる。


「ふぅ…、ありがとうございますジンさん。ランドとレイ君もありがとう。…お義父さん、暴れる前にこれだけは知っておいてください。さっき僕はこの一生で、女性はリーシャだけしか愛さない言いましたよね?この事は命に掛けてでも守ります。だから僕の経験人数はリーシャ1人だけで人生を終わらせるつもりです。それ程に僕はリーシャに心を捧げているので、もう少しだけ僕の事を信じてもらえないでしょうか?」

「…ぷっはははは!お前まだ童貞なのか!そうかそうか!それを聞いたらお前の事、少しだけ信用出来そうになったぞ!技術が足りなくてリーシャに捨てられないよう気を付けろよ!あ、別に俺はリーシャと一緒に暮らせるようになるし、それでも構わないからな!」

「殴って良いですか!?良いですよね!?僕、珍しく怒りましたよ!?」


クジラがまだ1度も性経験が無い事を遠回しに宣言して信用してくれと語ると、ルーシュはゲラゲラと笑いながらクジラを小馬鹿にし始めた。それによりクジラは恥ずかしそうにしながら軽く怒り、ルーシュに掴み掛かる。ランドとジン、それにレイは慌てて押さえ込む対象をクジラに変えたのは言うまでも無い。

だがしかし、その事をきっかけにクジラはルーシュから多少の信用を勝ち取る事が出来たのであった。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ