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1704/2000

トトリとの戦い




9章11話になります!


本日2回目の投稿です!


それではどうぞ!









「え〜…、なにこれ…」


クジラは落ちてきた箱を開けると、その中には木製の短剣と短杖、1枚の紙が入っていた。


「これを使って2階の大広間に来いって書いてある…か。ねえねえリーシャに義姉さん、トトリ一族って何?戦闘力で後継ぎを決める家柄なんです?」


クジラは紙に書かれた文字を読むと、困った顔をしながら唯一味方側に付いてくれているトトリ家である2人に質問をする。


「…ごめんねクジラ。多分能力で自由に実家に帰って来れるラン君のせいで、私がクジラのお嫁さんになる事がみんなに伝わっちゃってるみたい…。この奴隷商に住んでる大人の人はみんな、私の事をとっても可愛がって大切に育ててくれたから、得体の知れないクジラって存在を凄く警戒してるんだと思うの。決して、武闘派一族とかそういう訳ではないからね?」

「ああ、リーシャの言う通りだろうな。リーシャはバカみたいに素直で人に好かれやすい性格をしているから尚更だ。いくら愚兄がクジラ君はとても良い子だと伝えていたとしても、あの親バカのような大人連中ならば、『変なクズのような男に騙されているのでは…?ランドを騙せたとしても自分達は絶対に騙されないぞ!絶対にリーシャを奪還してやる!』とか考えているのではないか?」


クジラから質問をされた2人は、それぞれ思った事を口にする。優しくて素直すぎる為、知らない人の言う事でも簡単に間に受けてしまうリーシャの事だから、悪い人間に騙されて好意を寄せてしまっているのではないかと、彼女の親類は勘違いしているのかもしれないみたいだ。


「まあ、そう勘違いしてしまう理由もわかるなぁ…。リーシャの事を真っ先に保護出来て良かった…」

「えへへ、私もクジラに保護されて良かった〜」


2互いに緩んだ表情を浮かべて見つめ合うと、同時にニヘラと笑い、甘い空気を漂わせ始めた。


「…はぁ、クジラ君。多分監視されているぞ。父の姉、私達にとっての叔母だな。具体的な発動条件は知らないが、あの人は鏡に別の場所の景色を映し出す固有能力持ちだ。小さい頃によく色んな景色を見させてもらった」

「うっそぉ…、そういえば思ったんですが、叔母さんや叔父さん、従兄弟とかを全員数えたら、ここに住んでるトトリ一族は何人くらいいるんです?」


おそらく監視されていると聞くと、2人は互いに一歩後ろに下がり少しだけ恥ずかしそうな表情を浮かべる。その数秒後、クジラはこの建物に住むトトリ一族の人数を尋ねた。


「えっとだな…、ここに捕まっているトトリの血筋は父と叔母の家系だけだから、20人いるかいないか程度だ。他の父の兄妹数名は上手く逃れたらしい」

「20人で、リーシャと義姉さんがこっち側だから18人かぁ…。僕は今日、死ぬんじゃないかな?」

「ふっ、一応リンとレンみたいな戦力にならないチビガキや、戦闘に役に立つような力を持たない母親が何人かいるから、まともに襲ってくるのは5、6人だろうさ」

「それでも多いですって…」


クジラはララから自分達を襲って来そうな人数を聞き、これから少なくとも片手の指を超える数の厄介な一族の面々と連戦しなければならない事に、本気で嫌そうな顔をする。


「まあ頑張ると良いさ。私は戦闘面では役に立たないが、ここに武闘会優勝を果たしたバトルジャンキーがいるだろう?負ける事はないから安心して進むと良い」

「結婚するって事が伝わっているみたいだし、もう帰るって選択肢はありませんよね…?」

「弱気になっちゃだめだよクジラ!私も手伝うから一緒に頑張ろう!私はこの木製の短杖を鈍器として使うから、クジラは木製の短剣でトトリ一族のみんなを蹴散らしてあげて?」


リーシャは箱の中に入っていた2つの武器を取ると、クジラに短剣を渡して作戦と言っていいのか微妙な役割分担を口にした。


「あはは、了解だよリーシャ。…はあ、リーシャが味方で良かった。無茶苦茶心強いや…」


クジラはトトリ一族の物理攻撃力では最高峰に君臨するであろうリーシャを見つめ、とても安心したように息を吐くと、ゆっくりと歩を進めるのであった。







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