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再会!

125話になります!


本日1回目の投稿になります!


それではどうぞ!!















「くらえぇぇぇぇぇぇ!!!」


クジラはまさに狂乱というような様子で木製のバットを振り回す。


「くっ...!」


リーシャは慌てて太刀を取り出し辛うじて受け止める。


リーシャとクジラの鍔迫り合いが始まった。


クジラの木製バットの強度が上がったのか、リーシャの剣の使い方が上手くなったのかはわからないが、前回のように太刀がバットに刺さって持っていかれるということはなかった。


「リーシャ!そのまま耐えて!抑え込むわよ!!」


ヤヨイは、クジラを収める為にリーシャへ簡易な指示をだす。


「わかったよ、でも、うぅぅぅぅ...、すごい力だ...。」


バットを必死に太刀で受け止めていたリーシャだが、クジラの力に耐えきれず太刀が今にも弾かれそうであった。


「あと少しの辛抱よ!!」


ヤヨイはリーシャに檄を飛ばし、ナイフを宙に浮かせる。


「クジラ!少し怪我するけど我慢するのよ!」


ドスッ、ドスッ


ヤヨイはクジラへ一言忠告をし、クジラの両足の甲へナイフを突き刺した。


「ぎゃああああ!!ヤヨイ!何て事するんだよ!...って、何で僕は君の名前が反射的に言えたんだ...?」


クジラは、激痛により、反射的に叫んだ。


しかし、叫んだ言葉の中には、消された記憶の中にあるはずのヤヨイの名があった。


クジラは自分で言った事に疑問を持ち始め、バットに込めていた力を緩め、考え始める。


「クジラ!クジラには記憶が残ってるんだから、頑張って思い出してよ!貴方はクジラ!私達、リーシャとヤヨイの家族だよ!」


リーシャはクジラが隙を作った瞬間に、クジラの中に残っている記憶を呼び起こさせる為に叫ぶ。


「くぅぅぅぅっ、また頭が...。クジラ、リーシャ、ヤヨイ、ヴァーチュ...?、何なんだこの記憶は...、僕はこんな物知らない...!でも、知ってる。どういうことなんだ...!?」


クジラが鍔迫り合いをやめ、再び頭を抱え始める。


どうやら、少し記憶が呼び戻ってきたようで混乱し始めたようであった。


ルキフグスが死んだ事により、魔法が不安定になり、解除されかかっているのであろう。


「僕も、初めはおかしいと思ったんだ。何で僕には、この館に来てからの記憶しか無いのか...。そうか、そうだったんだね...。僕は、記憶を無くしていたんだ...。くっ、うぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


自分自身で記憶がない事を自覚した途端、まるでスイッチが入ったかのように、次々と記憶が思い出されていったようだ。


頭を抱えて絶叫している。


きっと、響き割れるような激痛に襲われているのであろう。


クジラは涙をボロボロと流し、顔中脂汗まみれになりながら、叫び続けた。


それほどの激痛というわけだ。


「ぁぁぁぁぁぁぁぁ!.....ハァ、ハァ、ハァ」


記憶の統合性が出来てきたようで、痛みも無くなり、落ち着いてきたようである。


まだ息は荒く、辛そうだが、先ほどまでの様子と比べれば、別人のような雰囲気になっていた。


「クジラ...?」


リーシャは若干不安そうにクジラに声をかけた。


「ハァ、ハァ、リーシャ。本当にごめんね...。僕に力がないばかりに...」


どうやらクジラは、ルキフグスの掛けた精神干渉魔法に打ち勝ち、自らの記憶を取り戻せたようだった。


「クジラぁぁぁぁ!!」


リーシャは、大粒の涙を流してクジラへ抱きついた。


この一週間どれだけ寂しかったか、会えなくて辛かったのかが分かる瞬間であった。


「リーシャ、一週間も本当にごめんね。しかも、こんな危険な所まで来させてしまって...、挙げ句の果てには、僕自身が2人を傷つけそうになるなんて...」


クジラは2人に涙を流しながら謝罪をする。


そして、抱きついてきたリーシャに対して、クジラも腕を回して抱き返して答えた。


それほどリーシャが、愛おしかったようだ。


「もう絶対に、絶対にいなくならないで!約束して!!」


リーシャは、クジラの胸板に頭をくっつけ、より強くクジラを抱き締めた。


「うん、約束...、するよ。ずっとリーシャの側にいる。誓うよ」


クジラはリーシャの発言に答える。


それは一見、第3者からみたらプロポーズにも取れるような発言であった。




こうして、リーシャとヤヨイは、無事にクジラと本当の意味で再開できたようであった。













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