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撃破

123話になります!


本日1回目の投稿になります!


それではどうぞ!!














「くっ、ハァ、ハァ。何故あいつはあれほど魔力を使っているのに疲れないんだ...?」


結構な長期戦になり、ヴァーチュ以外の他の者達は負傷し、脱落してしまった。残るヴァーチュも、肩で息をするほどに消耗してしまっていた。


一方、


「グゲゲゲゲッ!!これで終わりかぁ!?」


ルキフグスはというと、ヴァーチュが嘆いていた通りピンピンしていたようだ。


「ちっ、誰がお前みたいなゴキブリに負けるかよ!!」


「ゲゲッ!?きさまぁ!!我が1番気にしていた事をいいやがったなぁ!?死にやがれぇ!!!」


ルキフグスはブチ切れたようであり、今までの戦闘の中で1番大きいであろう魔力の球を作り上げた。


「(なんだと...!?まだこんな力が有り余っているなんて...。くそっ、万事休すか...)」


ヴァーチュは、ルキフグスの無尽蔵な魔力に驚き、戦意喪失しかけていた。


その時であった。




「グゲッ!?ググググググ...」


しゅうううううううううつ


「ん?なんだ...?」


突然ルキフグスが身体から紫色の煙を放出し始めた。


ヴァーチュは、その異変を見て唖然とした顔をしていた。


煙が無くなったと思うと、そこにはクジラが1番初めに出くわした老人の姿に戻っていたようである。


「何故だ!?まさか...魔力庫に異常が...!?一体何が!?」


どうやら、先ほどリーシャとヤヨイが粉砕した水晶玉は、ルキフグスへ魔力を供給していた魔力の倉庫のような役割の物らしい。


そこからの供給が絶たれた事に気づいたルキフグスは、一体何がどうなって魔力が届かなくなったのかわからず困惑していた。


ルキフグスがこれほど慌てるという事は、この館のセキュリティは本当にザルなようである。


2人が侵入していた事は全くわかっていなかったようだ。


「なんかよくわからないがチャンスだな!!」


ヴァーチュは、ルキフグスが訳がわからないと言った顔をしていたのを機に、反撃を開始した。


「まて!くっ、サイラー様の加護が無くたって!!」


ルキフグスは、あわててヴァーチュを向かいうつ為魔力の玉と闇色の炎を複数個飛ばす。


彼は、水晶玉から供給される膨大な魔力を自己強化へ当てていた為あのような姿になっていた。


しかし、それが無くなっては先ほどのグロテスクな形態に変化できないようであった。


故に弱い老人の姿で戦い始めたのだろう。





「そんなの無駄だ!!」


老人の姿になって弱体化し、魔力も殆ど枯渇したルキフグスの攻撃は、ヴァーチュには全く効いていなかった。


「ば、ばかなっ!!??」


ルキフグスは負けを悟るが、最後まで諦めずに魔力の玉と闇色の炎を飛ばし続ける。




しかし、ヴァーチュはその攻撃をすべて紙一重で躱した。




「しねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」




そしてヴァーチュは、自分の拳に自分が今持っている殆どの魔力を流し込み、ルキフグスの心臓へ一直線に渾身の一撃を放った。







ゴスゥ!!







「かふっ...!?」


ルキフグスの心臓があったであろう風穴が空いた。


「くっ...最後のっ...足掻きだ...。


アァァァァァァァァァァァ!!」



ルキフグスは足掻きと言い、甲高い奇声を上げて絶命してしまった。




「ハァ、ハァ。やったのか...?危なかったぜ...。それにしても、最後の足掻きってのは何だったんだ?」


ヴァーチュは地面に膝をつき、かなり疲労困憊の様子でルキフグスが言い放った最後の言葉について考え始めた。




そんな事を考え始めてすぐだった。


おーん


おーん


おーん


「っ!?なんだ!!??」


ヴァーチュは多少ヨロついていたが、歯を食いしばり気合で持ち直して声の元を見る。


しかし、声の元は一方からではなかった。


館の通路という通路から、わらわらと痩せこけて、無気力な顔で廃人のような感じの人間達が出てきた。


意識もほぼ無いようで、ただただ、おーん、おーんと呟きながらのろのろと歩いている。


「(ちっ、一旦引いて後ろに控えている部隊に来てもらうか...。くそっ、クジラを見つけると約束したっていうのに...)」


ヴァーチュは、自分の体力の限界を感じ、よろけながら闇の空間を展開して逃げていった。


「あぁ、行っちゃったのか...。ルキフグス様の仇を取りたかったのに...。」


満身創痍なヴァーチュは気づいていなかったようだが...、その人達の最後列には、他の人間達とは違い、意識を持った1人の男もいたようであった。










「ルキフグスは殺されたか。私がこれまで貯蓄していた魔力を全て与えたというのに...。まぁいい、悪しき心を持った者を探して適当な力を与えてやればいいだけの話だ。時間は幾らでもある。次の場所へ移ろう」


館の1階でも2階でも無い謎の空間にて誰かがポツッと呟き虚空へと消えて行った。





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