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少年と少女と死神  作者: きょうむ
4/8

少女の再開

4月4日、今日は川西高校の入学式の日


「ふぁ〜〜…」

愛華は入学式に向かう途中で、昨晩なかなか寝付けなかったことを悔やんでいた。


「あいかちゃーん」

その背後からの呼び声は、愛華の小学校からの友人である山瀬(やませ) 比奈乃(ひなの)

彼女はおとなしくひたむきな性格で、明るくマイペースな愛華と互いに足りないところをカバーし合ってき、今では互いにとって最も信頼できる友人となっていた。


「ねむたそうだねぇ、さては昨夜楽しみすぎて寝付けなかったとかかな」


「あ、おはようっ まぁ…そんなところかな」

愛華の返事にどこか元気がなかった。


「どうしたの?だいじょぶ?」

心配そうに比奈乃が顔をのぞき込む。


「わっ びっくするなぁ、なんでもないよっ」


「そいえばニュースみた?すごい事故だったねー」

比奈乃のいう事故とは、昨日の夕方頃に起こった電車の脱線事故である。

詳しい詳細はまだ放送されていないが、原因は線路の老朽化といわれ、多くの怪我人と死者もでたと放送されていた。


「あー、うんっ お母さんたちもその話しばっかりしてた。ねぇ!それより一緒のクラスになれてるかな?」


「きっとなれてるよ、小学1年からずっと一緒のクラスなんだもの」

この時、比奈乃は急な話題の転換に違和感を覚えた。


「だよね!これからほんと楽しみ過ぎるっ」


「だね〜、でも急がないと遅刻だよ?」


「え!?うそっ 入学式から遅刻はしゃれにならないって、ひなの走るよ!」


「はーい」


高校へと急ぐ中、愛華は昨日の電車事故のことと、今朝になっても向かいの家にいない少年のことが頭から離れなかった。


(きっと大丈夫)

心の中で愛華は呟く



2人は無事入学式に間に合い終えることができ、そして今、これから1年共に過ごすクラスにいた。


「昨日の事故すごかったね」「あんな事がおこるなんてな」「怖いよねー」「まだ電車止まってるんだって」

クラスは昨日の電車事故の話題であふれかえっている。


「やっぱり一緒のクラスだね」


「…」

返事がない


「あいかちゃーん、 おーい」


「あっ ごめんひなの、なんだっけ? 」


「やっぱり今朝から少し変だよ?学校ついてから周りずっとキョロキョロしてたし、なにかあった?」


「へーきへーきっ 中学と全然違うから圧倒されちゃって」


「もう、そんなのでごまかせるとでも」

「おーい、ホームルーム始めるぞー 席につけー」

比奈乃の言葉は、ホームルームに来た担任の先生によってはばまれた。


「ごめんね、後でちゃんと話すからっ」

「約束だよー」

しぶしぶ席に戻る比奈乃


「えー、これから1年間このクラスの担任をする事になった藤堂(とうどう) 美奈子(みなこ)だー、まぁ よろしくたのむ」

年齢は20後半といったとこで、スタイルもよく美人であるが、その話し方からは気だるさが伝わってくる。


「入学して早々だが、非常に残念なことを伝えなければならない」

さっきまでの話し方から一変し、まじめな話し方にクラスの空気が変わる。


「皆も知ってると思うが、昨日の夕方ごろ電車の脱線事故あった」

クラスが、ついさっきまで話題になっていた内容に少しざわつく。


「静かに」


「1番後ろの窓際の席が空いているな」

唐突の話にクラス全員の視線が1番後ろの窓際の席にあつまる。

確かにそこには誰も座ってはいなかった、が誰もがただの欠席だと思い気にも止めていなかった。


「あの〜、それがどうかんしたんですか?」

思わず1人の生徒がクラス全員が思っている疑問を問いかけた。


少し間が空き


「そのに座っているはずだった生徒が、昨日の事故に巻き込まれ亡くなった」

クラス中が再びざわめきだす

「名前は 西城 誠也君、地元からこちらに引っ越してくる途中だったそうだ」


クラス中が戸惑いに包まれる中


ひとりが立ち上がり

「うそ!…嘘ですよね先生!そんな、彼が…死んだなんて」

その声はクラス中に響き渡った。


「いや、事実だ。今朝方、警察の方から連絡があった」


「そんな…そんなことって…」

その場に少女は崩れ落ちた、涙などはなくただ崩れ落ちた。


「あいかちゃん!大丈夫!?あいかちゃん!」

最も親しい友人の声もこの時は彼女の耳に入ってはこなかった。


それからのことを愛華はよく覚えていない。

体調がわるくなったといゆことで早退することになり、気がつけばもう家のすぐ近くまで来ていた。


少し話しただけの少年、それでも好きになった少年。


そんな少年と初めて出会い、初めて会話した向かいの家の玄関、そんな事を思い出しながらその玄関に目線を向けると、そこには1人の少年が立っていた。


「せいやくん!」

その呼びかけに、こちらに驚いた様子で顔を向けた少年は、間違いなく彼女が恋している少年だった。

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