プロローグ
~あらすじ~
一週間の出張から帰って来ると、思いつめた彼女から突然別れを告げられる。
そして、翌日には彼女が死んでいた。その日から毎日一通、死んだ彼女から「メール」が来るようになる。
彼女が死ぬ前にそう、設定したのだ。
毎日来る「メール」一体どうして彼女は死んだのか。そのナゾに迫る。
~プロローグ~
「別れましょう」
その一言で終わった。彼女とは1年の付き合いだった。1週間の出張から帰ってきて、久しぶりに会ったセリフであった。
「どうしてだ?」
けして、長いとはいえないかもしれない。1年。だが、そんな一言で終わりだなんて。
「くすっ」
そんな私を見て彼女は、優子は軽くほほえんだ。優子のまっすぐな瞳。なんだか久しぶり会う優子はすごくきれいでそしてなぜか少しだけ儚げに見えた。いや、儚げなのではない。何かが違って見えたんだ。いつもの優子じゃないように。優子がゆっくりに抱きついてきた。そして離れてこう言った。
「また、明日ね」
そう裕子は言って立ち去っていった。その笑顔が妙にきれいだった事を今でも憶えている。あの時、なにかに気が付くべきであった。そう、何かに。