第6話 ホルン死す
光と闇。まるで渦のように辺りを呑み込んだ。
「ぐうぅ、この力は……光!!」
冷や汗のような物をかいていたレブルセヴァ―。
その時だった、ホルンの腕はミシッと音を上げた。
ホルンは吐血している。
「歳には勝てぬ…な」
「ホルンさん!!しっかり!!」
わずかな光の漏れから、ホルンを見たユリアンは叫んだ。
「ホルン?まさか、あのホルンか道理で」
渦の光は力を失い,辺りは元に戻った。
心配そうに4人は、ホルンを囲む。
「早くやつに攻撃を加えろ!!あの技は溜めに時間がかかる」
ホルンは叫んだ。
それを聞くとユリアンは言った。
「アルティーとディリンはここに、ヴァン!!」
ヴァンは黙って頷く、そしてレブルセヴァーに向かって走った。
ユリアンも続いた。
「すまんなディリン。無茶するんじゃなかったよ。……聖獣の後継者か、親子ってのは似るのだな。じつは私も後継者だった。…それだけではない、アランとロイと一緒に闘った。それともう1人とな…余り知られてないが。」
初めて知る事実ではあったが、ホルンの瀕死状態のほうが気になった。
「いいか、役目を終えたら眼の色は戻る。だから眼の色が戻るまで闘え、それと聖獣の事は、ロアの王か、サンテルに居る、ルージュと言う者に聞け。わかったな」
言い終えると満足したように目をつぶった。
ディリンはその場で父を抱いて泣き続ける。
アルティーは何が起きたのかもさえ、解らず混乱していた。
それでも本能は感じ取った。ビリッと腰のほうから何かが沸いた。
「解る。わかるよディリン…これって怒りだよ。怒りなんだよ……」
アルティーはそう呟いた。
今の感情に耐えるように震え、呆然と立ち尽くす。
ユリアンとヴァン。
二人もこの事実に気付いている。
ホルンの力が後を押すように、レブルセヴァーと張り合っていた。
互角もしくはそれ以上に。
「お前らいつの間に?こんなに強く……」
レブルセヴァーを焦り感じていた。
それだけではなく疑問のような恐怖が生まれていた。
(聖獣の後継者って一体、何だ?何故強くなる段段と…)
「グワアアァァァ!!」
レブルセヴァーは絶叫した。
だがユリアンとヴァンは止まらなかった。
ユリアンの剣とヴァンの槍。
二つの武器はレブルセヴァ―に深く突き刺さった。
レブルセヴァ―は苦し紛れに、振り払うように斧を振った。
ユリアンとヴァンは見事に避けた。
その時だった。
聞いた事の無い轟音。
その正体は火炎の球。
レブルセヴァーに直撃すると、竜巻の火柱がレブルセヴァ―を包んだ。
これはアルティーの力だった。
アルティーの力…それは感情を物体に変える力だった。
しかしこれをコントロールできていなかったアルティーは、その場で倒れていた。
「くそがあぁぁっぁぁ!!!!!!」
レブルセヴァ―は叫んだ。
火柱に包まれている事など関係無しに、『クロコダイル.キャノン』の構えに入った。
止めようと思っても火柱に包まれていて手が出せなかった。
一度目を離すうちにレブルセヴァーの腕は膨れ上がっていた。
「シネェェェッェエェ!!」
明らかに乱心しているレブルセヴァーは、クロコダイルキャノンを放った。
終わると思う絶望した瞬間だった。
ホルンと同じ光の力が放たれた。