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封印された年号「1582」
無一郎は、スマホの画面に表示された
古い巻物のデジタルアーカイブを凝視していた。
父が遺したデータの中で最も古く、
そして最も深く暗号化されていたフォルダ。
そのパスコードこそが、日本史最大の謎である
「1-5-8-2」——本能寺の変が起きた年だった。
画面が明滅し、
古文書の行間に隠されていた「真実」が、
無一郎の網膜に焼き付いていく。
令和の湿りきった夜、
無一郎は父のスマホが放つ異様な熱に浮かされていた。
父が遺したデータの最深部、
そこには「1582」という名のフォルダが鎮座していた。
その数字を入力した瞬間、
液晶の割れ目から血が滲み出すような錯覚に陥る。
画面に展開されたのは、
劣化した古文書を高解像度スキャンし、
父が執念で解読した現代語訳だった。
「……これが、俺たちの始まりか」
無一郎の意識は、情報の奔流に呑み込まれ、
四百四十年前の京都へとダイブした__。




