令和への覚醒:見えない鎖
「……あんたたちは、最初から国なんて守る気がなかったんだ」
無一郎はスマホを握りしめ、咆哮に近い吐息を漏らした。
幕末に宗一郎が暴こうとした「国土の抵当」。
それは、現代において西園寺景久が進めている
インフラの民営化や、外資への土地売却と、
全く同じ設計図に基づいていた。
西園寺家は、百五十年前から一貫して、
日本を切り売りすることでその特権を維持し続けてきた
「売国のエリート」だったのだ。
「あんたらは、日本を一度も『独立国家』だなんて思ってなかった。
ただの、自分たちのための『私有地』だったんだ」
無一郎は、復元された「西園寺・パークス密約」のスキャン画像を、
全世界のネットワークへと放流した。
#賊軍 #幕末の真実 #日本植民地化計画 #西園寺の罪
ネットの海が、かつてない怒りに包まれる。
「維新の英雄たちが、実は西園寺に踊らされていたのか?」
「俺たちの国は、最初から売られていたのか!」
その時、廃駅の入り口から、
無数の軍靴の音が近づいてきた。
警察ではない。
西園寺家が私的に雇った、顔のない制服組の部隊だ。
「逃がさないぞ、賊軍の末裔。
お前の命も、そのデータも、ここで消去する」
「……やってみろよ。俺は宗一郎じいさんと違って、
バックアップは全世界に撒いてあるんだ」
無一郎は、スマホのアップロード完了の通知を見届けると、
闇の中へと駆け出した。
五代家の戦いは、いよいよ近代の「言論と戦争」の時代、
第三代・第四代の悲劇へと突き進んでいく__。




