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2話 傾向と対策

尿管結石で搬送された、石川さん。


ハチャメチャな食生活でなるべくしてなった石川さんは、今後の傾向と対策を馬場院長の助言を聞きながら、代わる決意をする。



馬場院長

「まあまあ…石川さん こんにちは、院長の馬場です。


食生活の改善をすれば尿管結石だけでなく、他の病気の予防もできますよ。



お恥ずかしい話、長年医師でありながら実は私も同じ病気の経験者なんです。


ほんまに恥ずかしいわ〜」




石川さん

「えっ!? ホンマにっ?医者でもなっとんたんかい?」




馬場院長

「まあ激務も重なってもうたのもあるんですが…食生活も大分乱れてました。



尿管結石はそれだけ誰でもなる身近な病ではあるんです。


治療とは確かに薬もそうですが…


薬だけやなく身近な食生活の改善も治療の一つにもなるんです。


栄養士の先生お話を聞いて、食事内容を考えなおしてもうて生活習慣の改善を一緒にがんばってみては如何です?」




石川さん

「そうやったんかい…

院長先生も大変やったね…


同じ石仲間がココにおったとは…


まあ院長先生がそこまで言うなら…」




娘さん

「石仲間ってなんやねんっ」




芝原医師

「ではこの日に栄養指導を…


できれば奥さんもお付き添いいただければ幸いです。」





石川さん一家

「はーい」




石川さん一家は帰宅し、小倉看護師とゴメス看護師はナースステーションへ。




馬場院長と芝原医師は一旦医局へ戻る。




芝原医師

「院長…過去にホンマに尿管結石やりよったんですか?」




馬場院長

「ヒトミ(芝原医師の名前)ちゃん…





そんなん




私のウソに決まっとるやろ。

大体医者が結石なるんわ大恥よ。




あーゆうオジサン世代は同じ境遇や同じ病気やった人がいると変な仲間意識強くなるから敢えてホラ吹いたの。」




芝原医師

「あっはっは〜やっぱり。」



馬場院長

「ヒトミちゃんも泌尿器科医なら尿管結石は男性の方が圧倒的に多いの知ってはるやろ。



私ら女子は男性に比べても筋肉量も血流量も尿酸値も低めやし、結石になる確率は基本低いけどな〜まあとはいえ油断は出来んね。




私みたいな閉経後は特に。」




芝原医師

「女子っあははっ!私らオバサンですけど…


まあおっしゃる通りですわ」





馬場院長

「んじゃ私は院長室また戻るわ〜


ヒトミちゃんお疲れ様ねー」




芝原医師

「はいーお疲れ様でした〜」





1週間後…石川さん一家は血液検査と尿検査、再診察、栄養指導の為に再び来院。




泌尿器科の芝原医師に再び検査結果を観てもらいそのあと、管理栄養士の古作栄養士を訪ねた。




栄養指導室のノックを叩く石川さん。


コンコンっ




古作栄養士

「はい、お待ち下さい。今開けます。」




ガチャ




石川さん&奥さん

「こんにちわ~」




古作栄養士

「こんにちは、管理栄養士の古作こさくまなみと申します。




ご予約の石川さんですね。

どうぞ中へお二人とも、おかけになってください。」




石川さん

「…。ウチの娘よりもべっぴんさんきたで」




奥さん

「こらっ おとうちゃん」




古作栄養士


「芝原先生よりお話は伺ってます。


まず普段の食生活と運動習慣について教えていただけますか?」




石川さん

「そやな〜 まず朝はタバコ吸ってその後納豆ご飯とほうれん草のお浸し。


どや健康的やろ?




昼は今は定年退職しとるから車でパチンコか競馬行くかな。


パチンコ行くん時は片手で飯食いたいからコンビニのパンとタバコだけたい。


競馬場行く日はやっぱりビールとモツ煮込みは欠かさんね。


夜は日本酒に…おつまみは肉か魚やな。


母ちゃんのメシはやっぱ旨かよ♪酒が進む。


あっ一応毎週火曜は休肝日で酒は飲まんなー」




古作栄養士

「運動習慣はありますか?」




石川さん

「んー たまにスーパー行く時チャリ乗るくらいやな。」




古作栄養士

「今の食生活は続けたいですか?」




石川さん

「そりゃ 長年続けとるから……続けたいと言いたいとこやが…




ただ…こないになって母ちゃんには叱られたし娘にアホ親父と今でも言わとるから…


正直変えんといかんばい。」




古作栄養士

「変わろうという意識がお有りで良かったです。素晴らしいです。」




石川さん

「ははっ 若い子に褒められて嬉しかね♪」



古作栄養士は石川さんの食事内容から以下の改善点を出す。




朝タバコ吸って納豆ご飯とほうれん草のお浸し 

→朝食前に水かお茶をコップ1杯を飲むことをオススメします。 


消化器の準備運動になります。


ほうれん草には結石を作るシュウ酸が多く含まれるので、毎日ではなく週1にしましょう。


かわりに漬物かキムチなど腸内環境が良くなるものがオススメです。




コンビニのパンとタバコ

→行く日の何日かを、おにぎりとお茶の日に変えてみましょう。


トイレには始める前か終わる時に行きましょう。


コンビニのパンも美味しいのはわかります。




競馬場行く日ビールとモツ煮込み

→ビール以外に水分補給をしてください。

重ねて言いますがトイレは、むしろこまめに行きましょう。




夜は日本酒におつまみは肉魚

→旬の野菜を加えて食べて見ましょう。


今は夏だからトマト、ナス、きゅうり美味しいです。


奥様が料理上手なようなので一緒にお買い物するのもオススメです。




毎週火曜は休肝日

→出来れば週2回 金曜日はいかがですか?


翌日土曜の競馬観戦するなら、より美味しくお酒飲めると思いますよ。




石川さん

「ほえーっ 意外やな…酒タバコやめんかいっ


って怒られるかと思うとったが、やめんで良か?」




奥さん

「栄養士さんは続けられん目標は立てへん人やね。いや〜若いのにしっかりしとる…




お父ちゃんがこうなったのにも…正直私にも原因があるたい。


私も同じ病気になるかもしれんし…


私も一緒にがんばるわ。」




古作栄養士

「奥様、ありがとうございます。


お酒とタバコの量は正直な話減らすか、やめるかはしてほしいですが…




石川さんは排尿回数が少ない事とお酒以外の水分補給が少ない事。




野菜類を食べずに血液バランスが良くない事によって結石が作られやすい体になってしまったので、まずは食生活から変えて行きましょう。




競馬場かパチンコもご自宅からそう遠くない場所ならたまに自転車で行ってみると良い気分転換になると思います。」




石川さん

「やってみるわ、今日は本当にありがとう」




奥さん

「ありがとうございました。」




この習慣を続け石川さんは発症から5年たった今、健康診断の数値は近年で一番良くなった。




酒も週2回休肝、タバコは完全にやめた。



競馬、パチンコは相変わらず好きだが自転車で通い詰めるうちに、運動に目覚め今では奥さん、孫が生まれた娘さん夫妻と散歩も習慣になった。



医療が発達した現代、薬も大事だがヒトは食べ物から作られているといっても過言ではない。




今日も忙しい『馬場共運国際病院』 


救急搬送の対応をする中山医師、芝原医師。



患者に寄り添い支える砂川看護師、小倉看護師、ゴメス看護師



良い食生活で病気の予後が健康に過ごせるようにと古作栄養士は患者と一緒に考える。


医療従事者の彼らは今日も奮闘する。




ダービーシリーズ 第一章 完

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