刀の行方
「なっ…刀がなくなってる?!」
そう言い皆が驚いた表情になる
漆黒を除き…
「なんでそんなに驚いてんだ?」
「"なんで"って…
急に刀が消えてどこに行ったかもわからない状況で驚かないわけないだろ」
と昴がキレ気味に言うと
「お前本当に契結がなにか知ってんのか?」
「そりゃ刀との契約だろ?」
と自信満々に漆黒に返すと
「ちげぇよ
契結ってのはないわゆる"隷属"だ」
「隷属!?
刀を奴隷にするのか?」
あまりのことに驚きを隠せない表情で答える
「まあそんなとこだ」
そんな漆黒の言葉に彩花が"なるほど!"と言う顔をし
「つまり 漆黒さん?くん?と菖蒲は刀の場所がわかるってことっすか?」
「半分正解だな」
「半分っすか」
「じゃあ刀はどこにあるんだ?」
と昴が質問すると"まあ見てろって"という表情をし漆黒が皆の方を見る
「来い"陰狼"」
その言葉を漆黒が発した途端に空間が黒く歪み
そこから先ほどきえた刀の黒い方が現れる
「これはどういうことだ?」
「隷属ってことはそいつに従うってことだ
つまり主の命令には従う」
「結局はどういうことなんすか?」
「俺が邪魔だからしまっといた」
その漆黒の言葉を聞くと皆が"は?"という顔になる
「早く言えよ!
てか菖蒲はわからなかったのか?」
「う...うん
漆黒の考えてることまではわからないから…」
「自分の中の人格なのに扱いきれないってのは大変だな…」
「…そうでもないよ」
"そんなもんか"という顔をする昴を横に染華が
「まあその契約を結ぶことができたってことはとりあえず
刀の件は解決ってことでいいんだな」
と言う
「まあ そうだな"とりあえずは"な」
「これからよろしくな師匠」
「これからよろしく師匠!」
「あ...ああ とりあえず修行の件はわかった」
と昴が言うと染華が
「とりあえず菖蒲の状況は確認できたから私は帰る」
と言う
「染姉もう帰るんですか
もう少しここにいましょうよ〜」
「私だって暇じゃないんだ...
とりあえず菖蒲の安全を確認しに来ただけだからな」
「で...でも〜」
「何を言おうと私は帰る」
駄々をこねている彩花とそれをいなす染華に対し菖蒲が
「もう帰っちゃうの?
久しぶりだからもう少しいてほしいな…」
と寂しげな顔で染華に言う
「でも忙しいならしょうがないよね…
わがまま言ってごめんなs…」
「もう少しだけこっちにいてもいいだろう」
と菖蒲の言葉を遮るように染華が言った途端
彩花の顔がぱっと明るくなる
「やったーこれでもっと菖蒲と一緒にいられる〜」
その横で三人を見ていた昴が
「もう少しいるなら 少し付き合え」
「何をする気だ?」
「久しぶりに訓練でもしようと思ってな」
「めんどくさいな…」
「そう言うなよ」
そう話す二人を見て菖蒲が目を輝かせて
「師匠と染華お姉ちゃんの訓練!
おもしろそう!」
「よし やるか昴!」
「お...おう」
そうして皆は道場へと移動する
「こうやってお前と対峙するのは久しぶりだな」
「そうだな 何年ぶりだろうか…」
そう言いお互いに得意な武器を選ぶ
染華は薙刀を
昴は片手剣を
もちろん命の取り合いではないため木製である
「ふたりとも準備はいいっすか?」
と二人の間にいる彩花が言う
「ああ 準備完了だ」
「俺も大丈夫だ」
「了解っす
菖蒲は壁に寄っとくんすよ」
「なんで?」
「この二人は実はめちゃくちゃ強いんで念の為っすよ」
「わ...わかった」
菖蒲が壁際に寄ったのを確認すると彩花が昴と染華の間に立ち
「それでは…
はじめ!」
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