一人の少年
ここはとある街
今は……モンスターブレイク中である
「ヴォォォォォー…」
今まさに一匹のモンスターが女性を襲おうとしているところである
「キャーーー」
バタン という音がなり周囲には静寂が訪れる
「た…すかった?」
女性が顔を上げると齢16ほどの少年がすぐ目の前にいた
「大丈夫ですか?」
少年に手を差し伸べられ女性は立ち上がる
「は…はい ありがとうございます。」
「生きるという行為はなんの意味があると思う?」
「?(急に雰囲気が変わった?)」
「も…もう少ししたら僕の仲間が来ると思うので
その人に避難所まで案内してもらってください では」
「待って せめて名前でも教え…」
少年が足早に去っていく
「まだ答え聞いてねえのに離れてんじゃねぇよ」
「急にあんなこと言ったらあの人が困るだろ」
「へえへえわかりましたよっ と やっとついたか」
少年は今まさにモンスターが虫のように湧く門の前に立つ
ドン…ドン…ドン
「おっとダンジョンボスのお出ましか?」
少年の前にはゆうに5mをこえるであろう巨体がまるで壁のように立ちはだかる
「今回のはちと大きめだな、まあどうでもいいが...」
「ヴォォーーー」
その怪物の攻撃が少年に当たるその刹那
「来い "陰狼"」
そう少年が口にすると空間が黒く歪み《ひずみ》そこから一振りの刀が現れる
少年がその刀を取り一振り.............
「ヴ…ォ」
少年の前にいた壁は塵となり消えその奥にある門さえも袈裟に割れ粉々に砕ける
「これで一件落着だな」
「うん!お疲れ様!」
一人の少年の声が空に響く
12年前
ここはよくある普通の道場
中では10名ほどの子どもが剣の訓練をしている最中である
「師匠ー」
一人の男の子がそう口にし道場へ入ってくる
「おー菖蒲」
道場の中で子どもに指導をしていた男が男の子の方に向かいながら口にする
「よ!昴」
そう口にするのは"菖蒲の父"白羽 牧夫である
「ッチ なんだよ牧もいるのかよ」
菖蒲に"師匠"と呼ばれる男 獅子神 昴がそう返事を返す
「んだと 喧嘩売ってんのか?」
「んだよ やんのか?」
二人がいつもそうであるかのように喧嘩を始める
「お父さん!師匠!やめてよー」
そう菖蒲が口にすると一瞬の沈黙が生まれ二人は顔を見合わせた
次の瞬間
「はーい」
二人の声が道場内に響くのであった
第一話お読みいただきありがとうございます。
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