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ツンデレ美少女の堕とし方  作者: 藤木一花
8/10

作戦8.最高のデートをしよう



 「じゃあ、早速行こうか」



 「ええ。それで、どこから回るとか決まってるの?」



 「一応考えてきた。でも希望があればそっち優先で」



 「じゃあせっかくだし今回は任せるわ。お手並み拝見といきましょう」



 こっちの計画に乗ってくれるのはうれしいが、圧を感じる。


 「よしまずは目玉のジェットコースターから行こう」


 「いきなり?」


 「今ならそこまで並ばないだろうし、一番元気な時に乗った方が楽しめるだろ?」



 俺たちは、この遊園地の一番人気アトラクションであるジェットコースターへと向かった。




 「今更だが、絶叫系は平気か?」


 「むしろ大好物よ。そっちこそ大丈夫でしょうね?」



 「と、当然!」



 あまり経験はないが、まあ何とかなるだろ。


 乗り場に着くと、予想通りそこまで待つことなく俺たちの番がやってきた。



 




 「うわああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」



 


 こんなに怖いとか聞いてないぞ。死ぬかと思った。


 



 「ふう……余裕だったな」



 「どこが!?」



 「ま、まあ細かいことはいいんだ。次行こう」


 「次は何に乗るの?」



 「お化け屋敷にしようと思う」


 「え」



 「あ、もしかしてお化けとか苦手だったか?だったら別のに…」


 「そ、そんなわけないでしょ!余裕よ!」



 本当だろうか。この遊園地のお化け屋敷は結構怖いらしいから心配だ。



 「怖かったらいつでも言ってくれよ」


 「大丈夫よ。多分」



 お化け屋敷はジェットコースターのすぐ近くにあるため、すぐに到着した。



 


 「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」



 


 「よくそれで自分は余裕で済みたいな感じだせたわね…お化けよりあんたの方が余程怖かったわ」



 「面目ない」



 

 まさかここまで怖いとは。ジェットコースターに引き続いてとんだ醜態をさらしてしまった。



 「大丈夫なの?」



 「ああ…ここからはゆったりとしたやつばかりだし、大丈夫だ」




 その後も俺たちはいくつかアトラクションに乗り、昼時になってきた。



 「そろそろお昼にするか」


 「賛成。店はもう決まってるの?」


 「ああ。ここからすぐ近くにあるサンドウィッチの店が美味しいらしい。」


 「へえ。いいじゃない」




 そこの下調べはばっちりだ。



 「それにしても、かなり念入りに考えてくれてたのね。回る順序とか、かなり的確だった」



 「まあな。せっかくの遊園地だし、精一杯楽しみたかったんだ」



 「前田…」



 そんな話をしていると、目的の店に到着した。



 「結構いろんな種類があるのね。どれも美味しそうで悩ましい…」


 「一ノ瀬が良ければなんだが、別の頼んでシェアしないか?」



 「え?」



 「あ、いやなら全然断ってくれてもいいんだ。でも下心とかは一切なくて…」



 「ふふっ、そんなの疑ってないわよ。じゃあシェアしましょう」




 一ノ瀬は笑いながらそう言った。やはり笑顔が最高に可愛い。






 昼食を終えた俺たちは次のアトラクションに向かう。



 しかし、



 「あれあれ~、こんなところにいるのは一ノ瀬未来さんじゃねえか~」



 「え……」



 あいつは…一ノ瀬にしつこく迫っていたチャラ男だ。




 「何の用だ」


 

 一ノ瀬を庇うように前に出て言う。



 「あ?なんだよ、俺の誘いを断っといて自分は仲良くデートかよ」



 「あんたには関係ないだろ」



 「黙れ。しかもこいつあの時のやつじゃねーか。よく見ると全然冴えねえな。こんなやつと一緒にいないで俺と来いよ」



 「…………」



 一ノ瀬が震えている。もしかしたらあの時のことはトラウマのようになっているのかもしれない。



 「もういい、いこうぜ一ノ瀬」



 一ノ瀬の手を取り、チャラ男に背を向ける。



 「お前は引っ込んでろ!」



 「くっ……」



 背後から突き飛ばされた。手を取っていた一ノ瀬を巻き込みそうになり、とっさに手を放す。




 「こいつ…」



 「ほら、邪魔者は消えた。俺と来いよ」



 チャラ男は強引に一ノ瀬を連れて行こうとする。




 「……でしょ」



 「あ?」



 「邪魔者はそっちの方でしょ!私は、あなたなんかに一ミリも興味はない!これ以上私の大切な人を傷つけるのは許さない!さっさと立ち去りなさい!」




 「一ノ瀬……そういうことだ。邪魔するな」




 「ちっ…」



 部が悪くなったと判断したのか、チャラ男は去っていった。



 それにしても、「大切な人」か。



 「何ニヤニヤしてるのよ」



 「なんでもない、行こう」




 かくしてデートは後半戦を迎える。



 

 

 




 



 

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