作戦2.クラスメイトに頼ってみよう
俺には遂にわかってしまった。
俺が相当のバカだということに!
このまま俺がいくら考えても絶対に成功しないだろう。
ということでいきなりだがクラスメイトに相談してみることにした。
俺の信頼できる友人2人に事情を話す。
「ばっっかじゃないの!?!?!?」
そう叫んできたのは小南優鈴
いつも元気で親しみ溢れる陽キャ女子だ。
「告白は唐突だし、毎日するのは迷惑だし、最大のチャンス棒に振ってるしツッコミどころが多すぎるよ!!!」
「え‥‥‥」
どうやら相当駄目だったらしい。しかしそう言われてもどうすればいいのかわからない。相談しているのだからアドバイスでもくれればいいのに。
「おいおい、それじゃあ進がどうすればいいのかわかんねーだろ。ま、俺がアドバイスしてやるよ。」
俺の言いたかったことを言ってくれた。
しかしアドバイスはとても助かる。
「進、お前は焦りすぎたんだ。そんな気持ちだけ先行してたって上手くいくはずがない。少しずつ距離を縮めることが大切なんだ。そこを意識してみろ。俺から言えるのはそれだけだ。」
十分すぎる。助かったなんてもんじゃない。
完璧なアドバイスをくれたこいつは上杉彰、いつも冷静でどんなこともこなす、頼りになるやつだ。
「なるほど‥‥。ありがとう彰、優鈴も。助かった、2人に相談してよかったよ」
いきなりの相談に対してしっかり考えてくれるなんて、俺はいい友人を持ったな‥‥‥。
「てことでなんか奢れよ!」
「私駅前にあるカフェのパフェがいい!」
前言撤回。こいつら‥‥‥‥‥‥。
まあ助かったのは事実なのでしっかり奢ってやることにした。3人で駅前のカフェにやって来た。
「わー!!おいしそう!!」
おのれ優鈴、一番高いやつ選びやがってっ!!
「まさか本当に奢ってくれるとはなー、お前にしては意外だな。一ノ瀬のこと、マジなんだな」
彰もちゃっかりまあまあお高めのスイーツ頼んでいやがる‥‥‥!
「まあ本当に助かったからな、俺は夢中になると前が見えなくなるからこれからもアドバイスくれよ」
「奢ってもらったしこれからも相談には乗ってやるよ。ん?あれは―――――」
「どうかしたのか?」
「なんでもない。優鈴、そろそろ行くぞ。進、会計は任せた」
「おう‥‥ってなんか急だな」
「ああ――――そういうことね、じゃあ進、パフェありがと」
なんだ?二人共急に悟ったように‥‥‥。
仕方ない、会計に行くか。
会計は結構混んでいた。俺は知らなかったが意外と人気な店なんだろう。
「あっ‥‥」
前の人が小銭を落としてしまったようだ。足元に転がって来たので拾って渡す。
「どうぞ‥‥‥って一ノ瀬!?」
「なっ前川!?あんた、なんでこんな所に‥‥!」
まずい。これはなんていうかその‥‥まずい。
「お、俺は友達に相談に乗ってもらってて‥‥」
正確には相談に乗ってもらってからおごらされてたんだが‥‥。
「そ、そう‥‥奇遇ね。私も相談に乗ってもらってたのよ。って、あんたには関係ないわねっ!!」
偶然のタイミングで重なってしまったようだ。彰と優鈴め、知ってやがったな!!
せっかくだからここでアドバイスの通り、少し距離を縮めたかったが俺にも考えがあったのでそのまま別れることにした。
「それじゃあな、一ノ瀬。あと明日の放課後校舎裏に頼む。」
「またっ!?何回告白されてもオッケーしないわよ!」
「流石に俺にもわかってる。今回は告白じゃない」
「そ、そう?じゃあ仕方ないから行ってあげるわ、感謝しなさいよ!」
「おう、ありがとな。それじゃあまたな」
明日、絶対に距離を縮めてやる!!