私、魔女なんです
「ママ・・・祝福してくれるの?」
「お前にそんな強い意思があるなんてね」
「ありがとう、ママ」
「立派になって」
ロージーィは泣き出す。
あれまぁ、と母は背中をさすってくれた。
使い魔の灰色のネコ、アオタがのどをぐるぐると鳴らず。
「どうしよう、ママ」
「不安なのはしょうがない。まだお前が魔女だって相手に言ってないんだね」
「はい・・・」
「言うつもりなのかい?」
「はい」
「うんうん」
「今度、彼の親友に挨拶に行くんです。その時かその前に話してみようかと思います」
「そうかい、そうかい」
* * *
それから少しして。
ロージィーが園芸部の活動中、イクタが顔を出しに来た。もう園芸部のクラブ員に顔なじみで、みんなと挨拶を交わしながらロージィーの方にやってくる。
「やぁ」
「はい」
「話があるって?」
「はい」
「何について?」
「不思議な力についてです」
はっとイクタの顔色が曇る。
「アキについて、信じがたいんだね」
「え?」
「嘘だと思ったの?」
「いえ、あの・・・」
「アキについて、説明法を俺はあまり持っていないんだけど、本当の話なんだ」
「分かりました」
「信じてくれるってこと?」
「私も不思議な力があるって、前に言いましたよね?」
「そう言えばそうだ」
「その件についてなんです」
「うん」
「わたし・・・魔女なんです」
数秒の沈黙のあと、「え?」とイクタはぽかんとした。