ななちゃんの、バレンタイン
「うんとぉ~」
ななちゃんが、ひとりごとを呟きながらリュックの中をごそごそと何かを探している様子。
「なな、何してるの?」
大好きな、かなちゃんが声をかけます。
「あったでちゅ!」
そういって、リュックから出したのは、買い物にいったときに買ってもらったお菓子のコアラのマ◯チ。
「かなしゃんとぉ、ままとぉ、ぱぱにあげるでちゅ」
今日はバレンタインデー。ママが、大好きな人にチョコレートをあげる日よ。と教えてくれたので、ななちゃんは大好きなママ、パパ、かなちゃんにチョコレートを渡したかったのです。
かなちゃんが、可愛いラッピング用の袋をくれました。そして袋に入れるのを手伝ってくれました。
「この、こあらしゃんは、ママ。この、こあらしゃんは、パパ。この、こあらしゃんは、かなしゃん」
ひとつずつ確認しながら袋に入れるので、とても時間がかかりますが、かなちゃんは、ななちゃんの頑張る姿を見守ります。
「できたでちゅ」
全て入れ終わると、かなちゃんが袋の上をモールでクルクルと留めてくれました。
「かなしゃん! しゅごいのことでちゅ!」
ななちゃんは、かなちゃんがしてくれる事のひとつひとつに感動をします。歳の離れたお姉ちゃんのかなちゃんは、ななちゃんの大好きなひとりなのです。
お夕飯の時に渡すのを、今からワクワクしている、ななちゃんなのです。
ハッピーバレンタイン。
皆様も素敵な日でありますように……