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詩など(象徴詩)

解けた

作者: 檸檬 絵郎

遥彼方さま主催「ほころび、解ける春」参加作品。

        

※ 「エブリスタ」にも『とけた』というタイトルで投稿しています。そちらでは、公式イベント「三行から参加できる 超・妄想コンテスト 第96回『とける』」にも参加しています。




 

 解けた


 あなたは呪いだったと言った


 からみついた糸だと言った……




 あの日あの夜


 満月が溶けた


 雲のなかで


 ふたり折りかさなって融けた


 心が溶けた



 どろどろに熔けた鎖が


 やわらかい毛布になってわたしをつつんだ


 暖かい冬


 ぬくもりは火の色……






 炎が黄色くなったとき


 解けたのは


 あなたの嘘


 魔法



 解けないでほしかった


 解かないでほしかった


 冷たい鎖は色も褪めて


 でもあなたには


 なお解かないでほしかった……








 解けた


 あなたは呪いだったと言った


 からみついた糸だと言った



 そしてあなた


 わたしを置いてった


 その日


 庭に花がほころんで


 わたしに解けない封をした










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― 新着の感想 ―
[良い点] 呪い からみついた糸 清々しいだけではないところ。 狂おしさがせつないです。
[一言] こうして並べられてみると、「とける」って色々な漢字があるのですね。 絡みつくわたしとの縁を切れて喜ぶあなたの気持ちと、置いていかれてしまったわたしの虚無と。 逆ベクトルの気持ちがお上手に描…
[良い点] 「とけた」という言葉の、正しい使い分けが印象的です。 解けたといった「あなた」と春に花はほころびるのに、新たな封をされる主人公、その悲しいすれ違いが際立っています。 [一言] 大人の詩情を…
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