たんたかたん
雷人「なぁ名前くらい教えてくれよ」
女神「いや」
雷人「もしかして古い名前なのか?梅とかチカとか」
女神「ちげーし」
雷人「じゃあキラキラネームでそうだな~天使と書いてエンジェルとか?」
女神「………」
女神は頭から湯気が出るほど赤くなっていた。
雷人「あ……うん俺はいいと思うぜ。エンジェル!」
女神「その名で呼ぶな~!」
雷人「お、おいそんなに怒らなくても…かわいいよエンジェル!」
女神「ぐがぁぁなんなんだよエンジェルて、アホにもほどがあんだろ。かわいいとかねーし。てかなんだよこの新鮮さのない名前。覚えやすいけどすぐ飽きるっつーの。あだ名も付けづれーしなんなんだよこれキィ~~~!」
雷人「お、落ち着けよエンジェル、俺が新しい名前考えてやるから。な?エンジェル」
女神「ぬぅおおぉ~~貴様わざとその名を口にしているな」
雷人「わ、悪かったよ女神ちゃん。それにしてもその名前によほど悩まされたみたいだな」
女神「悩みなんてもんじゃない。あれは地獄だ」
「あれはあたしが高校に入学したときだった…」
中学までは地元の学校に通っていたあたしは、それはもういたって普通の学生生活を送っていた。だがしかし、高校だけは違った。入学するなりソッコーで名前のことで話題にされていた。
「…天使って書いてエンジェルだってよ~w」「エンジェルってかわいいとか思ってるのかしら?」「エンジェルたんマジ天使」「エンジェルって呼びにく」「つーか名前のわりに地味じゃね?」「エンジェルたんマジ天使」
それから一年も通わないうち学校にはあまり行かずゲーセンへ通い。髪も染めて金髪に、日サロいって小麦色。スケボーもその時からやりはじめて仲間もできたわ。仲間はあたしの名前は最高にクールとか言ってくれてたわ。そんな感じでめでたくギャルで不良の仲間入りって訳。
雷人「苦労してんだな~エンジェルたん」
女神「イラッ」
女神は俺をにらんでいた。
雷人「……っ、でも女神たん、いつまでも女神たんじゃあなんか距離があるというか、堅苦しいというか…」
女神「たんたんたんたんうるさいわ!」
雷人「ワラワラ、ところで女神ちゃんはどんな名前がよかったんだ?」
女神「そ、それは…」
雷人「まだ考え中か、よしじゃあ俺が新しい名前を考えてやろう」
「そうだな~、まずはレノとかどうだ?」
女神「う~ん」
雷人「じゃあユミとか?あとシンプルめに涼子とかは?」
女神「う~ん」
雷人「じゃあ風神て書いて(ふうか)は?」
女神「兄弟じゃないんだから、お前の名前と掛けなくていいから」
雷人「ワラワラ、じゃあミコは?」
女神「どう書いて?」
雷人「神の子でミコ」
女神「女が子供になっただけじゃん」
雷人「じゃあ女神子」
女神「安易過ぎんだろ」
雷人「う~ん名前を決めるのは大変だな」
女神「ほらほらもっと私の見た目を主張するような名前はない?」
雷人「う~ん、堕天使とか?」
女神「おいこら」
雷人「あ、違う堕女神か」
女神「ファッQ」
雷人「う~む、じゃあチナツで」
女神「う~ん、まあいいかも。どう書くの?」
雷人「乳夏」
女神「それじゃあチチナツじゃあねーか。却下」
雷人「じゃあもうミコ、ただのミコでいいや」
女神「いいやって私の意見は?」
雷人「じゃあこれからもよろしくミコたん」
女神「たんを付けるなたんを!」