ホワイトボックス
「…眩しい」
目を細め周囲を見渡して見るが、ただただ白いだけだった。
距離感が掴めない。
何があるか判らないので、両手を水平にし手で探るように歩き出してみた。
「あっ、服装がTシャツにジャージズボンになってる!」
「まあ楽でいいが。おっ」
10メートルくらい歩いたところで壁に手が着いた。横にも5メートルくらいで壁。
つまりこの空間は四角い部屋になっているわけか
それにしても何もない…
死後の世界は飲まずも食わずも、悲しみも楽しみも、怒りも苦しみもなく、なにもしなくても良い、無の世界だと思ってはいたが……
こんな何もない白い空間で1人きり、こちらには感情も記憶もある……地獄だな
はぁ
俺は肩を落としつつ床にうつ伏せに寝転んだ。
「あぁ床が冷たくて気持ちいい」冷たさを頬で感じ大きく息を吸い…大きなため息をつき…少しの落ち着きを取り戻した。
そして仰向けになり、ふと空を見上げていると小さなシミのようなものが見えた。
「あれはなんだ?」眼を見開き、そのなにもない空間に何かがあることがわかった瞬間に心臓は高鳴り脳に血が巡るような感覚がした。
だんだんと大きくなるシミは、シミから人の形に見えてきた。
「ん?あれは……まさか」大きく見開いた目は力一杯まばたきをし、目の前の物体が幻想ではないことを再確認していた。
女神「あなたは不幸にも……」
雷人「もしかして女神様!?よっしゃーこれで異世界転生でも、成仏でも、極楽浄土でも選り取り緑だぜ~。ここは待合室にすぎなかったんだ!まったく椅子ぐらいおいとけよな不親切にもほどがあるぜ~、も~……て、あれ?」
女神「ここでは……」
雷人「髪の毛は黄金色、目の色は赤、肌が褐色?…胸は……まあ置いといて、服装は白いドレス、で脚も見事に褐色だ。!?女神だから裸足はわかるが…なんだ?あの、かかとを踏み潰した靴は!」
雷人「ギャルか!?」
女神「……おいコラ、誰がまな板だぁ~?人がせっかく説明してやってんのにちゃんと聞けや!」
雷人「うわっ!女神様コッワ。というか」
雷人「頭の中読まれた!?」
女神「頭の中読まれた!?」
雷人「……」
雷人「面倒くさっ」
女神「クスクス」
雷人「てかお前、手に書いたカンペ読みながらしゃべってなかったか?」
女神「うっさいわね!、あなたがはじめての相手なんだから仕方ないでしょ」
雷人「新人かよ」
女神「あーもう話しが進まないじゃないのよ!」