目を開けるとそこはー筋肉だった。
オリジナルを描いてみたかった。
神様転生。
例えば、トラックに轢かれそうな子供を助けて死んだ。とか。
例えば、神様の不手際で本当は死ぬはずではなかった人間が死んでしまった。とか。
例えば、上記の予定外の死を自力で引き起こして死んでしまった。とか。
もっと正確に言えば、この素晴らしい○界に祝福を! とか、幽☆遊☆白○は結構違うが、三つ目のに少し当てはまっている。あとは、う〜んなんだろう。こういう時、自分の知識の狭さに打ちひしがれる。が、今はそれは関係ない。えーと、そうそう。
だいだい上記のそれらは行いが認められたとか、自分のミスの責任取りとか、違う世界がピンチだとか、そういった理由で転生の間に送られ、神様に転生させてもらえる。もちろん、そんな異世界に現代っ子が行ってどうこうできるわけもない。だから、チート特典なるものを神様はそいつらに与える。そうして異世界へ送り出す。ここで何故、例えば異能バトルの世界で何十年間もの間自分の力を制御できずに悩まされている人がいるのにいきなり使いこなすことができるのか、自滅しないのか、はたまた努力といっても元ニート(偏見)がそこまでの完全な努力をするのだろうか、などなど様々な疑問が生じるがそれは、まあ、いいだろう。そうして、神様から与えられたチート特典によって主人公は、その世界を旅することになる。時には、怪物を倒し、姫を救い、女の子をおとす。
これが、神様転生とそれからの大体の話だ。
何故こんな話をし出したのかというと、私はこれに異議を申し立てたい。
まず、転生の間なる空間での神様とのやりとりだ。
男の神だろうと女神だろうと何故か謙っていることがある。そして名前は、オーディンだとか、ゼウスだとか、ヘラだとか、アテナだとか、ハデスだとか、その神話を読んだこともしくは聞いたことぐらいは有名な神たちだ。オリュンポス多いな。ここは日本ですよ。
そして、その神話でそいつらが人間に対して余程謙っていることがあっただろうか。いや、ない。神の加護を与えるとかそういうのはあったが、あれは先祖が何かしたとか、偶然神を助けたとか、敬虔な信徒であったとか、当人達の行いによるものだ。現代っ子、それも神をほとほと敬っていない人間に対して下手に出るなんてありえないだろう。というか、そもそもあいつら基本人間のこと神の代わりの労働者とか道具という認識だろう。
問題は、まだある。
その低姿勢な神に対する転生者の態度だ。神に向かって大口を叩き、バカにし、貶める。こんなのブチギレるだろう。もう一度言うが、神にとって人間は道具だ。それも取るに足らない道具。どうすれば愛されるのか、どうすれば選ばれるのか、そんなことを一切していない現代っ子に罪悪感を抱くだろうか。いや、ない。殺されて終わりだろう。特にゼウスとか。この女の敵め。許す神もいるだろう。しかし、それは己の享楽のためにという、転生者のこれからを大きく影響させるものだ。ロクでもないな(小並感)
問題は、まだある。
今度は転生者だ。チートに関して、まだいい。けどさあ! 元ニートとか、童貞コミュ障とか言っといて、なーにいきなり女子と話せて落とせてんだよ! 姿形も変わり一からの赤ん坊からのスタートならコミュ障が治るのもいいよ。性格が明るくなるのもいいよ。そこら辺は、いい人たちとの出会いが変えてくれるだろう。けどね、性根はどうしようもないんだよ。元がクズなら結局クズだから。そういうとこ、見抜かれるから普通。そして、姿形が変わらずそのままの方だ。ホントなんでハーレム築けるの? コミュ障治ってんの? 引きこもりだろ!(偏見) と、ここまで偏見に満ちているわけだが、実はまだある。
物語の展開だ。すーぐ、女の子のピンチを救っちゃって都合良すぎない? 天に愛されすぎてない?
と、ここまで偏見に満ち満ちていることを話したが、何故かというと、
「お主は転生の権利を得た」
私、天沼 佳美。16歳、花のJK。
どうやら転生するそうです。
***
「妾の名は、伊邪那美。主を死へと誘 う者」
言葉を失った。衝撃の発言だったからではない。そうでもあるが。
それは、本物の神威を浴びたからだ。
人間の本能に刻まれた神への畏怖が絶望となって脳を心を支配する。
伊邪那美大神つまりイザナミ。『生命を司る神』イザナギの妻にして万物を生み出した母神であり、『死を司る神』である。一見、矛盾したように思うかもしれないが、そうでもない。母神は世界中の神話においても大地神に当てはまり、大地に根ざした自然物の生成と消滅、生と死の循環を表している。
また、生と死が表裏一体であることを表している。
「だが、不測の事態が起きてなー」
何か話しているようだが、わからない。
身体は絶望に支配されている。もう死んでいて、恐れる理由がないはずないのに。
でも、それも仕方ないだろう。某お腹に風穴を開けられようと、足があれば歩き、腕があれば這いつくばってでも進む気力と根性の主人公だって、絶望していたし。
「ーというわけよ。理解したか?」
話が終わったようだ。聞いてなかったが、聞き返すのも怖い。やっと思考が冷静さを取り戻してきたのに、わざわざさらなる恐怖を生む必要はないだろう。
そして、返答するために声を出そうした。
が、声は出なかった。出せないのではなく、出ない。まるでそういう機能が無いように。そこで気づいた。気づいてしまった。
自分の身体がないことに。
目はないのに視えている。耳はないのに聴こえてくる。鼻がないのに無臭がする。喉はないのに喉が渇く。手がないのに手汗を感じる。足がないのに震えている。背中がないのに背筋が凍る。今の私は魂だけの存在だ。
そんな私の焦りを知ってか、イザナミが声をかけてきた。
「なんだ? 今頃己の身体がないことに気づいたのか。なに、転生すれば肉体を創り直す。が、それには少々時間がかかる。今のうちに愉しんでおけ」
どうやって!? 思わず声を上げそうになったが、そもそも声は出なかった。
しかし、確かに。魂だけの存在になるなんて経験を人生でできるのは私ぐらいだろう。さすが私。略してさすわた。
こうして物事をポジティブに考えなければ、心がくじけてしまいそうだ。
目の前のイザナミにない目を向けるとやはり私は恐懼するし、そう思いぼぉーとしていると、前の世界、もう会うことのできない両親妹家族猫友達クラスメイト毎朝挨拶だけする見知らぬおじさんなどの大切なことからどうでもよかったことまで鮮明に思い出され、離愁する。もうない自分の将来を思い憂鬱になる。
ここで前の世界と言ってるあたり自分の切り替えの早さに嫌気がさす。
(……こんなはずじゃなかったのにーー!)
やり場のない怒りが溢れ出す。本当なら今頃、いつも通りの日常を、高校生活をしていたはずなのに。家族と話して友達と遊んで、テキトーなお店に入ってー!
ダメだ。それ以上いっては引き返せなくなる。そんな予感がする。
どうでもいいことを考えよう。明るいことを考えよう。そう例えば、最近見たテレビのこと、最近したゲームのこと、昨日の晩御飯のこと。って私は馬鹿か。なに自分から地雷を踏みに行ってるんだ!?
そうだ、この空間についてテキトーな考察でもしてみよう。
まず、特徴は何も無いことだ。床も壁も奥行きも何も感じない。光が無ければ闇もない。だけど姿ははっきりと分かる。きっとここは生と死の狭間。天国でも地獄でない。それすらも決まっていない。黄泉の国へと至る道中。つまり、なんでもない空間なのだろうと推測する。ドラゴン○ール的にいうと蛇の道といったところか。違うか、違うな。考えれば考えるほど疑問が尽きない。きっと私は今、今までで最も頭を使っているだろう。きっと顔を歪めて悩んでいるんだろう。鏡があって、顔があったら見てみたい。
なかなかにポジティブな思考になってきたところで、文字通り魂に響くような壮大な声に意識を強引に引き戻された。
「準備が整った。では送るぞ」
あまりに一方的な物言いについイラッとした。思えば、このイザナミ、私の意志を求めたことがない。ずっと一人で話している。もはやただの宣言、もとより拒否権なんぞ、ない。そう言わんばかりだ。だが、それも仕方のないか。神は人を道具と思っていると言ったのは自分だし。そもそも返事なんてできないし。できても拒否したら魂の消滅だってありえそうだし。ないよね? ね?
「ではな、せいぜい努めよ」
その声を合図に私を今まで感じなかった重圧が襲う。意識が引っ張られる感覚がする。
どこかへ飛んでいくような感覚がする。
そしてー
視界が暗転した。
***
私が自分の身体を確かめるようにゆっくりと瞼を開けると、そこはー広大な森の中だった。
まずは状況整理から始めよう。
見上げると、太陽が燦々と輝く紅い空。それは決して夕焼けだからということではない。不気味だ。
空が青いのは、光の屈折がどうこうだった気がするが、よく覚えていない。
周囲の森林に目を向ける。木の大きさは、私のいた地球とさほど変わらない。近くに生命の気配はない。
「ふぅ、ーッ!」
安堵の溜息をついたその時、激しい頭痛が私を襲った。
「ーーッーーァー!」
声にならない悲鳴を上げてのたうち回る。服が汚れるがそんなことを気にしている余裕はない。
自分の脳に直接介入されるような不快感。
ナニカが自分を上書きしていく恐怖。
強引にナニカが増やされる激痛。
知らない言葉が思い浮かぶ。知らない文字が思い浮かぶ。
そうして私の脳の許容量をゆうに超えた情報の嵐が私の意識を切り落とした。
その直前、私の考えていたことといえば、
(キャパオーバーじゃなくて、キャリーオーバーした宝くじが当たれば良かったのに……)
案外どうでもいいことを考えていた。
***
次に私が目を開けると、そこはー
「…む……起きたか」
筋肉だった。
筋肉だった。大事なことなので二回言った。
あ…ありのまま今起こったことを話すぜ! 私はさっき『急な頭痛により倒れたと思ったら、いつのまにか目の前が筋肉だった』何を言ってるのかわからねーと思うが、私も何がどうなったのかわからない。どうにかなりそうだ。催眠術とか超スピードとかそんなチャチなもんじゃあ断じてない。もっと恐ろしい筋肉の片鱗を味わったぜ……。
ふぅ。やってやったぜ、と言い知れぬ達成感に酔いしれたいところだが、そんな場合じゃない。
目の前の筋肉ーもう眼前というわけではないが筋肉の圧力を感じるーとその他諸々をどうにかしなければ。
先ず、未だ天井を見上げた身体を、知らない天井だ、と言いたかったなと思いつつ起こす。
私はベッドで寝かされていたようだ。なかなかにふかふかだ。ついもうひと眠りしたくなるが、そこは何とか耐えた。知らない筋肉知らない家知らない世界だ、安心できる要素が何もない。
とはいえ、この筋肉は命の恩人。倒れている私を助けてくれたのだろう。
お礼をしなくては。
「あ、あの……」
「飯ができたが……食えるか?」
「あ、はい」
あまりの筋肉に気圧され、言い損ねてしまった。
ひとまず、ベッドから降りよう。さよならベッド。君とはもう会えないかもしれないけど、君のことは忘れないよ。なんかこれフラグみたいだな、なんてことを思いつつドアを開ける。
すると、鼻腔を刺激、否、脳を直接刺激するような濃厚な圧倒的な肉の匂い。鉄板の上で未だ加熱され続ける肉の焼ける音が食欲を増進させる。口の中に唾液が溢れかえるの感じる。少しでも油断するとよだれが出てしまいそうだ。じゅるり。
「………ふっ」
それを皮切りにもはや抑えがきかぬと言わんばかりに腹を抱えて笑う筋肉。
笑われた! この筋肉め! 確かに今の私はおかしいけど! だってしょうがないじゃないか。色々ありすぎたんだよ! そんなに笑わなくたっていいじゃないか!
笑っている筋肉に非難の目を向け睨みつける。
……笑ってる筋肉とはいったい……。
「…くっ……いや、…ふふっ……すまない。馬鹿にしてるわけではないのだ」
じゃあいったいどういうつもりなんだ! とジト目で睨みつける。
「森で倒れ込んでいるのを見つけてな、相当なワケありだろうと思っていたんだがー」
大丈夫そうだな、と穏やかな笑顔で笑いかけられ、見た目に反した優しい手つきで頭を撫でられた。
筋肉は、呆気にとられた私に、さあ、と椅子に座るのを促すように言うと、やけに脚の太い他の椅子とは一線を画している椅子を引き、座る。それにつられて私も料理の前にに座った。が、おかしなことに一つ多くステーキが置いてある。思わず首を傾げ訝る私に、
「筋肉の嫁の料理は美味しそうだろ」
どうだ、と言わんばかりに話しかけてきた。
嫁? とキッチンの方を見ると、
「まったく、彼女が困っているでしょ」
輝く銀色の流れるような長髪。前髪から覗く碧い瞳。
透き通るような白い肌。柔らかな顔つきにもかかわらずどこか凛々しい雰囲気。ピンクのオフショルダーのような服から覗く鎖骨がなんともエロティシズムだ。清楚を感じさせるロングスカート。出るとこ出ている肉体の黄金比。全身からする甘い香り、それはおそらくフェロモンだ。一言で言えば、美女。それも絶世の美女だ。すれ違う人間100人が100人振り返るだろう。あらゆる美しさを表す言葉はこの人のためにあるんじゃないのか、と錯覚しかねないほどだ。それにしても、
………嫁? えっ? 嫁? この美女が? え、えっ?
首が捥げるんじゃないのかというほど高速で美女と筋肉を見比べる。
「だから、言ったじゃない。病み上がりの娘にステーキなんて重いものダメだって」
「な、さっきは凄い喜んでいたぞ。そ、それに疲れた身体には肉だろ」
責めるように呆れたように言う美女に対して、萎縮する筋肉。
「気を遣ってるんじゃないの?」
「ぬ、そんなはずー」
ゴキッ、と音がした。
〜〜〜! いたい、いたい。ちょーいたい。
「どうかしらねー。筋肉みたいな筋肉に聞かれたらそうこたえるしかなかったんじゃない?」
「ぐぬぬ、確かに」
「ほら、やっぱり。気を遣わなくていいー」
と、そこまで言ったところで奥さんが痛みに悶える私に気づき、焦ったように声をかける。
「え、ちょ、大丈夫? どうしたの?」
「…ら……らい…ろーふ……でふ」
痛みに悶える最中、なんとか返事をするが、むしろ誤解を生みかねないな、これ。
「大丈夫じゃないじゃない。どこが痛いの?」
「だ…大……丈夫、です」
痛みが引き、今度はちゃんと答えることができた。奥さんはそう、よかった、と色っぽい息を吐き出しながら安堵する。うん、エロい。
ふぅ、落ち着いた。
「じゃあ、熱いうちに食べましょ」
「そうだな」
いただきます、二人が言うのに遅れて私もいただきますと小さく呟いた。
そして、フォークとナイフを手に取り、ステーキを切る。大きさと分厚さに反して、ナイフは簡単に入り、ひと口サイズに切ることができた。切ったところから肉汁が溢れて、ジュワ〜と心地良い音が、食欲をそそる。一切れフォークにさし、いざ。パクり。
う、う、うおおおおおおおおおお! 柔らかいのに歯ごたえがあり、口内を肉汁が蹂躙する。かけられているソースが肉本来の旨味をより強く引き出す。五感が肉に支配される。旨い。美味い。ただ、ひたすらに。
「どうだ? 美味いだろ?」
ドヤ顔で訊ねる筋肉に、うんうん、と首肯で返す。
箸が止まらない。フォークとナイフだけど。ばくばく。
「そんなに急がなくても。喉、詰まらせるわよ」
そうは言っても、この幸福感を味わっていたいのだ。もうこれは、一種の麻薬だろー。
「ーうっ……み…水ー」
「まったく。ほら、落ち着いて」
ふー、死ぬかと思った。
「ありがとうございます」
と、言って思い出す。まだ、助けてもらったお礼を言っていないこととか、まだ名前すら聞いていないこととか。
「いえいえ」
穏やかに応える奥さんと肉にがっついている筋肉に向き直り、適当に身なりを整える。そこで気づく、あれ、服が変わってる。石鹸かどうかはわからないけど、いい匂いがする。
「あっ、ごめんね。服汚れてたから洗濯しちゃったの。あと体も洗っちゃった」
な、なんだってー。この奥さん、私のあられもない姿を生まれたままの姿を見たのか!? 同じ女性といえ恥ずかしー。もうお嫁に行けない。責任とってください。
「いえ、それは。ありがとうございます」
「いいのよ。こっちが勝手にやったことだし」
「うんうん」
「いえ、そのこともですけど。倒れている見知らぬ私を助けていただき、ご飯までご馳走になってしまって。本当にありがとうございます」
と、腰を90度に折り曲げて礼を言う。二人がいえいえ、そんなとか言ってわたわたしてる気がするけど、気にしない。これだけはやっておかなければならないのだ。あの時、周囲に生き物はいなかったとはいえ、時間が経っていればわからなかった。だから、助けられていなければ今、生きてるかどうかも怪しいのだ。
やがて落ち着いたのかわたわたしてる気配がなくなった。
「助けるのは当然だ。気にすることではない」
「そうよ。この人の言う通り。気にしないで」
「そう、ですか」
そうか。気にしないでいいのか。ならば、お言葉に甘えるとしよう。
さっと席に戻り、残っていた料理を食べ尽くすべきフォークをふるう。フハハハハ、今ならフォーク使いNo.1になれるかもしれない。強かだな、なんて言う声が聞こえた気がするが気にしない。
もぐもぐバクバクモキュモキュ。かゆうま。
しかし、さっきから気にはなっていたが。やはりあの頭痛は、ここでの言語、常識、知識が脳にインプットされたことによるものか。知らないものを知っている感覚とは、気持ち悪いな。しかし、感謝はしている。それをしてくれていなくては、まともに会話も出来ないし、この正体不明の肉も食べれているのかわからない。あと盛り付けのサラダ(みたいなもの)も。けど、一気に情報を送り込むなんてバカでしょ。そんなもの耐えれるわけがないでしょ。まったく、やれやれだぜ。
さて、この料理に舌鼓をうちながら、これからのことについて考えるとしようか。
まずこの世界についての情報をまとめよう。
・この世界には魔法がある
・そのぶん科学的な発達が乏しい
・お金には、金貨、銀貨、紙幣とある
・単位はペクニア
・1ペクニア=銀貨1枚、100ペクニア=紙幣1枚、10000ペクニア=金貨1枚
・魔王軍的な集団がある
・王国騎士団があり、市民を守っている
・王族、貴族、平民がいる
・聖職者は例外である
・獣人などの様々な人種がいる
・冒険者的なのもいる
大きく分けるとこのぐらいかな?まあ、あとはおいおい語るだろう。たぶん、きっと、めいびー。
ふむ、よくある異世界だな(確信)。まあ、身分どうこう別にして、冒険者的なものになるしかないんだよなぁ。的なものってなんだ、的なものって。イザナミがなんかやって欲しいことがあるとかだった気がするし、そうしなかったら神罰が下るかもしれないし。べ、べつに怖くなんかないんだからね。ほんとなんだからね。……ツンデレ、ありだな。うんうん。
閑話休題。
まず、冒険者になるとして、それがどこでなれるのかが問題だ。どこか、はギルドということは分かっている。けど、ギルドがどこにあるのかわかんない。それにここがどこかもわかんない。どうしようか。窓から見える景色からして、さっきの森だか山だかにいるんだろう。……ちょっと待て。イノシシとかスライムとか他の魔物とかがいるんだ。道が分かったとして、ここから私は出ることができるのか。いや、できない。魔法に関する基本知識、魔物の種類特徴ぐらいはわかる。だけど、魔法は使ったことないし、使えるかもわからない。魔物を前にして怯えずにちゃんと戦うこともできるかわからない。ちゃんと戦えたとして、魔法を意のままに操ることもできないと思う。そう自分で言っていたし。
さて、どうしたものか。食べ終わってしまった。
「ご馳走さまでした」
「はい、お粗末さま」
うっ、女神の微笑みに当てられてしまった。
くそ〜かわい〜い〜な〜もう。食べちゃいたい。はっ。いや、駄目だ。女神を食べるなんて、私はバカか。白いキャンパスを汚すことで悦に入る変態か。というか私、女神にあったことあるんだった。そういえば最後、イザナミが笑っていた気がする。嘲笑とかじゃなくて。気のせいかな? まあ、いいや。
「あっ、自己紹介してなかったわね」
「あっ」
忘れてた。自分のことでいっぱいいっぱいだった。反省反省。
「私の名前は、リンダ・H・バッケーよ。リンダって呼んでちょうだい。それで筋肉はー」
「マスカー・M・バッケー、それが筋肉の名だ。マスカーと呼べ」
リンダにマッスルね、覚えた。3つかぁー。ミドルネームかぁー。テキトーでいいかな。えーと、
「私は、ヨミ・D・カミヌマです。リンダさんにマッスルさん、お世話になりました☆」
Dの一族、一度はやってみたいよね。私、女だけど。やってみたかったものは、仕方がない。さて、ここまでやってもらったのだ。これ以上いることは、迷惑になってしまうだろう。邪魔者は退散するのだ。
「え、マッスル? マスカーだ、筋肉は」
「失礼、噛みました。マッスルさんですよね☆」
我ながら失礼だとは思うが、言葉が自然とマッスルになってしまう。それもこれもこの筋肉が悪いんだ。
「だから筋肉は…いや、いいか。マッスル、そこはかとなく筋肉をそそる」
いいのか! それで! いや、本人が気に入っているんだし、そう言った私がどうこう言えるものじゃないか。
「それにしても、お世話になりましたって。もうどこか行っちゃうの?」
綺麗に流せた思ったんだけどな。
「はい。これ以上お邪魔するのもなんですので」
「別にいいのよ。私たちのことは気にしなくて。お客さん、それも若い女の子が来ることなんてないんだから」
リンダさんが優しい声音で言う。それに付け加えるようにマッスルさんが、
「そうだ。それに、君が一人でこの山を抜かれるとも思わん」
確かにそうだな。魔法どうこうよくわかんないし。
ふむ、ならばお言葉に甘えるとしよう。甘えまくるとしよう。身の上を隠すのは、心苦しいが。胸が張り裂けそうだが。仕方ない、うんうん。
「そうですね。そうします。ここにいさせてください」
それがよほど嬉しかったのか、私の変わり身の早さも気にせずにはしゃいでる夫婦を見て、良い人に拾われた。心の底からそう思う。ご飯も美味しいしね☆
拝啓 家族へ
私はなんとかこの異世界でもやっていけそうです☆
読んでいただきありがとうございます。
感想とか貰えると嬉しいです。




