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第42話  転生6日目1-9

 

 気を取り直して、先ほど作製したアイテムを受け渡すことにする。



「アキに頼まれていたブローチと、ついでに髪留めのバレッタも作ったので最終加工お願いしてもいいですか?バレッタは金具の変更ができますので、ブローチとして使ったりリボンやゴムの髪留めをつけたりして気分によって変えることが可能ですよ」


「おぉ、ありがとうございます。髪留めまで作ってくれたのですね。そうですね・・・・リボンは服装で色と大きさを変えて使うとして、普段着の時はブローチとして使いたいですね。可愛いアクセサリーをありがとうございます。リボンだけならすぐ作れますので少しお待ちいただいてもいいですか?」


「構いませんよ。そろそろだいこんのチェックの時間ですし、そちらを見た後、少し素材の在庫チェックを済ませてしまいますね。先ほどだいぶ消費したので、また買い足しておかないと」


「あはは・・・、あれだけの素材を本当に数日で使い切りましたね。分りました、その間にぱぱっと作ってしまいますね」


「あぁ、それと。もしかしてアキはこのアイテムをゲーム時代使っていませんでしたか?ちょっと思いついたので作ってみたのですが」


「おぉ!これは『錬成職人の眼鏡』ですね。そうです、使っていました。先生良く分りましたね!」


「『錬金術師の眼鏡』でリアクションが薄かったので、もしかしたらこっちの愛用者かなと思って。俺の知り合いも、結構愛好家がいた装備でしたので」


「先生ほんと良く周りを見てますね。勿論いい意味ですよ!私はまさに、この装備の愛好家ですね。裁縫師は細かい作業が多いので、とても重宝していましたよ」


「それでは此方も使ってください。他に入用な物があったら言ってくださいね。中位クラスのレシピなら大抵の物は素材さえあれば作製可能なので」


「もう一家に一台先生が欲しいくらい万能ですね!ありがとうございます、その時はお願いしますね♪」


「俺は便利家電じゃないですよ!って冗談はこのくらいにして、作業の方よろしくお願いします」


「はぁい。すぐに終わらせるのでもう少しお待ちください」



 だいこんのチェックももう慣れたもので、貯まった種を保管してある瓶へと手早く詰める。もうかなりの量になってきていたので、そろそろ稼動を止めても問題ないであろう。そして、薪材として取ってある乾燥されただいこんの方も、消費先をそろそろまじめに検討しないいけないレベルで貯まってきてしまっていた。


 植え替えを完了すると、次は素材の在庫チェックである。等級3のポーション材料は元々あまり買っていなかったので買い足し決定で、これからアキナの錬成のメインとなる等級4のポーションの在庫も幾つか買い足さなくてはいけないようだ。流石に、今日は錬成しすぎたなと少々反省をする。



 まぁ、装備で結構お金は消費してしまったが、まだまだ軍資金に余裕があるので明日は更に大量に買い込むことにしよう!そうしよう。



 正直な話、ナタクは今新しい装備をフルに使って錬成をしたくて堪らない状態であった。明日アキナがナタクをどれだけセーブできるかによって、ナタクの倉庫の運命が掛かっているのであった。


 倉庫で在庫のメモを作成し、取り敢えず欲しい物の見当はついたので、後は明日以降の買い物次第となった。実験室にノックしてから入ると、どうやらアキナの方も錬成作業が終わっているようですぐに出迎えてくれた。


「先生、お待たせしました。ネクタイが出来上がったのでさっそく付けてみてください。私の方もリボンが完成しましたのでさっそく装備してみました。似合いますか?」



 アキナの姿は裁縫師の装備姿で髪留めに小ぶりなリボンを追加して、編みこまれた髪先で留められている。先ほどの眼鏡もしっかりと装備されており、エプロンが無いと、まるでどこかの国の貴婦人を思わせる佇まいに、またしばらく見とれてしまいたくなるような気持ちになる。『清楚なお嬢様』のイメージ像が一番しっくりくる表現になるだろう。



「アキは清楚な感じの服装が本当に良く似合いますね。とても可愛らしくて素敵ですよ」


「えへへぇ、ありがとうございます♪」


「俺もネクタイを締めてみますね。とはいってもこのタイプのネクタイは首にかけるだけですけど」


「おぉ、やっぱり似合いますね。なんか足りなかった物が、ついに揃った感じで非常に格好良く見えますよ!ループタイにして正解でした」


「そういえば、アキの錬金術師の服装はちゃんと見ていなかったので見せてください。俺も鍛冶師の格好になりますので」


「いいですよ。それでは錬金術師セット起動っと!」



 お互いにまだちゃんと見ていなかった服装へと装備を変更する。アキナの姿は先ほどは一瞬過ぎてまったく見れていなかったし、小さな布地に意識を全て向けてしまっていたので、まったく記憶に残っていなかった。



 アキナの錬金術師の服装は、どちらかと言うとお洒落な学生服といった印象のコーディネイトとなっていた。淡いブルーのシャツの上に俺と同じ黒色のベストを着込み、首元には小ぶりなリボンゆるく締められている。その上に少し長めの丈の白衣を纏い、チェック柄のフリルの付いたスカートと、先ほどのハプニングの原因となった魅惑のニーソが繰り出す“絶対領域”は抜群の魅力と夢が詰まっていた。



「なんか、有名進学校の制服を着て科学の授業を受けに行く学生みたいですね。すごく似合ってますが」


「先生もそう思います?ちょっとデザインを幼くし過ぎたかなと思っていたんですよね。まぁ、今は15歳なので年相応との格好ということにしておきます」


「此方の服装でも髪型を変えたのですね」


「はい!この服装にはハーフアップにして、後頭部にリボン付きのバレッタで髪を留めてみました。自分で言うのもおかしいですけど、本当に学生みたいですよね」


「まぁ、似合っていますし大丈夫だと思いますけどね。それに、ここだとその感想は俺とアキしか出てこないと思いますし。普通にお洒落な服装に見えると思いますよ」


「ですよね!ってか、先生は鍛冶師姿は本当にピッタリはまっていますね。凄腕の刀匠にしか見えませんよ」


「それ、女神様にも言われましたね。まぁ、このゲームは最初鍛冶をやりたくてキャラメイキングしましたから、当然といったら当然なんですがね」


「私も似たような感じですね。職業柄綺麗なモデルさん達と接する機会が多かったので、色々参考にしてキャラメイキングしてましたもん。自分で作った洋服も楽しみたかったですしね」


「それでは錬金術師の服装に戻してポーションを査定に出しにいくとしますか、なんだかんだで、もうすぐ空が暗くなりますしね」


「やっと装備の作製が終わりましたもんね。結構時間掛かりましたし、今日は疲れているのでぐっすり寝れそうですよ」


「明日からこの装備を使って錬成を頑張りましょうね。きっと苦手だと思っていた等級4のポーションも簡単に作れると思いますよ」


「それは楽しみですね!」


「その前に素材を買い足さなければいけないので、明日は冒険者ギルドに寄ってからになりそうですけどね。なんでしたら、アキは先に此方に・・・・」


「ちゃんとお供をしますので大丈夫です。なんか、物凄い無駄使いしそうな気配を感じたので!」


「あはは・・・では明日は冒険者ギルドに寄って行きましょう」


「りょうかいです、先生!」



 等級3のポーションは値段が分らなかったので今回はインベントリにしまったままにしておいて、等級4のポーションを出荷箱に詰めて台車に載せ、ギルド本館の買取窓口に向かうことにした。勿論、ここで鍛冶職人の装備はおかしいのでちゃんと錬金術師の装備に変更しておいた。


 受付まで来るとミーシャが座っていたのでさっそくポーションを買い取ってもらうことにする。今回は『治癒のポーション』と『スタミナのポーション』合わせて200本ほどだ。



「ミーシャさんこんばんは。ポーションの買い取りお願いします」


「・・・・ほえ?ってナタクさんですか!その格好はどうしたんですか、服装が変わっていて一瞬誰だか判らなかったですよ!すごく似合ってますね、とっても格好良いです!」


「ありがとうございます。今日アキと一緒に作業用の装備を全て変更しまして、錬金術師用の装備に着替えたんですよ」


「おぉ!アキナさんも素敵な服装に変わってる!って、どことなく二人の服装似てませんか?」


「えぇ、アキは裁縫が得意なので作ってもらったんですよ」


「なんと!アキナさん、今度私にも素敵な洋服を是非作ってください!その洋服可愛すぎます!!」


「はぁい、喜んで!ミーシャさんも可愛いので、洋服作るのは大歓迎です。どんなデザインがいいですか?」


「そうですね・・・・って恐い先輩がすごい睨んでいるので、この話はまた後でゆっくりと。そういえば、ナタクさん。ギルマスが帰りに寄るように伝えてくれって言っていましたよ。実は私がこれからナタクさんの実験室に伺おうと思っていたところでした」


「なんだろ?今ガレットさんは自身の執務室ですか?」


「はい、先ほど外回りから帰ってきたところなので、たぶん部屋で溜まった書類仕事の真っ最中だと思いますよ。査定の間に、行ってみたら如何でしょうか?」


「そうですね、今日は特にこの後用事もありませんので、それでは先にそっちに行ってみますね。あっ!後、等級3の買取用の目録とかあったら貸してください。そろそろその辺も作ろうかと思いますので」


「おぉ、それはギルドとして助かりますね!分りました、それでは帰りまでには用意しておきます」


「それではちょっと出かけてきますね。アキも一緒にきますか?」


「う~ん、私はここに残ってミーシャさんの服のデザインのラフ画を書いていますね。ミーシャさんどこか机を借りられませんか?」


「おぉ!ありがとうございます。でしたら私の机が向こうにありますので、そちらを是非使ってください!後でお茶とお菓子もお持ちしますね!」


「それじゃ、俺はちょっとガレットさんのところまで行ってきますね」


「「はぁい!いってらしゃい」」



 二人に見送られながら、一人でガレットの執務室に向かうことにした。それほど時間を掛けずに三階まで到着し部屋の魔導具を操作すると、在席中になっていたのでインターホンを鳴らして応答があるまで待つことにした。



 ところで、用事とはいったいなんであろうか?




2人とも新しい洋服いいなぁ~(*´△`*)



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