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第1話   プロローグ0日目

初投稿作品になります。どうぞ、よろしくお願いいたします。


 

 とある研究機関が開発に成功し、それを大手ゲーム機メーカーの手によって魔改造されて売り出された完全ダイブ型ゲーム機『ARKアーク』。このゲーム機が発売されてから、彼此(かれこれ)数年の月日が経過した。


 元々は医療用に開発され難病患者への治療目的で研究なされていた技術だったのだが、そのあまりに汎用性の高さに『これをゲームに応用できないか』と試行錯誤の上、発売されたのがこのゲーム機であった。


 この機材の優秀な点として、まず睡眠を取りながらゲームができることにある。この機能のおかげでゲームに興味が無い人ですらこの機材を買い求めた。


 それもそのはず、自分の意思で寝たい時間に睡眠が開始でき、起きたい時間に必ず眼が覚めることが可能になる。これほど優れた快眠グッズは無いだろう。


 しかも各種センサーの働きによって、例え近くで火事が起きたり地震などの自然災害が発生した場合でも、周囲の状況を瞬時に利用者へと伝え、普通に寝ている時よりも素早く機械が起こしてくれる機能までが標準で搭載されていた。


 一部メディアで健康面への危険性について取りざたされていたが、そこは元々医療機器である。『睡眠中に脳を使って大丈夫なのか』と指摘もされていたが、これはイルカの脳の機能を参考に半覚醒状態を維持しながら体に負担の無いように設計されているので問題が無いらしい。そもそも、日本の厳しい医療機器審査をパスしているのだから、だいぶ信頼性が保障されている。


 さらに、この機材のすごい機能は他にもある。なんと、脳に直接情報を伝えることができるのだ。


 要するに、ゲーム内で五感を使用できるのである。


 元々この機能こそが医療面で期待されていたこの機材の主目的であり、解りやすく例えるならば、事故などで視力を失った人に映像を見せたり、聴覚に障害のある人へ正確な音源を伝えたりすることが可能となる。


 そして、この機能はもちろん健常者にも応用が可能であり、ダイブ中に食事をすればその料理の香りや味を堪能できるし、温泉などに入ったあのたまらない感覚を自宅にいながら体験ができるのだ。


 この技術のおかげでスポンサーがかなりの数集まり、数々のジャンルのゲームが世界中で販売された。


 そんな数多く発売されたゲームの中で、自分はこの“アルカディア”というVRMMORPGをこよなく愛し、発売されて以来ずっとプレイしていた。ゲーム内容は中世ヨーロッパをモデルにした世界観で、剣と魔法で世界を駆け抜けるといったよくある設定のゲームではあるのだが、このゲーム、特にメインストーリーのようなものが存在していない。


 即ち、何にも縛られずに自由に世界を楽しむことができるのだ。また、メインストーリーが無い代わりに無数の、本当にいくつあるか解らないほどのサブストーリーやユニークイベントが存在し、中には『これがメインストーリーでもいいのではないか?』と思えるほどの大冒険すら存在していた。


 ある者は、商売で成功をし世界最高峰の大商人なってみたり。ある国の危機を救い、英雄となってその国の王にまで上り詰めたプレイヤーも存在する。また、中には極悪非道を繰り返し、いつしか国をも脅かすほどの大盗賊集団を作り上げたりなどと、このように、プレイの縛りがほとんど無く、自由に世界を楽しむことができるのである。


 またキャラ育成もかなり()っていて、現時点で確認されているいくつかの最上位職になったとしても、同じステータス・スキル構成にはならないオンリーワンのキャラクターが創れるのも、人気の一つになっている。


 そんな世界で、自分も気の合う愉快な仲間達と共に、面白おかしく冒険を楽しんでいた。そして、今日もそこへ遊びに出かけるために、押し付けられた仕事を全力をもって片付けてから、足早に帰宅したはずだった。



 (おかしい、いったいここは何処なんだ?)



 確か仕事から帰ってきて、慣れ親しんだゲーム機のスイッチを押し込み『今日は何をするか』とソファーに腰掛け、ゲーム機の起動を待っていた。


 間違ってもこんな何にもない、真っ白な空間にいた記憶は存在していなかった。






「やぁ、ようこそ!ボクの世界“アルカディア”へ!!」






 若干パニックになりながら、自分の置かれた状況を確認していると、先ほどまで何も無かった空間に、いつの間にか一人の少女が両手を広げ満面の笑みでこちらに語りかけていた。



「今回ご案内を勤めますは、なんと!アルカディアの世界にその人()あり!美の女神も裸足で逃げ出す超絶ぷりてぃ~が~るぅ!!さらに!世界全てを司る神の中の神!その名も世界神ユーミアちゃんであ~る!はい、拍手~!!」



 マンガなどならバックに“ドォーン”と効果音が書かれていそうなポージングからのドヤ顔である。


 確かに顔は非常に整っているし、このまま成長すればさぞ美人になることだろう。ただし、この少女の台詞がとっても痛かった。



 (う~ん、厨二病を患っているのかな?)


 自分の素直な感想はこれであった。しかしながら、自分をこんな何も無い空間に自分を連れ込んだって事は、ただの残念な少女という訳ではないだろう。混乱した頭を少しずつ整理しながら、自分の置かれた状況を一つずつ確認してゆく。


 

 (そういえば、今さっき『ようこそ!ボクの世界“アルカディア”へ!!』っとか言ってたし、あの名前は今しがた起動しようとしてたゲームと同じ名前・・・・


 それに、確かあのゲームの世界神の名前も確かユーミアだったはずだ。


 あれ?でもあの女神様は、かなりグラマラスな大人な女性だったような?


 間違っても目の前にいるチンチクリンとは程遠い存在のはずですが・・・・


 うん、やっぱり厨二病患者さんで間違い無さそうですね!)



 などと長々と考え、どうでもよい結論に達したところで、自分の目の前で少女がこちらをジト眼でこちらを見つめていることに気が付いた。



「うぅ、ノリ悪いなぁ。それに何かものすご~く失礼なことを考えていないかい?」


 (ほほぅ、ジト眼もなかなか可愛いじゃないですか。でも安心してください、小父さんはこれでも誇り高き紳士(じぇんとるめぇん)です。YES!ロリータ!NO TOUCH!!ストライクゾーンはもっと高めに設定してあるので、子猫を愛でる気持ちと同義です。よし、だんだん落ち着いてきましたよ!)


「また失礼なことを・・・まぁ、もぉいいや。話し進めるね。


 えっと、ゲーム内の教会で祀られてる女神像や神話に出てくる女神と見た目が全然違うってことだけど。


 あれはボクじゃなくて替えだ・・・げふぅん、代わりに顕現してもらってる代行神、豊穣の女神デメちゃんですね。昔はボクが顕現してあれこれしていたんですけどね、最近はめんど・・・・色々手が回らなくなって、代わりにデメちゃんに原稿渡してやってもらってるんだよ。


 なんたって、ボクは世界神ですからね。とっても忙しいの!しかも、なぜかデメちゃんに代行してもらう様になってから、神への信仰が『ずばびぃ~!』と右肩上がりに伸びまくって、『うはうは』なんですよ!


 もう本当に、もげればいいのに・・・・」


 (ボクっ娘も可愛いですなぁ)


 (てか今、絶対めんどくさくなってって言いかけてましたよね?)


 (しかし、あのゲームに出てくる神様、替え玉だったのか。


 なんか今のやり取りで豊穣の神様がさぞ苦労()であることがよ~く分かってしまった。


 あと、この少女の闇も垣間見れたような気もします・・・・)


「ま、それはいったん置いといて。ここからは、まじめ~な話をします。今回キミをここに呼んだ訳とこれからについて説明したいんですがよろしいですか?」


 (あ、はい。お願いします。てか、さっきから俺が口で喋ってないのに、会話がちょくちょく成立していませんか?)


「それは今、キミが魂だけの状態であるからだねぇ。考えたことがそのままダイレクトに伝わるので、あまり失礼なこと考えているとボク、怒りますからね。(にやり)


 あぁ、あと別にキミが死んでしまったわけではありませんのであしからず。これを言っておかないと暴れたりする人がいるんですよ。まぁ暴れると言っても魂だけの存在なので、『ふよふよ~』ってどっかに飛んでいってしまって、捕まえるのがめんどくさいだけなんですけどねぇ。


 実は、この空間にキミを呼ぶために、一時的に精神と魂を身体から分離させる必要があったんだよ。それでね、これからキミにはある選択をしていただこうと思います。パチパチ」


 (ごめんなさい。何か、かなり失礼なことばっか考えていた気がします。(ガクブル))


「ではでは、話を進めますね。選択についてですが、これは今から話す内容を聞いてから最後に回答していただいて結構ですので!


 それで一つ目、


 『ボクの管理する世界アルカディアへ転生するか』


 二つ目、


 『元の世界にそのまま戻るか』


 この2つの選択になりま~す。


 ちなみに転生を選んだ場合赤ん坊ではなく、キミがゲームで使用していたアバターの姿でボクの世界へ行っていただく事になります。この際『レベルステータス』『スキル』『アイテム』などの持ち越しはできませんから注意してね。


 それと、ゲームで言う初期値の状態からの転生となるんだけど、『知識』は持ち越せますので、キミなら“かなり巧く”立ち回れるよね?


 後、当たり前なんだけど、ゲームではないので死んでしまっても教会で復活等はできませんので、この点も気をつけてね。その場合本当に死んじゃいますから。


 前に何を勘違いしたのか『失敗したのでリセマラだ!』って言って、飛び降り自殺した方がいたので一応ね。流石にアホかぁ!って戻ってきた魂君にツッコミをいれてしまったよ、まったく。


 ちなみに、転生を選んだ場合、元いた世界からキミが居たという情報が削除されるので、元々存在しなかったことになります。


 次に、転生ではなく現実世界に戻ることを選んだ場合だけど、この空間で起こった出来事は全て忘れていただき、元の生活に戻っていただくようになります」


 (いくつか質問をしても?)


「は~い、もちろん!そのためにボクがここにいますので!」


 (なぜ、ゲームの世界なんでしょうか?)


「う~んゲームの世界と言うのは語弊があるんだけど、まっいいか!


 キミの世界に存在していたアルカディアと言うゲームだけど、元々ボクの管理する世界を忠実に再現した箱庭のようなものと考えてちょうだい。


 なぜそのような物を作り上げたかと言うと、ゲーム自体が転生の“適合者”の選定のために用意されたものって事だね。


 なのでこの転生の儀が終了次第ゲーム自体もなくなると考えてね。でもまぁ元々なかったという世界になるから、覚えておくこともできないんだけどね」


 (なるほど、では次に“適合者”とは?)


「言葉の通りだよ、アルカディアへの転生に適合する者という意味だね。


 これにはまず、ボクの世界について話をしなくてはならないね。キミもゲームで少しは知っていると思うけど、この世界では度重なる魔族や多種族との争いによって何度も世界が荒廃し、文明の発達が遅れてしまったんだよ。


 本来であればキミの暮らす世界に似た状態になっていてもおかしくは無いのだけれど、悔しいことにせっかくいい感じに育っていた文明が、戦争や争いによって栄えては~消え、また栄えては~消えを繰り返したことにより、技術レベルの進歩がまったく進まない状況に陥ってしまったんだ」


 (あぁ、確かにゲームしてる時に感じましたね。時代背景が中世ヨーロッパぐらいなのに、いたるところにオーパーツといえる建物やアイテムが存在していましたっけ。古代遺跡とか、明らかに文明が違ったのって、あれ一回完全に滅んだからなんですね)


「でしょ。そこで、


 『アルカディアの世界に強い憧れと情熱を持つ者』


 『一度滅んでしまった技術を復活しそれを生かせる者』


 『世界にさらなる技術革命をもたらすことができる者』


 『危険思考を持ち合わせていない者』


 など、他にも様々な条件があるけどキミに対する“適合者”の主な条件はこれになるね!その“適合者”達によって、世界に新しい変化を与えてもらいたいのさ」


 (適合者“達”ということは、他の“適合者”もいるって事ですね)


「うぅ。確かに若干名存在するけど、キミ痛いとこ聞いてくるね。でも、みんながキミと同じ“適合者”の条件と言うわけではないのだよ。要は、ボクの世界に様々な変化を与えることができる者ということだからね。


 ちなみに、他の“適合者”について教えすることは、本当はできないんだからね!」


 (あ、“適合者”についてもう一つだけ。自分で言うのもなんですけど、俺のような上位プレイヤーが条件ってわけではないって事ですか?)


「たった今、他の人のことは教えられないってボク言ったよね・・・まぁいいか。(にやり)


 キミのような“ネトゲハイジン”が条件と言うわけではありませんよ♪(満面の笑顔)」


 (ぐっはぁぁぁ!!!(吐血))


「さっきのお返しです!他に何か質問ありますか~?」


 (ぐすん、では能力について。初期値スタートとの事ですが言語変換やゲームで使えたステータス変更画面やインベントリ(倉庫)なんかは使えますか?)


「本来は教会の石碑でレベルアップのステータス更新などをしているのだけど、なんと今回転生者はゲーム同様自分にしか見えないボードで操作できるようにしてあります。『システムアップ』と念じればボードの確認とステータス管理ができるはずなので忘れずにね。


 次に言語についてだけど、現地の共通語が“転生体”であるアバターにはインストールされてるから、問題なく使えると思うよ。ただ他種族の言葉や魔族の言語なんかは各自で勉強してね。でも資料を見ると、確かキミはゲームの時に既にいくつか習得してたよね?」


 (資料とかあるんですね、よくご存知で。『古代ラスティア言語』『魔族共通語』『森エルフ語』あたりは魔導研究(魔改造)の必須科目だったから使えますし、『まじゅう語』も少しだけなら分かりますね。こっちは魔導具にも使うので)


「本当、よくそれだけ覚えたね。日本語変換の辞書なんて無かったのに・・・・」


 (ふっふふ、語学探求はゲーム以外のもう一つの趣味なんですよ)


 (言葉が通じなくても「これ何?」の言葉さえ解ればだいたいの単語が分かりますから、あとは文法覚えて組み合わせていくだけですからね。古代語に関してはパズル感覚でした。しかし、随分と創りこまれてると思ったら、本当に実在した言語だったんですね)


「なるほどねぇ、後インベントリ(倉庫)については、元々アルカディアの世界には無かったので類似のスキル『アイテムボックス』を多少内容を変更して付与しておいたよ。


 内容はゲームの時同様ステータスボードと連動しているのでそちらでも中身を確認できるようにはしておいたから、殆どゲームの時と同じように使えるはずだよ。スペシャルだぜぇ。やったね、おにぃちゃん!


 それと中に数日分の食料と調味料、飲料といくらかの貨幣。あとはナイフを1つ入れておいたから、現地についてから確認してみてよ。


 それと・・・、そうだ!特別に、日本人なら必ず泣いて喜ぶと言われているスペシャルなアイテムも付けちゃおう!」


 (なんか、最後のは怖そうですが、ありがとうございます。後もう1つ、能力についてなんですが、“ゲーム”と同じと考えていいんですか?)


「そうだね、“ゲーム”と同じで転生体は何にでもなれる“才能の卵”だからその人の努力次第と言ったところだね。職業やスキル習得方法なんかも同じものと考えていいよ」


 (了解です。これで聞きたかったことは大体聞けました)


「本当にいいの?他の人とかは、チート寄越せだの、レベルとか引き継がせろとか、ハーレムはありますか?とか、碌でもないこと聞いてきたんだけど、キミはいいの??」


 (たぶんですけど、それを聞いてきた奴の願いって、全ツッパしたでしょ?)


「何故それを!さては貴様は神か!!」


 (神はあなたでしょうが・・・・)


 (まぁ、状況から言って戻れる選択肢があるのに、そんな馬鹿げた願いが叶うわけないでしょうし。嫌なら行かなきゃいい話ですしね。そもそもアバターの“才能の卵”自体が破格なのに。


 てか、そんな考えの人間が異世界に行ったって、碌な事やらずに自堕落な生活送って終了でしょ。何かしらの馬鹿をやって、街にいられなくなって山賊とかに落ちぶれてそうですね)


「なぜそれを!やっぱり貴様は特殊な眼を持った超能力者か!!」


 (ちょっと多趣味の、唯の“ネトゲハイジン”です。(ぐすん))


「さてと、冗談はこのくらいにして。それでは、キミの“選択”を教えて頂戴!!」


 (泣いていいですか?)


 (えっ?ハヤクシロ?カタカナはやめてください、恐いので・・・・)



 (解りました、転生を望みます!!)



「はいな!了承しました。願わくば、キミの新たな人生に幸多からんことを!」



 ユーミアの言葉と共に巨大な魔方陣が出現し、様々な色の壮大なエフェクトと共に、慣れ親しんだもう一人の自分が姿を現した。


 もう何年も自分として使用していた、アバターの姿がそこにはあった。


 漆塗りのように光沢のある黒髪を後頭部に和紙を使って縛り上げ肩の辺りまでさらりと流し、切れ長の眼は鋭く、それでいて瞳は優しさを映すようなダークブラウンの瞳。鼻筋の通った顔立ちは若武者を思わせる。


 引き締まった胴体に白い羽織を纏い、そこから伸びる腕は女性の脚ほどに(たくま)しく鍛え抜かれていた。脚には戦袴(いくさはかま)佩楯(はいだて)穿()いており、全体的に武士然とした青年がそこには立っていた。



「キミの使用していたアバター“那戳ナタク”、こちらがキミの転生体となるからね。今なら多少の変更ならできるけど?」


 (いや、ナタクのままでいいですよ。コイツはもう一つの俺であり、唯一無二の存在・・・・ってのもおかしいか、苦楽を共にしてきた相棒ですので、なんの不満もありませんよ)


「あはは!確かに、彼には完成した“美”があるし。名前からして“美しき矛”だしね。いい刀匠になりそうだ!」


 (一応、錬金術師でもあるんですけどね。まぁ、楽しませてもらいますよ)


「了解!じゃ、身体とリンクさせるから動かないでジッとしててね。おしゃべりはだいじょうぶだよ~」


 (しかし、随分と準備がよかったですね。話も後半は完全に転生すること前提な感じで話していましたし)


「あぁ、それはね。“適合者”として転生を望んでくれそうな人をあらかじめ選んで声掛けていたからだよ。ちなみにキミの世界の神様にも了承済みさ!


 キミの世界はボクのとことは逆に医療技術の発達によって現世に人があふれ過ぎていて、輪廻転生の回路がオーバーヒートしそうになってるから、人を逃がすついでに、技術提供も兼ねて色々な世界に人間を派遣しているんだよ!


 特に、キミ達日本人は倍率高くて苦労したんだわ。転生を選んでくれて本当ありがとうね、期待してるよ」


 (うちの神様は何もしてくれないのかと思ったら、裏で色々やっていたんですね)


「何を言う、キミ達の世界の神様って結構やり手だよ!いろんな世界で講演会やら技術支援もやってるし、彼に弟子入りしている異世界の神様もたくさんいるからね」


 (神様の講演会って・・・・)


「っと、そろそろ“転生体”とのリンクが完了するから。次に目を覚ました時にはボクの世界、アルカディアの中だからね。自由に思う存分楽しんでくれたまえ!それでは“良きセカンドライフ”を!」


 (ありがとうございます。転生に感謝を!)



 眩い光とともに、一つの魂と一つの身体が重なり合い光の中へと消えてゆく。


 光が収まるとそこには、まだ幼い姿の少女だけが残されていた。



「ナタク君か、なかなか面白い子だったな。期待できそうだ。


 こっそりボクの加護をあげちゃったし時々覗いてみるのもいいかもね。


 っとと、もう次の魂君がきたな」











「やぁ、ようこそ!ボクの世界“アルカディア”へ!!」





ここまで読んでいただき、誠にありがとうございます!


この小説は、転生1日目までのお話がチュートリアルのような物になっております。

世界が段々と動き出すのは転生2日目からとなっていますので、そこからのお話も是非お楽しみください!


また、感想などもお待ちしております!


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