帰宅時にて
フラグたてました。
翌日俺は、遅い朝か早い昼、どちらが表現としてふさわしいのだろうか、という時刻に幸広宅を後にした。
わりと遅くまで近衛と話し込んでいたので、朝なかなか起きられなかったのだ。
俺が帰った後には、近衛は義兄と幸広と話をする予定とのことだった。
今までまあいいかとサボってたから仕方ないね、近衛は苦笑していた。
俺は今日はもう家でごろごろする。
今日が休日でよかった。
「ふは……」
思わず欠伸がもれる。
さすがに疲れた。
目もなんだかかすむようだ。
明らかに寝不足だ。
まあとりあえず、一日で幸広の問題も近衛との行き違いも解消できたようだから、それはそれでよかったとも言えるが。
あー、なんか一年分の面倒事が一気にやってきたような気分だ。
本当に、面倒くせえ。
もうしばらくはなにも起こらんでいい。
つか眠い。
これは家帰ったら速攻ベッドへダイブだな。
あー、でも祐史に理由聞かれるか?
昨日も電話で近衛のところに泊まると言っただけで、詳しい説明してねーしな。
……あかん。
考えただけで面倒だ。
己の思考だけで鬱になりかけた俺だが、そこでメールがきてることに気がついた。
……誰だ?
祐史か。
それとも御加賀見か。
うんざりした気分で差出人を確認すると、そこには姉・美沙の名があった。
少し意外な気持ちでメールを開く。
「…………………………」
俺は疲れてる。
もう面倒事はごめんだ。
ここ最近のごたごたで、許容量はとっくにオーバーしてる。
もとが極小だからな。
姉よ。
なにがあった。
俺が思わず意識を飛ばしたくなったメールには、シンプルにこう書かれていた。
『雅紀。姉が犯罪者になったら、悲しみますか』
次回ですぐ回収するフラグです。




