御加賀見家問題これにて解決
今回で御加賀見姉弟問題終了です。
「御加賀見の家には話を通してあります。あなたが望むなら、わたくしのそばでわたくしが鍛えてあげますわ。当然、御加賀見の家の後継に相応しいように。その気持ちがあるのでしたら、わたくしの家にいらっしゃい」
御加賀見が高1とは思えないようなセリフを吐く。
お前、年サバよんでねーか?
よんでねーよな、一応小学校からの付き合いだし。
精神年齢はプラス30位いってそうだが。
「い、いいの?」
恭弥が恐る恐るといった様子で御加賀見を顔を仰ぎ見た。
「ええ、もちろん甘やかしはしませんけれど。……たったひとりの、弟ですものね」
パッと恭弥の顔が歓喜で染まる。
そして。
「やったー! やったよ、雅紀お兄ちゃん! これからもずっとお兄ちゃんといられる! こんなに心配してくれたり、優しくしてくれたのお兄ちゃんが初めてだもん! これからもそばにいられて僕嬉しいよ!」
と、恭弥は俺に抱きついてきた。
あ?
特段心配したり、優しくしたつもりはないんだが。
単純に食事と寝る場所提供しただけで。
あれだけのことが初めてとは、なんかこいつ非常に不憫なんだが。
俺は溜め息を吐いて、ぽんぽんと恭弥の頭を撫でた。
それを見て逆鱗したのが目の前のふたり。
「な!? お兄ちゃんて、兄さんは僕だけの兄さんだよ! 気軽にそう呼ばないでくれるかな! それにそんなに兄さんに甘えないでくれる!? 一時的なことだからと甘い顔してたらつけあがって! 本当に姉弟そろってタチが悪い! 僕だってもっと兄さんに甘えたいの、ずっと我慢してるのに!」
「恭弥、ずるいですわ! わたくしだって普段自重してますのに! 雅紀にそんな、だ、抱きついたり頭を撫でてもらうなんて! ずるい、ずるいですわよ! わたくしだって本当はもっと雅紀に甘えたいですのに! あんまり度が過ぎますと、今の話取り消しますわよ!?」
……おまえら、本当に仲良いよな。
言ってる内容がほぼ一緒だぞ。
恭弥はそんなふたりにはおかまいなしに、べったりと俺にはりついている。
どうやら、また面倒くさい隣人その2ができることには間違いないようだ。
ああ、本当に面倒くせえったらねえよ。
やっとラストでコメディー色に戻りました。
ノー・シリアス、イエス・コメディー。




