限界
過去一番の短さかも。
恭弥を部屋につれてくると、俺はベッドカバーをめくり上げた。
やっぱり二人で寝るには狭いか。
……狭いが、こいつ身幅細いからまあ何とかなるか。
少なくとも、祐史と寝るよりはマシだな。
「おい、壁側にいけ」
「……は?」
「あ? こっちのがいいのか? 寝相悪かったらベッドから転げ落ちるぞ」
「……じゃ、なくて」
恭弥はもじもじと口ごもった。
「? はっきり言え」
「だ、だから……、こう、もっと話聞くとか」
「めんどい」
「め……!? じゃあなんで家に……!」
「迷子の子供を放置するのは、寝覚めが悪い」
「こ……!? ぼ、僕はもう十三歳だよ……!」
充分子供じゃねーか。
しかし、眠い。
眠さが限界だ。
あ、やべ。
眠さのあまり、頭痛までしてきた。
何だかぎゃーぎゃー騒いでいる恭弥の頭を引っ掴むと、俺はそのまま恭弥をベッドに押し込んだ。
「言いたいことがあるなら明日聞くから、今日はもう寝ろ」
「むー!? んー!」
俺はそのまま倒れ込むようベッドへ入り込むと、即落ちした。
あー、やっと眠れる。
明日にまわせる面倒事は、明日だ明日…………。
翌日別タイトル・オムニバスの方にこれの原型の短編UPするのでよければご覧下さい。




