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二人の弟

何か御加賀見弟編、思ったように話進みません。

 とりあえず家に連れて帰ってきた御加賀見弟=御加賀見恭弥はもの珍しそうにきょろきょろと、家の中を見ていた。


「兄さん、先にお風呂入れば? その間に僕簡単な食事でも用意しておくから」


「ああ。おい、おまえも一緒にこい。風呂すませるぞ」


「は!? え? 一緒に?」


 恭弥は目を丸くした。


「時間短縮」


 そしてさっさと寝たい。

 

「え、え、え?」


 戸惑う恭弥を風呂場へ引っ張っていくと、さっさと入浴をすませた。


 恭弥は烏の行水な俺の入浴時間に更に目を丸くしていた。



 

 恭弥を急かして風呂から上がると、祐史がリゾットを作ってくれていた。


「もう遅いから、これでいいよね」


「ああ」


「い…いただきます?」


 そして、恭弥は恐る恐るといった様子で祐史のリゾットに口をつけた。


「……おいしい!」


「当然だよ。兄さんに食べさせるんだから、簡単でも手は抜かないよ」


「……」


 そこは普通に、ありがとう、とかそれは良かった、とか返しておけよ。


 しかし特にそれを気にした様子もなく、恭弥はよほど腹をすかせていたのかがつがつとリゾットを腹におさめていく。


 それにしても、と俺は祐史と恭弥をまじまじと見た。


 祐史はそつがなく素行は完璧に近いが、腹が黒く子供らしさがまったくない。


 恭弥はツンとした近寄り難いタイプかと思いきや、実際には迷子の幼子のような印象がぬぐえない。


 同じ弟、でもずいぶんと違うもんだな、としみじみ思った。





 食事もすみ、祐史が出してくれたお茶で一息つく。


「で、こいつ今夜どこで寝かせるか」


「うん? ここでいいんじゃないの?」


「でも客用布団うちにねえしな」


「うーん、でも父さん達の布団は長いことしまいっぱなしでしけってそうだし、姉さんのもの使わせるわけにはいかないし」


「それは……ばれたら恐ろしい」


 姉は妙に神経質なところがあるからな。


「じゃあ、僕のベッド使えばいいよ」


「おまえはどうするんだ?」


「僕は兄さんと一緒に寝るから。ふふ、一緒に寝るの久々だね、兄さん。楽しみだな」


「おい恭弥、俺の部屋へ行くぞ。今夜は俺の部屋に泊めてやる」


 俺は目を丸くしたままの恭弥の手を引いて自室へ向かった。






 …………うちの弟はやはり気持ちが悪い。

次回、たつみんルームです。

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