御加賀見弟登場
このタイトルではお久しぶりです。
大変お待たせいたしましたが、更新再開させて頂きますのでまたお付き合いよろしくお願い致します。
テーマパークからの帰り道、途中で萌田と幸広とは別れた。
暗くなったので幸広は萌田を送っていくのだとのこと。
萌田はしきりに恐縮して辞退していたが、幸広があっさりと言いくるめていた。
確かに、道によってはこの時間人通りも減って危ないかもしれないから、その方が安心だ。
なによりあの萌田だし。
幸広はちゃらんぽらんないいかげんな奴に思えるが、そういう所は普通の奴よりきっちりしているので任せて安心だと思う。
したがって、俺の帰路は同じ家に帰る祐史と隣家の御加賀見との三人となったわけであるが……。
「あら、祐史さん。先にお戻りなってもかまいませんのよ? わたくしと雅紀はゆっくりと帰りますから」
「はい? 意味が分かりませんね。千草さんこそ僕達と一緒に歩いて帰るなんてしないで、迎えの車でも呼んだらいかがですか? 僕は兄さんと一緒にゆっくり帰りますから」
「まあ、嫌ですわ。車を呼ぶならもちろん雅紀も一緒ですわよ? わたくしひとりで雅紀を置いていくはずありませんもの。よろしければ、祐史さんはおひとりでゆっくりと戻られたらいかがかしら? 雅紀、どうなさいます? 車呼びましょうか」
「車が来るまで兄さんに待てと? ねえ、兄さん、疲れたならタクシー拾う?」
「どちらもいらん」
俺は歩いて帰るから、おまえらは勝手に車で帰れ。
と、すたすたと歩く俺に。
「待ってよ、兄さん」
「待って下さいませ、雅紀」
と、先ほどまで角突きあわせていたふたりは慌ててついてくる。
剣呑としている割には行動パターンがよく似ているふたりだ。
うんざりしつつも、日常と変わらない光景に、どこかほっとする。
変化は嫌いだ。
今の状況も面倒くさいが、変に変わるのであれば今のままでいい。
そんなことを考えながら、後ろでぎゃーぎゃーやりあっているふたりを連れ歩いていたら、あっという間に家に着いた。
「…………ん?」
もうすっかり辺りは暗くなっているが、御加賀見の門の辺りに一台の高級車が止まっているのが見えた。
「あら、なんでしょう」
御加賀見も心当たりがないのか、首を傾げている。
見ていると、その車のドアが開き、中からひとりの少年が下りてきた。
暗くて顔はよくわからないが、年の頃は中学1・2年くらいだろうか。
「あら、どなたでしょうか」
また逆側に首を傾げた御加賀見に、少年はキッと眦を上げた。
「遅いじゃないですか! 姉様!」
姉……?
突発事項が次から次へと、ほんと面倒くせえ…………。
ただ、更新スピードはゆっくり目になりますので、ご了承ください。




