レストランにて~目立つ行動は控えてください~
たつみんハーレムです。
「じゃー、昼食はどこで食べるー?」
そんな幸広の問いかけに、俺達は手元のパンフに目を通した。
「え、ええと、きちんとしたレストランは全部で3つですね?」
「パスタやピザなんかが食べられるのファミレスみたいなお店と、蕎麦やうどんとかの和食メインのと、中華、か。どれにしますか?」
「雅紀はどれがいいですの?」
「あー、なんでもいい」
しょせんテーマパーク内のレストランじゃどれを選んでもそう大差ないだろうし。
「わ、わたしもなんでもいいので、どなたか希望があれば、それで……!」
「僕もなんでもかまいませんよ?」
「わたくしも、別にどこでもかまいませんわ」
「うーわー、面白みがないなー、みんなー。って言っても僕も別になんでもいいんだけどねー。じゃあ選択肢が多そうな洋食にしとくー?」
「ええ、いいですわ」
「はい」
「ああ」
「では決定ですね」
場所が決まったので、俺達はぞろぞろと移動した。
レストランはそれなりに混んではいたが、問題なく座れることができた。
問題があったのは……。
「あら、意外とおいしいですわね、このパスタ。雅紀、一口いかがです? ……よ、よろしければ、わたくしが食べさせてあげますわよ? はい、どうぞ」
と、フォークにパスタを乗せて俺へ差し出す御加賀見。
「わああ、このパンケーキも、とってもふかふかでおいしーですー。あ、あああああの、ぜ、ぜぜぜぜひひひ、た、辰巳君も一口……!」
と、フォークにパンケーキを乗せて俺へ差し出す萌田。
「ん? 期待はしてなかったけど、これはなかなか……。兄さん、僕が作るものほどではないけど、食べてみない? 味比べってことで、このハンバーグ。はい、口開けて?」
と、フォークにハンバーグを乗せて俺へ差し出す祐史。
「おおー、なになにみんなー、たつみんに食べさせてるのー? じゃあ僕も参加でー。はい、たつみん。から揚げだよー? お食べー?」
と、箸でから揚げをつまみ俺へ差し出す幸広。
いや、俺は自分のグラタンだけで十分なんで。
いらないから、ほんといらないから。
つかお前らがそろって俺に食べさせようとするから変な注目あびてるんだけど。
気がつかねえの? それとも気にもしてねえの、なあ。
お前ら揃いも揃って目立つ容姿してんだからまじやめて。
俺に構うのほんとやめてくれよ。
………………はあ、疲れた。
たつみん疲れゲージのポイントがどんどん……。




