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電車にて

おまたせしました。

ただ更新ペース少し落ちますのでご容赦ください。

「雅紀の隣はわたくしですわよ」


「は? 兄さんは僕の隣です。なにを言ってるんですか、あなたは」


「え、あの、その、わたしは別にどこでも、その、えと……」


「じゃじゃーん、たつみんお隣争奪戦、ここにかいまーく! さあ、すでに一方は壁側の席に座っているたつみんの開いているもう一方の席をゲットするのは誰か! 実況はわたくし、幸広雪路ことゆっきーが務めさせて頂きます!」


「え、あの、幸広君? それより、止めなくては……」


「ほほ、これは失笑ですわ。当日に突然出たお邪魔虫、おまけは隅で小さくなっていればよろしいのですのよ。もう少しご自身の立場というものを自覚なさいませ」


「自覚されるのは千草さん、あなたの間違いでは? たかがお隣に住んでいるというだけで、兄さんと血を分けた実の兄弟である僕との強い繋がりの間に入り込めるとでも?」


「それこそたかが兄弟でしかありませんでしょう? 兄弟は他人の始まりとも言うではありませんか? これから一生を添い遂げるわたくし達の絆の方が、よほど強いに決まっておりますわ」


「一生? なにを妄想じみたことを言っているんです? 兄があなたと結婚するとでも? それこそ天と地がひっくりかえってもあり得ない」


「ええええええ、あ、あの、その、どうしておふたりはそんなに……。そ、それより、み、みなさんで仲良く……、あの、えと……」


「お姫様と弟君の嫁姑に似た戦争勃発中です。はてさて勝つのはどちらか? それより勝ち負けはつくのか? ふたりは普段からここまで仲が悪いのか? 天使ちゃんが困っております! ああ、大変だ。涙まで出てきてしまっている。さあ、これの収集はどうつけるのか。ここで判定のたつみんにお言葉を賜りたいと思います。さあ、たつみんどうぞ!」


「うるさい」


「「「「…………」」」」


他人ひと様にも迷惑だ。これ以上騒いだら、俺はひとりで帰る」


「そんな……」

「あ、あ、あ、の……」

「それなら僕も、兄さん……」

「それはつまんないなー、たつみーん」


「黙れ」


「「「「…………」」」」


「席は取り敢えず、萌田、祐史、幸広、御加賀見の順に座れ。これが一番騒がしくない」


「ええ!?」

「あ、あわわ、わたしですか?」

「……仕方ないか」

「まー、妥当かなー?」


「異議は認めない」


「……わかりましたわ。雅紀がそうおっしゃるのでしたら」

「は、はい」

「わかったよ、兄さん」

「りょーかーい、たつみーん」


 そして、やっと静かになった。






 俺は、幼児の保護者じゃねーっつの。





次回はテーマパーク到着、予定です。

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