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お出かけ前夜:御加賀見千草の場合

千草さん迷走中。

「用があるならすべて今夜中に。明日は連絡してきたら……、わかりますわね?」


 そう言って、何度目になるかわからない通話を切る。


 仕事の件は、明日は忘れて過ごしたい。


「だって、雅紀との、初めてのプラーベートの……お、お出かけなんですもの」


 無粋な仕事の話なんかで邪魔をされたくはない。


 どれだけ誘っても、諾と頷いてくれなかったのに今回に限って、というのが少し引っ掛かりはするけれど……。


 まあ、萌田さんの泣き落としとあの性悪男のおかげ、ね。


 まあ、余計なものがいるのは、少し残念だけど。


 二人きりでないのは、本当に残念だけれど。


 巷で言うダブルデート、だと思えば。


 もちろん、わたくしと雅紀、萌田さんと性悪男との組み合わせだけど。


 ま、雅紀はどう思ってるのかしら。


 デ、デートだなんて、雅紀も初めてよね?


「やだ、こうしてはいられませんわ」


 時間は限られているのだから、明日の準備をしなくては。


 早く寝て、肌の調子もベストコンディションで臨みたいし。


 髪にパックもしておきたい。


 だから、さっさと支度をすませなければ。


 ええと、まずは洋服はどうすれば。


 テーマパークっていうのは、どういった格好がいいものなのか。


 クラシック?


 いえ駄目ね。動きづらいわ。


 カジュアル?


 そんなの持っていたかしら。


 服の色調は濃いのと薄いのではどちらがいいかしら?


 白?


 黒?


 赤?


 青?


 洋服の選択は?

 

 スカート? 


 パンツ?


 ロング?


 ミニ?


「そんな、素足を晒すなんで、そんなみっともないことできませんわ」


 でも、雅紀が好きであれば、そこはやっぱり……。


 あ、それと。


 髪はどうしようかしら?


 普段は下ろしているけれど、明日はポニーテールにでもしてみようか。


 うなじを出すのは、色っぽいとも言うし。


 いえ、そんな浅はかな考えに振り回されるわけではないけれど。


 でも、せっかくなら、雅紀に普段とは違った面を見てもらいたいし。


 あとは、靴は?


 アクセサリーは?

 

 バッグは?


「ああ、もう! ちっとも決められませんわー!」






 そんなこんなで千草の夜は更けていくのであった。

憐れ、お嬢様、すっかりダブルデートのつもり。

天敵の弟君が同行することを知った時の反応が見ものです。

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