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姉・辰巳美沙の苦悩 2

『調停者』のゆっきーのセリフ「生徒会副会長」→「生徒会役員」へ修正しました。ゆっきー会計でしたね。すみません。そろそろメモでも残した方がいいでしょうか。いまだPCに気の向くまま気ままに直で書いてるのでノートには雅紀と祐史の名前しか書いてません……。

 この間、久々帰省して弟ふたりに会ってきた。


 弟は高校1年の雅紀と、中学3年の祐史。


 とても可愛いわたしの弟だ。


 少し焦ってしまい、祐史を怒らせてしまったけれど、無事仲直りもできたし、良しとしよう。


 確かに、中学や高校へ上がったばかりの男の子に対して結婚はなかっただろう。


 反省した。


 そう考えると、祐史のあの雅紀に対する傾倒はまだ子供のゆえとも言える。


 もっとゆったりとした気持ちでふたりを見守っていこう、そう改めて思った。



 そう、考えながら大学の構内を歩いていたわたしに、場違いなほど軽やかな声がかかった。


「やあ、辰巳女史。久しぶりだね、元気にしていたかい?」


 ああ、嫌な相手につかまってしまった。


「はい、まあ」


 しぶしぶ返事をする。


「そうか、それはよかった。僕はこの休みに帰省をしていてね。妹がしばらく会わないうちに成長していてびっくりしたよ。あの年頃の子は、成長が早いね」


「はい、まあ」


 それは確かに言える。


 わたしも、雅紀と祐史にそれを感じた。


 姉としては少し寂しい気もするのだが。


 それとは別に、誇らしいような安心するような気分もしたものだ。

 

「そうそう、今回の帰省で君の弟に会ったんだよ」


「は?」


「雅紀君、と言うのだね」


「雅紀、ですか」


 なぜこの人から雅紀の名前が。


 嫌な予感がする。


「君の弟はとても素晴らしい」


 それは確かにそうだが、あなたから言われる意味がわからない。


「僕の曇りがちの目を覚ましてくれた。妹に嫌われたと思い込んだ僕を、優しくなだめてくれた」


 雅紀が? それはありえない。それにその目は今でも曇りっぱなしだろう。


「そして、妹の話をよく聞くようにと諭してくれた」

 

 それは以前わたしも言ったことがあるはずだが?


「いつも人を導く人間であれと気を張っていた僕に、君の弟はそんなに気負わなくてもいいと、そう伝えてくれた」


 いつも人に対して迷走し暴走しているようにしか思えないが。そして、雅紀はそんな気のきいたことは言わないはずだ。どこの妄想ドリームだ。


「ぜひ、今後も彼にはそばにいてほしい。雅紀君なら僕の大事な妹を託してもいいとさえ思う」


 そしてかの人の暴走・もしくは妄想は止まらない。


「…………は?」


「いや、もし駄目ならうちに養子に入ってくれてかまわない。そう、名実ともに僕の弟となって、そばで支えてもらえたら……。時には僕を叱咤激励し、時には優しい言葉でいたわってくれる、右には可愛い妹、左には頼りになる義弟……。ああ、なんてその光景は素晴らしいんだろう! ねえ君、そうは思わないかい!? ああ、そうだ、これから役場にいって養子縁組の相談に行ってこようか」


「警察呼んでいいですか?」


 今なら殴り倒しても罪には問われない気がする。


 実際に妄想男の頭を渾身の力で殴りつけると、さっさとその場を離れ、携帯を取り出した。






「……あ、祐史? 姉です。……そう、雅紀のそばにまた新たな虫がわきました。注意してください」

前書きの続き:そしてたまに祐史を雅史と書き間違える始末なのです……。

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