その時のゆっきーは
これにてお兄ちゃん回とりあえず終了です。本当はたつみん視点でまとめようとしたのですが、まったく書けず。ならお兄ちゃん視点でと思ったら、話があらぬ方向へ。しょうがないのでゆっきー視点にしたらさらりと書けた次第であります。
僕は、あきらかにしまったと思ってるたつみんと、なんだか目がキラキラしてきた天使ちゃんのお兄ちゃんと、割り込みたいのを苦々しい表情で我慢している様子のお姫様を横目に見て。
吹き出しそうになるのを必死で我慢していた。
まわりから見た僕は余裕ありげな表情でにこにこしてるってとこかな。
うん、間違いないね。
僕は表面取り繕うの上手だから。
お姫様も本来得意のはずなんだけどねえ。
たつみん絡むと駄目だな、まったく。
精進が必要だね、お・ひ・め・さ・ま?
と、言ったらまた怒るかな、怒るな。うん、よし後で言っておこう。
で、今の状況だけど。
暴走した天使ちゃんのお兄ちゃんの軌道修正中、なう。
僕は、環境整えるところまでは協力したけど、後はたつみんにおまかせ。
まあ、結局のところ、僕は部外者だしね。
お膳立てさえしてしまえば、たつみんうまくまとめるしね。
だって、お兄ちゃんの怒りポイントは変な男に天使ちゃん奪われた、ってとこだし。
そんな事実はないし。
今のところは。
それがきちんとわかってもらえれば、あとは問題ナッシング?
それに、たつみんはこう言ってはなんだけど、癖のある人間に好かれやすいんだよねえ。
本人気がついてるか知らないけど。
まあ、たとえばお姫様とか天使ちゃんとか、僕とか?
そこからいくと、このお兄ちゃんもかなりのものだよねー。
人の話の聞かなさっぷりとか。
天使ちゃんもああ見えて、苦労したんだろうなーって思ったね、ほんと。
あ、そろそろ詰めかな。
たつみん、天使ちゃんとお付き合いしてる事実はないってことと、お兄ちゃんの暴走の迷惑さと、とにかくちゃんと人の話は素直に聞こうって点、伝えたね。
たつみん、よくやった。
お兄ちゃんがきちんと軌道修正できるかは知らないけど、お兄ちゃんのたつみんへの悪感情は払拭されてる。
さすがたつみん。人たらしだね。
見てよ、あのお兄ちゃんの顔。たつみんの魅力にやられちゃったね。
たつみんは、本当に見てて飽きないなあ。
たつみんと一緒に過ごすようになってから、毎日が楽しくて仕方ないよ。
あ、ひどく疲れた様子のたつみんが、お兄ちゃんに天使ちゃんのところに行って、きちんと謝ってくるよう促した。
お兄ちゃんは素直に頷くと、立ち上がった。
「わかった、これからもえには僕の過ちに対する謝罪を請うてくることにするよ。それにしてもこんな愚かな僕に、率直な言葉と厳しく優しい態度で諭してくれる君は、本当に素晴らしい。最初の勘違いに、僕はひたすら恥じ入るばかりだ。本当に今日は君に会えてよかった。ではまた会おう、義弟よ」
「誰が義弟だ」
認識や態度は改まっても根本的な勘違いは直せなかったようだ。
たうみんの脱力感と、お姫様の切れっぷり(しかし約束通り黙ったまま)が笑える。
しかし本当にたつみんは最高だ。
またひとり、君の虜だね。ね、たつみん。
補足:お兄ちゃんは一応妹とたつみんがお付き合いしてない点は理解しました。が、たつみんを非常に気に入って弟にしたいと思った為の「義弟」呼びです。感覚としては、ゆっきーの「お姫様」・「天使ちゃん」呼びに近いです。




