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逆鱗に触れるともいいます

姉弟の続きです。

「僕が、結婚? あの、御加賀見千草さんと? ふふふふ……、ねえ、姉さん……」


「な、なんですか?」


 おお、祐史の恐ろしい笑顔に、滅多に動じることがない姉が動揺している。


「姉さんはもし、見るだけでも虫唾が走り話すだけでも吐き気がする、することやることなすこと話すことすべてが受けつけられない相手と……」


 おまえは御加賀見のこと、見るだけで虫唾が走り話すだけでも吐き気がして、することやることなすこと話すことすべてが受けつけられないんかい。


「結婚するよう言われたら、どうする?」


 そしてその笑顔怖いやめて。


 怒ってんなら怒った顔しろまじで。


「……………………………………」


 姉は黙ったまましばらく考え込むと、すっと頭を下げた。


「この件は、わたしが間違ってました。ごめんなさい」


 そして、顔を上げると、ふと遠い目をして呟くように言った。


「そうですね……、どうしても生理的に受けつけられない人っていうのも、いますからね……」


 姉よ、生理的に受けつけられない人がいるんだな。


 そして、御加賀見。お前姉さんから祐史にとって生理的に受けつけられない人認定されたぞ、今なにげなく。


「わかってもらえればそれでいいよ」


 祐史は凄まじい怒りのオーラを収めてそう言ってほほ笑んだ。


「あ、兄さん。ということで僕、千草さんは兄さんのお嫁さんになんて絶対死んでも認めないからね。兄さんにそんなつもりがないことは重々承知の上だけど、まかり間違って万が一でもないように、一応、ね?」


 死んでもですか。


 そうですか。


 ……なあおまえら、ほんとなにがあったの?


「…………とにかく、今日はここまでにしましょう。そうね、わたしが飛躍しすぎていたわ。まだあなたたちに結婚の話をする方がおかしかったわね。本当にごめんなさい、煩わせてしまって」


 姉のその一言で説教タイムは終了となった。


 姉と弟の勝敗は弟に軍配があがりました。


 ん? 勝負事だったか? まあいいが。


 ……しかし祐史の怒りのオーラはすごかった。


 兄はまじでガクブルでした。


 実際俺も何度もおまえら気があいそうだから付き合えばいいじゃんと思ったことか。


 口に出したことはなかったけど。


 それは禁句なんですね。


 ふう、よかった。言わなくて。


 俺の心の平穏の為にも今後も気をつけていこう。




 俺は酷く疲れた気分で自分の部屋に戻ると、ベッドへ転がった。


 姉は悪い人ではない。


 というより、弟思いのいい姉だとも思う。


 弟の祐史みたく度が外れてのブラコンではないのもわかってる。


 たぶん、姉はこの家を一番まともな常識人なんだと思う。


 言葉の選択はちょっと時代錯誤な感はあるが。


 ただ、、姉は何分真面目過ぎるのだ。


 真面目過ぎ、融通がきかず、真っ直ぐで、冗談を解せず……。


 世の中は正しいことばかりが正解ではないってことは間々あるよな。


 姉はどれがわからないのかわかりたくないのか常に真っ向勝負でいく。


 真剣に対処すればするほどドツボにはまっていくような。


 やることなすこと裏目に出るような。


 要領が悪いわけではないはずだがなぜだ。





 なので出来れば放置で願います……。

虫唾が走るのか怖気が走るのか単語の選択迷いましたが、虫唾にしました。

より不快値高そうだったので。

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