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この話は気の向くままに書いていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

 洗濯機の回る音と、味噌汁のいい匂いで目が覚めた。


 窓のカーテンの隙間からは、朝日の眩しい光が差し込んでくる。


 朝だ。


 俺はぼんやりとした頭を振って、ゆっくりと起き上がった。


 起きると、見慣れた自分の部屋が目に入る。


 2階にある6畳の洋間。


 あるのはベッドと洋服箪笥と本棚と勉強机。


 高校1年の部屋にあるものとしては、まあ一般的だろう。


 あまり、物は置かない方なので散らかってもいない。



「……ああ、だりぃ」


 面倒だが、朝なので起きなければならない。


 今日は平日、学校がある。


 俺はベッドから起き上がると、着ていたTシャツとスラックスを脱いでベットの端へ放り投げた。


 洋服箪笥を開け、糊がきいてぴっちりアイロンをかけてあるYシャツを取り出す。


 もちろん、アイロンは俺がかけたものではない。


 のろのろとそれを身につけながら、俺は今日の予定を思いおこす。


 ああ、体育があるから体操着も持ってかないと。


 もちろん、洋服箪笥には柔軟剤を使った、肌触りのよい体操着がしまってある。


(体育、面倒くせえ……)


 


 俺の名前は辰巳たつみ雅紀まさき


 現在高校1年生。


 性別は男。


 家族構成は父・母・姉・弟の5人家族。


 ただ、父も母も仕事や趣味でほぼ家におらず、姉は大学で家を出て一人暮らしをしている。


 ので、ほぼ弟との二人暮らしだ。


 ただ、生活の不便はほぼ感じたことはない。




 俺は制服に着替え終わると、階段をトントンと下りて、居間に入った。


 うちはカウンター式キッチンで、いわゆるキッチン・ダイニング・リビングが一続きの部屋になっている。


「ああ兄さん、おはよう。もう少し遅ければ起こしにいこうかと思ってたんだよ」


 朝から弟が満面の笑顔で声をかけてくる。


「……ああ」


「じゃあ、席について。朝食もう用意してあるから」


 机の上には、ご飯・味噌汁・焼き魚・お新香・納豆・海苔、と由緒正しき日本人の朝御飯、が鎮座している。


「ねえ、兄さん。今日のお茶は何がいい? ほうじ茶、緑茶、烏龍茶、紅茶? それとも食後にコーヒーにする?」


「……緑茶で」


「うん、わかった」


 俺が言うと、嬉しそうに弟がお茶の支度を始める。


 

 そう、ほぼ大人不在の中、衣食住、不便なことがないのはこの弟がいるためだ。


 炊事洗濯掃除に買い出し、日常生活に必要なことはほぼすべてこの弟がやってくれる。


 弟の名前は辰巳たつみ祐史ゆうじ


 俺より1つ下の現在中学3年生。


 成績優秀で、成績は学校はおろか校外模試で全国何番、という成績を取ってくる。運動神経も抜群で、部活のバスケでは県で優勝したりしてた。人望も厚く、中学では生徒会長も務めている。家事の腕前も抜群・特に料理の味は秀逸で、口に入れた料理が不味かったためしはない。



 なんだそれ、どこの化け物だ。



 さぞや忙しいだろうと、俺のことは適当に放っておいてくれていい、と言ったことも一度や二度ではないが、そのたびに「兄さんのことは最優先事項だから」、「兄さんの血肉になるものに、手を抜くなんて考えられないよ」と返された。


 なんだそれ、意味がわからん。



「兄さん、美味しい?」


「ああ」


「兄さん、今日の晩御飯はなにがいいかな? 兄さんの好きなもの用意するね」


「なんでもいい」


「うん、わかった。じゃあ今日はラザニアとシーザーサラダをつくるよ。デサートにはコーヒーゼリー用意するね」


 なにがわかったなんだ……?


 しかも、特に希望は言わなかったが、俺の食いたいものから外れてない。


「兄さんの思ってることは、全部わかってるよ。だって、僕は兄さんの唯一の弟なんだから」


 俺の思ってることに対して返事をするようにそう言って、にっこりと祐史が笑う。






 ………………うちの弟は気持ちが悪い。






雅紀の弟祐史はいわゆるブラコンです。

ちょっとヤンデレも入ってると思います。

しかし電波系ではありません。

次はお隣さんいきます。

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