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第1階・おじゃまなヒーロー

少し長いかもしれませんが、一応連載モノです。

あのとき、彼女は確かにこう言った。

「3年後にね、内地(大和)であるマンションが建つの。そこでね、管理人募集してるみたいなのよ。・・・・・・いいわよね〜、管理人。おもしろそうだわ」

キラリと彼女の目が光ったのを、私は見逃さなかった。


《おじゃまんマンション》

2、3ヶ月前に建ったばかりの、何故かあやしいと噂があるマンション。

別に古くさくはないのだ。きれいで立派なマンションだ。

だが、夜な夜な女の怒鳴り声や、ガガガ〜とか、バキベキッとか変な音がマンションから聞こえてくる。たぶん噂の原因はこれなのではないかと思われる。

そんなところに、昼間から3つの影が入っていった。


「普通のマンションやっし」

なまりのあるイントネーションで、ショートカットの女の子が周りを見渡す。

「だけど、なんだか薄暗くない・・・・・・?」

きれいな黒髪の女の子が、引きつった顔でつぶやくと、

「あっ!?」

金髪の子が、なにかを指差し声をあげる。

「なななな、何!!」

「うそ」

外人の様な女の子が、ニヤリと笑った。

「うそでもいうな!!」

この3人、近所に住んでる中学生である。最近できたこの怪しいマンションを、好奇心で見に来たらしい。だが、夜じゃ怖いので、昼に来たのだろう。

3人の名前を紹介しよう。

「もう、なんなのよ!だからあたしはいきたくなかったのにっ!って、聞いてるマコト?」

イズミ 亜紀アキ。大人っぽい顔立ちに、真っ直ぐで肩のところできれいに切りそろえられた黒髪。いかにもしっかり者、といったカンジの子だ。1番身長が高い。

「・・・・・・ゴメン、きいてなかったぁ。もっかいいってぇ」

比嘉ヒガ マコト。ショートカットでパッと見は運動部系。だが、けっこう身長が低く、体重も一番低い。おとなしそうな顔のくせに、左耳に、陰陽の模様のイヤーカフスを付けている。人の話を聴かないのと、なまりのあるイントネーションが特徴。

「あんたはなんのためにその耳があると思ってんの!?」

ボリ、ボリ、パリ、パリ。

「・・・・・・え?なんか言った?」

パクパク、むしゃむしゃ。

「あんたはもう!!・・・・・・って、花まだ食ってんの!?」

ポテチの食う音のするほうへ、亜紀が視線を向ける。

「え?うん。あ、一緒に食う?」

「・・・・・・いらないわ」

「お前が食うのを見てるだけで腹いっぱいだよ」

「?」

草切クサギリ ハナ。金髪の髪に、白い肌。おまけにキレイな透きとおった青い目。どっからみても立派な外人のこの子。1番身長が低く、食べてる割にやせている。


「どーでもいいから上にいこうさぁ」

この一言で、3人は2階に行くことになった。

上にいくには、階段かエレベーターを使うのだが、もちろん普通はエレベーターが良いに決まってる。が、

「もちろんエレベー」

「階段!!」

「・・・・・・」

亜紀が声を張り上げる。マコトの声はあっというまにかき消されてしまった。

「エレベーターなんてそんな、あんな四角い密室された箱の中でなにかあったらどうするの?逃げられないじゃない!!」

「亜紀、・・・・怖いん」

「怖くないわよ!!」

「いや、だったらエレ」

「エレベーター?ばっかじゃないの!!」

「階段でいくほうがバ」

「階段!!!」

亜紀がマコトの声をさえぎる。

「いや、わかったからさ、マコの話を最後までき」

「よ〜し!!階段でいくぞ〜!!!」

花が、声を張り上げた。


3人がいった、その数十秒後。

「京子〜、京子〜・・・・・・あれ、京子いないの?」

反対側の階段から、ひょこっと長身の青年が現れた。

「いないじゃない、来て損したわ」

後ろのほうから、さっそうと、茶色のふわふわウェーブの髪をした女性も現れる。

「いや、確かに女の子の声がしたんだって」

「馬鹿いわないで。空耳じゃなくって?」

何かと毒舌な彼女の名前は北宮キタミヤ アズサ。その優雅で気品にあふれる彼女のふるまいからして、どこかのお嬢さまだと思われる。

「ヴ〜、あ〜、そんなはずはないんだけどぉ〜」

若干へたれている彼は石川イシカワ 宇宙ソラ。身長はけっこう高いし、顔もなかなかなのだが、そのへたれで台無しである。

「いいから早くホールにいきましょう。管理人の女がまたなにかたくらんでるんだから」

「あ、そうだった。でも京子が」

「あぁ、もう!いいかげんになさいっこのシスコン!!」

ガーン!まさかこんなにはっきりいわれると思わなかった宇宙は、まともにショックを受けた。

「そ、そんな、ひどっ・・・・・・」

「あぁ、めんどくさい!なんで下った階段上んないといけないのよ!!(きいてない)」

そういうと、梓はさっさと上へ行ってしまった。



「この階段、・・・・・・長っ!無駄に長い!!」

「うっさいわね。だいたい花は体力なさすぎなのよ」

騒ぐ花に、亜紀はうっとうしそうに言った。

「お〜い、もっと早く行かんばぁ?」

「「うっさい、死ね」」

「なんで!?」

2人がキレるのも無理はない。ここの階段は異常に長いのだ。かれこれ10分、15分歩いているのに、全く出口が見えない。体力のない花はあまりのキツさに無駄にテンションが高くなっていた。

「テンションが上がったっていうか、S度増してるっつーか・・・・・・」

マコトのためいきにすばやく花が反応する。

「はぁ、何アンタ?自分がめちゃくちゃ体力あって運動神経いいこと自慢してんの?うぜぇよ、カス。ふざけんな、もうアンタは消えなさい。火葬とか土葬とかの前に海に沈めてやるってんだよ、沖縄の海に沈みてぇのか?あぁ?このウチナーンチュイントネーションが」

「何でえぇ?!この子もうドSじゃん!!マコなんかしたっけ?」

「うるせぇ!運動神経いい奴がムカつくんだよ!!」

「逆恨みかー!!」

こんなどうでもいいことにインネンつけられ、マコトはいい迷惑である。はっきりいった話、悪いのは亜紀なのだ。亜紀が階段といわなければ、花はこんな目にあわなかったのだ。が、

「・・・・・・花、もうすぐ着くからだまってて」

それに対し花は、いままでのS的態度を改め、

「うん、わかった。だまってるー」

そうなると、なっとくいかないのはマコトである。怒りのあまり、思わずなまり丸出しで怒鳴った。

「えぇ、まてまて、えぇ!(沖縄の人は怒った時<えぇ!>という)ヤーは(お前は)なんで亜紀とマコでは態度違うば?マコ何もしてないやっし!てか、亜紀のせいやっしコレ!!意味わからん!!なんでよ!!」

「死ね」

「だからなんでマコにはSなんだよおぉ!?えぇ?!!」

「うっさいわね!!!だまってなさいっ!!」

そんなこんなで、にぎやかに3人は2階に着いた。

2階には、色々な部屋があり、ほとんどがまだ空き部屋だった。やはり中はキレイで、あの噂のマンションとは思えないほどだった。そして、少し行ったところに《ホール》と書かれた部屋もあった。

「ホール?」

「あ、それ知ってるー!」

マコトがうれしそうに声を上げた。

「マコのおばさんが消える前にいってたんだけどな、ホールってとこは、住民が集まって色々するとこなんだってさ」

「へぇ〜、あの噂の叔母さんが」

「物知りな叔母さんね」

亜紀と花が、マコトではなく、さりげなく叔母のほうに感心した。

「いや、物知りっつーかさ、叔母さん、なんでか管理人の職業にあこがれたっつーか」

「「は?管理人?」」

わけのわからん夢をもっていたマコトの叔母に、亜紀と花は思わず聞き返した。

「うん。消える直前にいってたんだけどさ、3年後に本土でできるマンションが、あ、たぶんここの近くらしいんだけど、変わった管理人を探してるとかで。まぁ、アノ人も相当変わってるからねぇ」

昔を懐かしんでる年寄りのような目でマコトがつぶやいた。

「ここの近くなら行けば良いのに」

「う〜ん、3年前の話で、3年後にできるマンションてったら今年建ったってことっしょ?ここの近くで今年建ったマンションなんてあったけ?」

マコトが首を傾げて考える。

「ない、ない」

「・・・・・・おじゃマン以外ないわ」

「だよな〜」

やっぱりないじゃん、と、マコトと花は笑った。そんな2人に亜紀がもう1回だけ、答えを言う。

「いやいやいや、だから、ないんだって。おじゃまんマンション以外。つーか、ここだよ」


そして、はっとする。

ここの近くで、今年建ったばかりのマンションはない。


ここ、おじゃまんマンション以外は。


「・・・・・・いや、違う。きっと3年前マコは聞き間違えたんだ」

「そうね、きっと隣の県ぐらいのマンションのことをいってたのかもしれないわ」

とかいいながら、明らかに動揺しているマコトと亜紀。

「でも当たってたらウケルよね」

「「だまれドS」」

花は、思った以上になにもないこのマンションに退屈していた。これはいい退屈しのぎになるといわんばかりに、ニヤニヤし始めた。

「とにかく、ホールにいって誰かにきいてみようさぁ」

「そうね。でもマコト、あなた今すごいなまってるわよ」

あせってんのか、動揺しているのか、自分でもなまっているのに気づいていない。

「なにいってるば、ちょっとしかなまってないさぁ」

「なまってるって」

「なまってないさぁ」

「それがなまってんだよ」

まるでB級コントである。

そして、汗だらだらのまことを引きずって、3人はホールへと歩いた。

たぶん、ここの中にはだれか人がいる。その人達から聞けばいい。それにここは思ったより悪いところではなかったし、もしここの管理人がマコトの叔母でも、そんなたいしたことではないのだ。なんてったって、3年ぶりの再会になるんだし、普通に感動の再開になるだろう。


マコト以外の2人は、その程度にしか思ってなかった。


「花、開けて〜」

ぐったりしているマコトに肩を貸している亜紀が、花に頼んだ。

「OK、入いるよ!」

花が勢いよく扉を開ける。

そこの中には、2つの黒板、伝言板とかかれたものと普通のやつが並んでおいてあって、大きなテーブル1つ、イスが何個かおいてあった。かなり広い部屋だ。


その部屋の中心に一人、彼女は立っていた。


赤い仮面を被った彼女は、仮面以外はただの女性だっただろう。だが、彼女は素顔を見せることなく、そのマジレ○ドの仮面を被ってそこにいた。

「おじゃマンレッド!参上!!」

レッドと名乗ったそれが、勢いよくテーブルから飛び降り、3人の前にきた。

「「・・・・は?」」

「・・・!!」2人とは対象的に、ぐったりしていたマコトが、びくっと動いた。

その声には、聞き覚えがあった。


「!!」

梓が顔をぱっと上げて、険しい表情をした。

「梓?」

「あの管理人の声だわ」

忌々しそうに梓がつぶやいた。

「あぁ、じゃあホールかな」

冷静に宇宙が言った。

「早く行かないと!」

「おちつけって、動くだけ無駄だよ」

「なんですって!?」

冷たく言い放つ宇宙に梓は怒って振り向いた。だが、お人好しの宇宙がここまで言うのも訳があってのことだった。

はぁ、と大きくため息をつき、宇宙は改めて周りを見渡す。

「動こうにも、閉じ込められちゃ動きようがないよ・・・・・・」

「うっ・・・・・・」

さすがの梓も、これには反論のしようがなかった。

今、2人は階段の踊り場で、・・・・・・檻に閉じ込められてた。

「私としたことが・・・・・うかつだったわ!」

「そうだね、かおるさんの罠にはまるなんてすごい久しぶりだね」

「私は昨日も引っかかったわ!!」

「だめじゃん」

とにかく、2人は大声で助けを呼んいくことにした。

「ちょっと、2人?私も、てこと?冗談じゃないわ!呼ぶのは宇宙よ!!」

「お前やれよ!!!」



亜紀は思わずこめかみを押さえた。

この状況は、14年間生きてきた中で、どうリアクションしていいかわからないベスト10の3位以内には確実に入ってるであろう状況だった。

ちなみに、当の本人であるレッドは、

「・・・・・・」

亜紀たちのリアクション待ちだった。

「・・・・・・うわぁー」

「さんざん悩んでそれ?」

「これ以上のリアクションは無理です」

「もっとバリエーションにとんだリアクションを身に付けなさい」

「・・・・・・」

この人は、ふざけているのだろうか。

めまいがした亜紀は、バトンタッチの代わりに、マコトに視線で合図をした。「・・・・?」

が、当のマコトは、

「・・・・・・」

マコトはじーっとレッドのことを穴が空くほど見つめていた。

「あ、あのっ!」

そして、腹を決めた様子で、勢いよくしゃべりだした。

「つかぬことをお聞きしますが、<安谷屋 かおる>という名に身に覚えはありませんか?」

「つかぬことも何も、どうみても本人じゃない」

・・・・・・。マコトの体からドッと冷や汗が滝のように流れ出す。

「ず、ずいぶんと真っ赤なお顔になられられられ・・・・」

「3年前より日本語下手ね」

だんだん顔から血の気が引くマコト。隣にいる亜紀にも、すべてわかった。


つまり、彼女はマコトの・・・・・・叔母なのだ。


バーン!!突然ホールのドアが開く。

そして、

「ちょーっと、まったあぁ!」

今度は、ピンクの仮面の、声からしてマコト達と対して歳の変わらないであろう女が飛び出してきた。

「・・・・・・さっさと名乗って」

疲れた表情で亜紀が言う。

「えぇ!?ヒドっ!まぁいいわ。あたしの名前はおじゃマン仮面ピンク!!ところでレッド、自分の名前勝手にばらさないでよ!!」

だが、そんなピンクを軽く無視し、カオルはしゃべり続けた。

「あなたもずいぶん変わったわね」

「え、あ、はぁ、・・・・・まぁ一応」

昔の話を振られ、とたんに口をにごらすマコト。

「きけぇ!!」

「さすがね、人の話を聞かない家系なのかしら」

あきれを通りこして、感心する亜紀。ぶっちゃけ内心ではどうでもよくなっているのだろう。そんな亜紀のとなりで、明らかにイライラしているピンク。仮面で顔を隠しているのに、ここまで喜怒哀楽を表現してしまう彼女はスバラシイ。

「あ、そうそう。それであなた達に渡したいものがあってきたのよ」

突然そんなことを言い出すカオル。

「大丈夫、変なものじゃないわ」

とてつもなく優しい声でカオルが言う。

・・・・・・はっきりいって、信用できない。

嫌な予感を人間の第6感でかんじつつも、2人は慎重に答える。

「見るだけ見ます。・・・もらうかどうかは後ですよ?」

「・・・とりあえず、何なんですか?」

「えーっとね〜・・・」

「「・・・・・・」」

がさごそとあらかじめ用意してあった袋から、カオルが何かを取り出す。

そして、その取り出したものは・・・・・・?

「これよ!!」

「・・・・・・」「・・・・あー」

おじゃマンイエロー・ブルー。

「いるかあぁ!!!」

切れた亜紀。

「あら、どうして?」

「・・・・・・どうしてもです」

切れる亜紀をなだめつつ、これ以上騒ぎを大きくしないように、不思議そうに聞くカオルにさりげなくマコトが断った。

「残念だわ・・・・。あなた達2人が入れば5人そろったのに」

本当に残念そうにカオルはつぶやいた。

「そんな遊び、とんでもない馬鹿以外やらないわよ」

「?ちょっとまって亜紀。カオルさん今、<あなた達2人>て言ってなかった?」

マコトはわかった。そう、奴がいない。

「え?わたしと、あなたと、花と・・・・・・。あれ!?花は!?」

「・・・・・・さっきからいないってば、あのどS」

嫌な予感がビンビンする2人。あいつに限ってそんなこと・・・・・・ってのはない。あいつだからやりかねないのだ。

「でてきなさい、おじゃマンホワイト!」

カオルが高らかに叫ぶ。


「おじゃマンホワイト!参上!!」


「「花ぁ!!」」

「おっす」

おっすじゃねーよ。てめ、今なにやってんだよ。なんで白い仮面被ってんだよ。

怒りを抑えつつ、亜紀が聞いた。

「わざと仲間になったわね・・・・・・」

「もちろん!!」

ブチッと亜紀のこめかみから何か聞こえた。


「あ〜、梓?」

「なによ」

「いくらなんでも、これはないよね?」

「あたしのせいっていいたいの!?」

「お前のせいだろっ!」

全身水浸しの2人は、イライラモード全開で怒鳴りあっていた。

「だいたいクイズゲームなんてマンションにある自体おかしいのよ!」

「マックのフルネームも知らない奴に言われたくないんだけど・・・・・・」

もちろん宇宙のつぶやきを、梓はきいていない。

「じゃあ何!?あなたは知っているの?」

「マクドナルド」

・・・・・・。

「も、もちろんしってたわよ!!」

「うそつけ!だから水浸しになったんじゃねーかよ!!」


「で、仲間にならない?」

「「いや」」

「今ならなんと、ゴールドとシルバーがもれなく無料!!」

「いやいやいや、いらないって」

「無料?」

「じゃあどうしたいのさ!?」

「なにもしたくないわ。むしろ帰りたい」

「あ〜・・・・腹減ったなぁ」

「あたしだっておなかすいたもん!」

「「で?」」

とりあえず、話をもどそう。

しつこく誘ってるのが花。とにかく断っているのが亜紀とマコト。

「だいたい、さっきから正義のヒーローみたいなことしてるけど、悪の軍団がいないじゃない。それじゃヒーローの意味ないわ」

亜紀がいいところに目をつける。確かに、ヒーローには悪がいないと成り立たない。

が、カオルは得意げにこの疑問に答えた。

「もちろん、悪の軍団くらいいます」

「「!?」」

きいてないよ!といわんばかりにピンクとホワイトがカオルを見る。

それでもカオルは1人で続ける。

「その名も、おじゃマンデビルです」

しらねーよ、そんなの!いやだよそんなダサい悪の軍団!!ピンクとホワイトは色々目で訴えたつもりだが、カオルには何一つ届いてなかった。そして、カオルの説明はまだ続く。


「そう、そして、その悪の軍団は、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・あなた達です!!」


「「はあぁ!?」」

いきなり指をさされて、キレることしかできない2人。

「ちなみに、名前は怪人ツッコーミとウチナーンチュなまりです」

「つっこみ!?私だって好きでつっこんでるわけじゃないのよ!!」

「ウチナーンチュ?なまり?だから全然なまってないさぁ!」

「ぴったりだね」

「「だまれ裏切り者」」

怪人ツッコーミとウチナーンチュなまりはホワイトに向かって切れた。

そして、カオルがマコト達に向かって指をさし、叫ぶ。


「さぁ、倒しなさい!ピンク、ホワイト!!」


「「ウキー!!」」

2人にむかって突っ込んでくるピンク達。

「うわっ、その掛け声はだめだって!!」

「てか、あんた達のほうが悪役っぽいんだけど!!」

良い子も悪い子もだめな子も、こんなヒーローはいけません。最悪です。

「「覚悟おぉ!!」」

が、


「ちょおーっと、まったあぁ!!」


バーン!と、またホールが勢いよく開く。

「その馬鹿げた遊び、ストップ!!」

飛び出してきたのは、茶色いふわふわの髪の女の人と、げっそりと疲れた顔の男の人だった。

「いい加減にしなさい。こんな無関係な子まで巻き込んで!」

良かった、まともな人だった。亜紀とマコトは心底ほっとした。これでもう安心だ。

すると、男の人がピンクのほうをじーっとみて、


「とゆーか、そこのピンクの仮面の子、・・・・・・キョウコだよね?」

「あれ、おにいちゃん?」


キョウコ?

え?ピンク今、お兄ちゃんっていった?

マコトたちはわけがわからない。

ということは、どういうことだ?つまり、ピンクのお兄ちゃんがアノ人。そしてアノ人はピンクになんと言った?


・・・・・・キョウコ?


「ぎゃははは!!キョーコだってよ、キョーコ!!」(花

「・・・・・・キョウコ」(亜紀

「偽名ですか?」(マコト

「なによ、なにがいけないのよ!!本名に決まってんじゃない!石川イシカワ 杏子キョウコよ!悪かったわね!!!」

確かに、こんなイケイケな女が杏子というのは、あまり似合わない気がする。

「・・・・・・それで、梓さんと宇宙くんは何の用ですか?」

カオルが口を挟む。

その質問を待ってましたといわんばかりに、梓がカオルをキッと睨む。

「何の用ですって?決まってるじゃない!あなたのその馬鹿げた遊びを止めるためよ!!」

「なら、戦いなさい」

「・・・・・・はぁ!?」

あまりの唐突さに、プライドが高いさすがの梓も、どう対応していいかわからず、思わず間の抜けた声を出してしまった。

「まーたあの人は・・・・・・」

あきれた宇宙はこれ以上モノがいえなかった。

「ねぇ、マコト?」

「なにさ、花?」

花が気になったことをマコトにきく。

「あんたにもあれと同じDNAがはいってんの?」

「・・・・・・ん?あ、ゴメンきいてなかった」

「・・・・・・(怒)」

「花、同じDNAよ。間違いなく」

そして、そのマコトと同じDNAをもつカオルは、梓との戦いのルールを説明していた。

「ルールは簡単、相手を戦闘不能にするだけ!肉体的だろうが、精神的だろうがかまいません。どうです、やりますか!?」

「受けて立つわ!」

始まってしまった。

真剣な2人をよそに、この遊びにあきてしまったホワイトとピンクは、もう仮面を取ってしまった。

さぁお待ちかねのピンクの素顔は・・・・!?

「・・・・・うわぁ」(マコト

「ありえない」(亜紀

「すっげぇ〜・・・」(花

ピンクこと杏子は、真っ黒のポニーテールの髪をした、・・・・・・すっごいおとなしくてか弱そうな顔をした少女だった。

「整形しました?」(マコト

「・・・あんたそれ天然?」

カオル達に話を戻そう。

2人はまだ1ミリも動かずに、睨みあっている。


ぴくっ


カオルが動く。

「・・・・・・!」

梓の顔がこわばる。カオルはすぅっと息を吸い込み、口を開いた。

「梓・・・・・・」

「!?何ですの?」


「・・・・・・イケメンは、イケてる麺ってことじゃないのよ」


「ええぇ〜!!?」

勝負はついた。梓はついた。梓はショックのあまり、崩れ落ちてしまった。

カオルが勝ったのだ。

「あぁ、知らなかったんだ。イケメンの意味・・・・・・」(宇宙

「きっと調子に乗ってあっちこっちのそば屋で使ってたのよ」(杏子

「てゆーか、イケメンってもう死語?」(マコト

「あほらし」(花

「帰ろう・・・・・疲れたわ」(亜紀


杏子と宇宙に別れを告げ、3人はおじゃまんマンションを後にした。

「けっきょく何しにきたんだっけ?」

「・・・・ほんっとに疲れた」

「叔母さん、何がしたかったんだろう?」

疲れた表情で3人は(たぶん花も)誓った。


もう、おじゃまんマンションに行くのはよそう・・・・・・




「ところで2人とも、青と黄の仮面いらない?」

「「捨てろおぉ!!」」


はじめての小説なので、わかりずらい点もあるかもしれません。 何かいいアドバイスがありましたらぜひ教えてください。

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