ストーリーシノプシス(全あらすじ)
こちらはストーリーシノプシス、結末までが載っているあらすじです。ネタバレご注意!!
先に本編を読みたい、という読者さまは飛ばして次へお進みください。
応募規定として必要とされる文字数通り、投稿した時のまま掲載してあります。
兄だと名乗る男、犀によって奇妙な力を移植された高校生、神宮寺 聖。直後、犀は失踪。紹介者の伯父とも連絡が取れなくなり、困る聖の前に現れたのは、自分を『拙者』と呼び、変わった言葉遣いをする瓶底眼鏡の少女ミツルだった。
彼女曰く、この世界は無数の層が重なり合って構成されており、その様をカーテンに例え、『カーテノイド』と呼ばれている。時折その狭間に生じる綻びを遮断するのが、遮断師であり、聖が持つことになった力だと。ミツルは聖の役目を手助けする、開門師。綻びが生まれた地点へ繋がる扉を作り、支えておく役割なのだ。仕事をする時だけ眼鏡を取るミツルは、意外にもすごい美少女だった。
訳もわからず第一の仕事を終えた聖に驚愕の事実が。パートナーとなったミツルとはこれから共に暮らさなければならないというのだ。一旦は拒絶するも、どうしようもない状況に追い込まれ、結局承諾する。次々とこなすはめになった仕事の中で聖が目にした光景は、綻びが生まれた場所に入り込んでくる様々な異世界の映像だった。
それらは綻びが広がるにつれ大きくなり、そこに軋轢を生む。すると世界同士の反発で強力な磁気が発生し、こちらから異世界に飛ばされる人間が出たり、その逆も発生するのだ。そうなる前に綻びを遮断し、世界の秩序を守るのが聖とミツルの役目だった。失踪したはずの犀が頭の中に語りかける声と、時の番人『時計じいさん』、そしてパートナーのミツルに助けられながら聖は段々仕事に慣れていく。
また、遮断師や開門師をまとめる本部と呼ばれる施設が存在し、その正体は未だ謎だということも知る。何人かの仲間もでき、いつしか遮断師としての役目が日常の一部となる頃、一つの油断があだとなり、なんと聖自身が異世界に飛ばされてしまうことに。
気づいた先はもう一つのカーテノイド。そこは地球より更に文明の進んだ世界で、彼らは地球を監視しているのだと言った。このようなカーテノイドは無数に存在し、それ自体もまたカーテノイドとしての属性の一部であるに過ぎないと。帰るための方法を模索する聖だが、困った挙句に彼らのトップに会うこととなった。なんとそこに新しい監視員として現れたのは記憶をなくしたミツルで、同じように彼女も飛ばされてきたことを初めて知る。
別人のようになり、その世界に残ることを希望するミツルを説得し、記憶を取り戻してほしいと訴え続けた。そこで地球のカーテノイドを監視しながら二人が知ったのは、増え続ける綻びの悪影響は人々の心に直接影を落とし、結果として理解に苦しむ残酷な犯罪や退廃につながっているのだという悲しい事実だった。例え押し寄せる大波の一部にしか防波堤を築けないのだとしても、誰かが止めるために動き続けなければいけないなら、自分たちがやる。そう決めた聖に、記憶を取り戻したミツルも帰ることを了承。迎えてくれたのは、本部の監視員となった犀と伯父だった。再び、聖の新たな日常が始まる。