表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/32

第25話 キリマンジャロ再挑戦、下山開始

 一息吐いた後、ヴィデオを撮る。写真も撮る。自分の写真も撮りたかったが、フィルムが切れてしまった。ザックのどこかに予備のフィルムが有るはずなのだが、手が悴んで探し難いのとカメラへの装着がまた大変。高山病の影響で頭も半分イカレていて執念が不足しているようだ。


 それでもヴィデオだけは必死に回した。回しながら母国で応援してくれてる友人や従兄弟、ザンジバルでお世話になった大淵さん、美智子さんに登頂の歓びと感謝を伝えようと懸命に声を出すが、寒さで声帯がやられたようで聞いた事もない声になっている。


 20分、いや30分も居ただろうか。ガイドを見るとこちらには興味なさそうに、腰を落とし両手をポケットに入れたまま脚を投げ出して瞑想している。しょっちゅう登頂していて何の感動も無いのであろう。登頂を目指すTV番組で俳優さんがガイドと山頂で感動の抱擁をするシーンを何度も観ているが、そんなムードはカケラも無い。


 それにしても、私より前に登っていた人たちはどこに行ってしまったのだろう? 自分が登頂した時には3~4人の姿しか見えなかった。今は誰も居ない。あれだけ居たのに頂上を目指したのは自分を入れて5人ぐらい?


 下山を開始する。火口内では、3~4人のグループとすれ違っただけで、あとは誰にも遇わなかった。ガイドは何を急いでいるのか、先に行くと言ってコース横の砂塵の中を滑り台のように滑り始め、あっという間に行ってしまった。段ボールがあれば面白いかも。いやいや、それでは世界の名峰を味わう事ができない。ゆっくり歩かなくては。ポレポレ…。


 キボハット迄の下山はあっという間であった。6時間かけて登ったのが2時間で終わった。空気が薄いと登りは大変だが、下りにはあまり影響はないようだ。しかし流石にハットに辿り着くと疲れがどっと出た。

 部屋に戻るとルームメイトの竹本さんはまだベッドの中だった。彼は頭痛の為、今朝は頂上を目指せなかったそうである。しかし流石である。連泊して明朝、頭痛が治まっていれば、改めて頂上アタックに再挑戦すると言う。


(彼とはこれが最後であった。下山した後にYMCA を訪ねて来てくれるよう、約束しておくべきだった。果たして登頂できたのだろうか? 自分の場合は一旦標高0m まで下りて、体調万全でリトライして登頂できた。しかし彼の場合は高山病を発症した高さに留まったまま連泊し、再度アタックする事になる。少々無謀な気がする。担架の世話にならなければ良いが)


 ホロンボハットに下りる前に2~3時間眠りたかったが、そう言うとガイドが嫌な顔をする。結局1時間後に出発する事にした。ポーターが持ってきてくれたオレンジジュースを2杯飲んだ。美味しかった。これは元気が出る。再び下山開始。ホロンボハット迄は、後半は疲れたが2時間45分で到着した。下山は速い。食欲はない。


 昼食後3時間程、横になったと思ったらすぐ夕食だと言う。ちょっと早過ぎないか?

 夕食時、30代の日本人男性に遇った。2年前からマラウイで海外青年協力隊員としてボランティア活動をしていたそうだ。キリマンジャロは1月に登頂を目指すも、頭痛の為ギルマンズポイント止まりに終わったそうで、今回は任務を終えて帰国途中での再挑戦との事だそうだ。

 今回は前回の経験を生かして6日間コースにし、今日はマウンディ峰に登頂してきたそうである。そんなコースも有ったとは知らなかった。そのコースだと高山病発症のリスクは少なくなりそうだ。それにすぐ近くからキリマンジャロ山頂が拝められる。

 いつかリピートのチャンスが有れば、ぜひそのコースにしたい。


 夕食後、ティップの事でガイドと一悶着あった。ガイド、ポーター合せて、こちらのUS$24ドルに対して、US$50ドルを要求してきた。これはとんでもない話である。相手が折れてUS$40ドルに切り替えたが承服できない。明日マラングゲートに到着後、再度話し合う事にした。

 今日は自分史上最高の偉業を達成した日であり、大感動とともにすごく疲れた。今夜は早くベッドに潜り込みたい。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ