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第1話 傷心の旅立ち

 再就職の決まっている職場に無理を聞き入れて頂き2か月の休暇の取得に成功しました。

 休暇が取れればキリマンジャロに登頂しようと心に決めていた。もし取れなければどうしただろうか? 実は分からない。まあ、取れたのだから考える必要もないであろう。今からは2か月のアフリカの旅の大まかなスケジュールを決めればよい。


 アフリカと言えばケニヤである。ケニヤと言えばナイロビだ。キリマンジャロ登山に先駆けて、先ずはナイロビをベースにサファリだ。サファリで野生の王国を十分に堪能してから、本命のキリマンジャロ登山に挑戦しよう。


 海外一人旅では、毎度お世話になっている『地球の歩き方』を今回も旅の友としよう。期間も2か月限定なので東アフリカだけに絞るべきであろう。

 神戸・三宮ですべての手続きを終える事ができた。パスポート、ケニヤとタンザニアのVisa、黄熱の予防接種、マラリヤの飲み薬。ナイロビまでの往復航空券はHISに格安航空券を依頼したが、これは失敗だった。


 9月上旬、前の職場でハイキング同好会の仲間として親しくしていた女性に伊丹空港まで見送って貰うかっこいい旅立ちのはずが、予定便の大幅な遅延の為翌朝便に変更になってしまった。

 結局、翌朝一人立ちになった。ここまでは仕方ないで済むはずだった。


 夜中の1時半に彼女から電話が入った。青天の霹靂と言うべきか。

「はい、どうしたの?」


「ウン……、結婚する事にしました」

「えっ……、どういうこと?」


「そういうことです」

「………」


「前から言われてたんです」

「そう」


 深い付き合いをしていた訳ではなかった。グループで山に行ったり、個人ではたまにコンサートやテニスの後、食事をする程度であった。それでも憎からず思っていたので、もうそんな楽しい日は来ないのかと思うと、思った以上にショックを受けたとみえ、この日は一睡もできなかった。


 翌朝、空港から電話を入れ、昨夜の悪夢が現実であるのを確認し、最悪の旅立ちとなった。

 選りによって、このタイミングで……。早く悪夢を取り払わねば……。気を取り直して、いざ出発。


 離陸の時は、乗客は殆ど日本人だったが、バンコック、デリーと寄港の都度、外国人の数が増えてきた。隣席の日本人女性はデリーで投機したが、すぐに再会しそうだ。

 現地時間の22時半頃、ボンベイに到着。ここで一旦投機して、明日は別便でナイロビに向かう事になる。ここでのホテル代は航空券に含まれていて、Centaur Hotel というかなり豪華なホテルが提供される。何か得した気分だ。2度目の海外一人旅の帰国便で、パキスタンのカラチに宿泊した時と似ている。あの時はパキスタン航空だったが、今回はケニヤ航空である。


 タクシーの客引きを追っ払ってホテルの専用バスでホテルに到着したのが翌1時過ぎだった。

 当日朝は緊張の為か、睡眠不足にも拘わらず5時半に眼が覚めた。ホテルの食事は朝、昼ともヴァイキングスタイルで質量ともまずは満足。

 乗換え便は夕方発なので、ホテル近郊でノンビリする事にする。朝食後外に出てみる。ホテルのすぐ裏がビーチになっている。行ってみよう。途中で赤ん坊を抱いた若い女に物乞いをせがまれた。何を言ってるのかよく解らない。『スモールベイビ』と言いながら、しつこく付いてくる。

 途中で年配の男性がその女にたしなめるような言い方をしたら付いて来なくなった。どうやら赤ん坊を理由に、旅行者から金を稼いでいるようだ。女も赤ん坊も元気そうだった。女は太っていた。これじゃあ物乞いは無理だろう。


 それにしても、ボンベイは汚い街だ。ビーチもまたしかり。

 ビーチで、馬を連れた若者に乗馬を勧められた。しつこいんで、少し強く、『No!』と言ったら、『No!』と言い返してきて、さっさと行ってしまった。



   ***** 訂正 2025.08.08 *****


   以下の文章、インド・ボンベイに於ける、出国便と帰国便を間違えた私のミス執筆です。


   ⇩の通り、訂正いたします。

   最終話に同じシーンが登場します。



 『昼にホテルに戻る。お昼のヴァイキングを食べようとしたら、ウェイターが、納得できそうでできない面白い事を言う。

 夕食は飛行機の時間の関係で早くしないといけないそうだ。それはそうだ。

 その夕食には料理が間に合わないので、ヴァイキングにするそうだ。一日三食全て同じヴァイキング。それはまあ良いとして、12時半にランチヴァイキングを摂って、15時にディナーヴァイキングを摂ってくれと言われてもなあ。


 ヴァイキングはず~っとやっているのでこの2時間半で2回摂れと言う事です。それは、無理! 結局、昼夜兼用で1回だけにした。下痢するよりはマシである。』


                ⇩


 『ホテルの食事は朝、昼ともヴァイキング・スタイルで味はまずまず。ただ、昼食にドリンクが付いていないのが残念。』


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