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雪の女王(上)

裸の王様 VS 雪の女王

どう考えても圧倒的に不利な状況の裸の王様に思わぬ助っ人が・・・

笛吹きとの戦いが終わり、国に平穏が戻ったかに見えた。しかし、王は胸の中に小さな違和感を抱えていた。次々と降りかかる厄災が、偶然にしては出来すぎている。何者かが背後で糸を引いているのではないか――そんな予感が拭えなかった。


その不安が現実となる日が訪れる。ある夜、城に冷たい風が吹き込み、一通の氷でできた手紙が届けられた。手紙にはこう記されていた。


「我こそは雪の女王。お前たちの絆と温もりは、我が存在そのものへの冒涜。幾度も試練を与えたが、未だその温もりを捨てぬとは、実に忌まわしい!だが今度こそ滅ぼしてくれよう。我が最強の将『冬将軍』を送り込む。その氷の軍勢に、お前たちの命運が尽きる時を楽しみにしている。」


手紙が届いて数日後、雪の女王の予告通り、国中が突然の厳冬に見舞われた。雪は街を埋め尽くし、風は凍てつき、人々の生活を脅かしていた。さらに、氷のような甲冑に身を包んだ「冬将軍」とその軍勢が北の国境から進軍してきたのです。


この国は平和を重んじるあまり軍備が手薄で、凍てついた軍団に為す術がありませんでした。冬将軍は寒気そのものを武器に戦場を支配し、氷と恐怖を広げながら城へと迫りました。


絶望的な状況の中、かつて透明の服の詐欺師だったパンとマイムが王の前に進み出ました。

「王よ、私たちにチャンスをください。この国に受けた恩を返す時が来ました!」

二人は隣国を治める武烈王のもとに援軍を求めに行く許可を求めました。


王は一瞬迷いましたが、二人の熱意を信じ、許可しました。パンとマイムは急ぎ馬を駆り、隣国へと向かいました。


隣国の武烈王は、かつての伝説の英雄であり、日々鍛錬を欠かさぬ強大な王でした。パンとマイムから事情を聞いた武烈王は深くうなずきました。


「そうか、あの裸の王は民のためにその身を犠牲にしてまで尽くす人物だ。そんな王を見捨てるわけにはいかぬ!そして何より、今こそお前らが作った透明の鎧の実力を見せてやろうではないか!」


武烈王は自ら精鋭部隊を率い、ただちに出陣しました。


武烈王と王の軍勢が合流すると、戦況は一変しました。透明の鎧を身にまとった精鋭部隊は、氷の軍団を前に全く怯むことなく、見事な連携で次々と敵を打ち破っていきました。さらに、パンとマイムも士気を高めるために演劇を披露し、兵士たちを鼓舞しました。


ついに王と武烈王は協力し、冬将軍を打ち破り、その軍勢を壊滅させました。そして、冬将軍を捕らえることに成功したのです。


王たちが勝利を祝い、国の平穏を取り戻しつつあった頃、雪の女王の氷の城では冬将軍が捕らえられたという報告が届きました。報告を受けた女王は氷の玉座で立ち上がり、その冷たい声で叫びました。


「この私の最強の将を捕らえるとは...!許せぬ!もはや手駒に任せる段階ではない。この私自らが出向いて奴らを滅ぼしてくれる!」


その言葉が響くと、雪の城の周囲に嵐が吹き荒れ始めました。ついに雪の女王自らが動き出す時が訪れたのです。


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