表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
78/85

消えた朝

 朝、沙月はいつものように仕事へ向かった。しかし、その日の夜、彼女は帰ってくることはなかった。




 すばるは家の中を静かに見渡した。違和感はあったが、驚きはなかった。




(またか……)




 心の中でそう呟く。父と母の離婚、母に勘当されたとき——大切な人が、自分から離れていくことは、彼にとってすでに慣れ親しんだ感覚だった。




 だから、沙月がいなくなったことに対して、悲しみよりも先に「やはり」という感覚が訪れる。冷静でいられる自分に嫌悪を覚えながらも、どうするべきか考え始める。




 莉桜はまだ乳児で、何も気づいていない。




 蓮は違った。




 彼は明らかに沙月がいないことに気づいていた。




「ママ、いないね。」




 その言葉には、混乱も悲しみもなかった。




 ただ事実を述べただけ。




 その無邪気な言葉に、すばるの心臓が強く締めつけられる。




(……ぼくが、沙月を追い出したのか?)




 家事も育児もすべて自分がやっていた。




 沙月は次第に何もしなくなり、気づけばこの家に居場所を失っていた。




 それを、すばるが作り出してしまったのではないか。




 彼は、蓮と莉桜を見つめながら、静かに息を呑んだ。




(ぼくが……沙月を、いなくてもいい存在にしてしまったのか?)




 それが恐ろしくて仕方なかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
是非こちらもご覧ください!

砕けた昴登場人物

「砕けた昴」と「この道を歩む」は、関わり合う物語です。

それぞれのキャラクターが織り成すストーリーが、互いに新たな視点を与えてくれます。

それぞれの視点で紡がれるストーリーを、ぜひご覧ください!

この道を歩む

心がほどける時間

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ