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掌握する囁き

今回の話では、沙月の不安定さを表現するために性描写が少し含まれております。苦手な方はブラウザバックお願いします。

 すばる達は努力の末、無事に二次試験に合格し、進路が決定した。そんなすばるを祝うため、沙月は彼のアパートを訪れていた。二人は簡単な手料理とコンビニで買ったスパークリングワインを並べ、乾杯をしていた。


「すばる、本当におめでとう。これで、教師への道が見えてきたね。」


 沙月が嬉しそうに笑いながらワインを注ぐ。すばるは軽く頷き、グラスを持ち上げた。


「ありがとう、沙月。君のおかげでもあるよ。」


「そんなことないよ、すばるが頑張ったんだもん。」


 その言葉を聞いて、すばるは少し照れくさそうに微笑んだ。二人は試験や日々の出来事について語り合い、しばらく和やかな時間が続いた。しかし、話が一段落つくと、沙月がふと真剣な表情になった。


「すばる、もう頑張らなくてもいいよね?」


 その言葉にすばるが首を傾げると、沙月は椅子から立ち上がり、彼の隣に座り込んだ。そして、彼の頬にそっと触れながら、いたずらっぽく微笑む。


「今日くらいは、私のことだけ考えてくれてもいいよね?」


 沙月はそのまますばるの唇に軽くキスをし、その手を彼のシャツのボタンに伸ばした。すばるが驚いて身を引こうとするが、沙月はその動きを止めるようにして、優しく彼を見つめた。


「ずっと我慢してたんだよ、私。すばるが頑張ってるのを邪魔しちゃいけないって。でも、もういいよね?」


 彼女の声には、どこか切迫感が混じっていた。そのまま沙月は、すばるのシャツを脱がせながら、耳元で艶めかしくささやいた。


「すばるのことを満足させられるのは、私しかいないんだから。」


 すばるは戸惑いながらも、沙月の恍惚な表情とその奥の見える憂いの目に逆らうことができなかった。沙月はさらに彼の身体に触れ、彼を押し倒すようにベッドに導いた。


「私、いい彼女でしょ?すばるをこんなに幸せにできるの、私だけだよ。」


 その言葉には、彼女がすばるに対して示そうとしている愛情と、それに裏に潜む危うさが混在していた。沙月は、すばるの身体に触れながら、さらにささやきを続ける。


「ねえ、すばる。遥香と勉強してた間も、私のこと、我慢してたんでしょ?もう我慢しなくていいよ。全部私に出して。すばるの全部、私が受け止めてあげるから。」


 沙月の言葉は甘く、それでいてどこか悲しげだった。彼女は自分の中に膨れ上がる不安を抑え込むように、必死にすばるにしがみついていた。彼女の表情の奥には、満たされない孤独がうっすらと影を落としている。





 しばらく経ち、沙月は少し乱れた髪を整えながら、すばるに微笑みかけた。


「やっぱり、すばるのは美味しいね。私しかこんなことできないでしょ?」


 すばるはその言葉にどう答えればいいのか分からず、曖昧に微笑むだけだった。


「すばる、もっと来てもいいんだよ?私はいつでも受け止めるから。」


 沙月のその言葉に、すばるはどこか違和感を覚えながらも、彼女の愛情を受け入れるしかなかった。その夜、沙月はすばるの腕の中で静かに眠りについたが、その表情にはどこか影が残っていた。


 すばるの胸には、沙月の必死さと彼女を受け止める自分の責任が重くのしかかっていた。

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