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つながり

 

「……どうして、みんなここに……?」

 すばるが弱々しい声で尋ねると、母親が震える声で説明を始めた。


「すばるが湖で倒れていたと聞いて、どうすればいいかわからなかった。でも、すばるのことを一番気にかけてくれているゆうき君には知らせないとって思ったの。」


「おばさんから電話が来たとき、正直ビビったよ。」

 ゆうきが苦笑しながら言う。


「お前が湖で倒れて病院に運ばれたって聞いて、何かの間違いかと思った。でも、おばさんが『すばるがずっとお世話になっていたあなたにどうしても話しておきたかった』って言ってさ。」


 すばるはその言葉に驚き、母親を見つめた。母親はうなずきながら続けた。

「学校に行けなかった間も、ゆうき君はすばるのことを気にかけてくれた。課題を届けてくれたり、一緒に遊んでくれたりしてたでしょ?それがどれだけ助けになったか、すばるもわかってるはずよ。」


 ゆうきが照れくさそうに頭を掻く。

「いや、別に大したことしてないけどな。でも、ほっとけるわけないだろ。」



「それで俺、どうすればいいか悩んで、圭吾に電話したんだよ。」

 ゆうきが肩をすくめながら言った。


「圭吾?」

 すばるは不思議そうに眉を寄せる。


「そうそう。お前が知らないのも無理ないけど、俺と圭吾、あの卒業間際の試合のあとで仲良くなったんだ。」


 ゆうきと圭吾が初めて話したのは、すばるが小学校最後の大会で見せたクロスオーバーとブザービーターがきっかけだった。あの試合を通じて、二人は連絡先を交換し、たまに会うようになっていたのだ。


「それで、圭吾にも相談したんだよ。お前のことを昔からよく知ってる圭吾なら、何か力になれるんじゃないかと思って。」



「ゆうきから話を聞いたとき、俺もどうすればいいかわからなかった。でも、すばるが信頼できる大人が必要だと思って、麻子先生に連絡したんだ。」

 圭吾の言葉に、すばるは目を丸くした。


「麻子先生に?」


「そうだよ。お前のことをわかってくれる人って、真っ先に先生が浮かんだんだ。」


 麻子先生が柔らかく微笑みながら言う。

「そういうわけで、圭吾君から電話をもらったの。お母さんからの連絡もあったし、星宮君がどれだけ大事に思われているか、よくわかったわ。」



「どうして……どうしてみんな、そんなふうに……」

 すばるは俯きながら呟いた。


「お前が大事だからに決まってるだろ。」

 ゆうきが軽く肩を叩きながら言う。


「俺たちだって、あの試合があったから繋がったんだ。お前が一歩踏み出したから、俺たちの繋がりができたんだよ。」


 圭吾も笑みを浮かべながら続けた。

「そうだな。あのときお前がクロスオーバーで俺を抜いて、ゆうきにパスしたから、今こうしてみんなでいられるんだ。」


 母親がすばるの手をぎゅっと握りしめた。

「すばる、これからは一人で抱え込まないで。みんながいるんだから、一緒に進んでいこう。」



「星宮君、人との繋がりは時に大きな支えになるわ。これから少しずつ、自分の気持ちを話していきましょうね。」


 その言葉に、すばるは静かに頷き、涙を一筋流した。


「ありがとう……」



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