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ミッドウェー海戦の兵装転換 56
ミッドウェー島付近に空母を含む艦隊がいる可能性が高い。
十分に警戒するように。
これが海戦前日の深夜に大和から届いた通信の内容となる。
獲物を見つけた猟犬のごとし。
夜を徹しておこなわれた赤城での会議。
もちろんそれは作戦変更について。
史実にある攻撃順は、第一次攻撃隊はミッドウェー島攻撃、第二次攻撃隊は艦隊攻撃仕様で準備をするが陸上攻撃に切り替えるというものだった。
だが、この作戦は敵の艦隊はミッドウェー島攻撃後に真珠湾からやってくることを前提にしている。
すでに近くまでやっているとなれば、話は別である。
別ルートを航行する攻略部隊の艦隊がすでに攻撃されていることも考えれば十分にアメリカ艦隊が出撃していることを考えられる。
ここで提案されたのは、ミッドウェー島攻撃は夜間におこなうよう変更し、まずは敵艦隊の撃滅を優先させるべきというものだった。




