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恋続自殺未遂  作者: 西川希龍
第1章「WEBでの解決」
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第五話「プラン」

夏期講座が大変です。それに科学の甲子園ジュニア京都府予選会もありました。

同棲を始めた次の日、俺は佳子を抱えながらWEBの階段を降りていた。


「今日は麗と交流を深めてもらいたい。演技のために必要だしね。出かけるのもいいけど、絡まれたら大変だし、その時は俺もついてくから」


「はい。了解です!」


佳子はそう言って、敬礼した。俺はそのまま階段を降り、WEBのソファに座らせて言った。


「それじゃあ、俺は車椅子取ってくるからちょっと待ってて」


俺はそう言って階段を登って行った。そしてハッチを開けると、芳里さんが車椅子を畳んでくれていた。


「あざっす。芳里さん」


「大丈夫よ。それより、壮子ちゃんきてたけど大丈夫かしら」


「あ、そういや壮子の事説明してねぇ。下で混乱してそうっすね。ちょっと行ってきます」


俺はそう言って車椅子を抱えながら階段を駆け降りた。するとその中途で佳子の悲鳴が聞こえてきた。遅かったか。俺はドアを開けた。そこには長髪の壮子に顔をペタペタ触られている佳子がいた。


「壮子、一旦やめろ」


「なんで?」


「お前一応男だろ。その状態が女だとしても。性格まで入れ替わらなかったはずだが?」


「ちぇっ。バレたか。いい骨格してたから観察したいと思ったんだけどなぁ」


そういうと、壮子はカツラを取り、フェイスマスクも外した。するとそこには壮一がいた。


「え。壮一さん?」


「ああ、ごめん。俺女装癖があってさ。と言うよりかは変装癖かな。それで、佳子ちゃんの骨格だといろんな変装ができそうで、ウキウキしちゃってこんな方法とちゃったんだ。ごめんね」


「いえ、構いませんよ」


「で、麗はもう来てる?」


俺がそう問うと、部屋から麗が出てきた。


「私ならここにいますよ。佳子ちゃん、じゃあ遊ぼっか」


「うん!」


そう言って、佳子は向かおうとするが、車椅子がないことにすぐに気づいた。そして、俺を見た。


「へいへい。車椅子ならここだよ」


俺は言いながら車椅子を開いた。そして、そこに佳子を乗せた。


「それじゃ、麗、車椅子押してってやって」


「了解です。それじゃあ行こっか」


麗は優しくゆっくりと車椅子を押していった。しかしあれだな。女の子が仲良くしてるの見るのはほっこりするものだな。野郎があの距離感で仲良くしてたらキモいだろうしな。


「おいてかれたね」


「そうだな。ま、いいだろ。俺らは演技にあんまし関係しないんだ。お前も、変装させるだけだろ?」


「その言い方はないんじゃないかい? まあその通りだけど。それと、今日凛奈は来ないみたいだよ」


「大丈夫だろ。やる事は判ってるだろうし、やってくれてたらなんでもいいよ。じゃ、俺たちは麻雀でもしとくか。暇だし」


「二麻ね。いいよ、やろっか。卓とってきて」


「うい」


俺は自室から麻雀卓を取りに入った。すると、テーブルに一通の手紙が置いてあった。宛先は、、凛奈からか。俺は手紙を開き、その内容を読んだ。…………なるほどね。そりゃそうなるわ。次来た時詳しく聞いてやるか。俺はそう決め、一度手紙を机の引き出しに入れておいた。そのまま卓と牌を取り出し、居間まで持っていった。


「んじゃまやりますか。牌は索子でいいだろ。そうじゃないと緑一色消えるしな」


「そうだね」


俺たちは山を組み、適当に打ち始めた。俺が上がれば壮一が上がり、壮一が上がれば俺が上がるような鼬ごっこだった。


「それで? どんなプランでやるんだい?」


「暴力中心で行って欲しいってさ。ただ俺が補導されない程度にって。やっぱ優しいんだよあの子。これだけは絶対に遂行しねえとな」


「私情?」


「ああ。私情だ」


「でも作戦はあるのかい?」


「今やってんだろ?麗に変装させるんだよ。それ凛奈に機械系のことも頼んでるし。結構いい案だと思うが。今の手牌と同じでな」


好機は突如として現れていた。純正九蓮宝燈を聴牌したのだ。俺は壮一の川に違和感を感じたが、中を切ってする必要もない立直をかけた。


「立直」


「悪い。それロン」


そういいながら壮一は稗を倒した。


「五倍役満。僕の親だから240,000点だね」


壮一の稗は大四喜字一色四暗刻単騎の五倍役満だった。まじか。二麻とはいえ早々出るようなもじゃねえだろ。


「とんだよ。当たり前だろ」


「初めて上がったよこんなの」


「俺だって見るの初めてだよ。一回休憩しよう。昼飯の時間だ」


「作るのかい?」


「もちろん」


何がいいだろ。まぁ炒飯でいいか。考えながら俺は自分の部屋に入った。そして冷蔵庫を見る。すると何故か丁度四人前分の材料が残っていた。まあ理由を考えるのも面倒くさかったから適当に炒飯を作った。


「壮一、できたぞ」


「ありがとう。一人暮らしでスキルが上達してるんだね」


「まぁな。二人にも持ってわ」


そう言い、俺は麗の部屋のドアをノックして言った。


「昼飯持ってきたから入るぞ」


俺はドアを開けた。そこには佳子の胸を麗が後ろから抱き着きながら揉んでいるという謎の光景が広がっていた。俺は深くため息をつき、麗の机に炒飯を置き、無言で部屋から出た。


「なにかあったのかい?」


「いや、なんもなかったよ」


「口調変わってるけど?」


「マジでなんもなかったから気にするな。さっさと食うぞ。俺昼から一応バイト入ってるから」


俺はそういいながら炒飯を食べ始めた。

知らない方の為の麻雀解説

麻雀とは1〜9でなる萬子、筒子、索子、東南西北でなる風牌、そして白発中でなる三元牌を使用して行うゲームです。全ての牌が4枚ずつあります。14枚の牌を使用し、4面子1雀頭で役を作り、面子は3つの牌で構成され123や、345など、数列のものを順子、333など、同じ牌を3枚使ったものを刻子と言います。雀頭は同じ牌を2枚集めたものです。役を重ね合わせて飜をあげ、5、6飜が満貫で八千点、7、8飜が跳満で一万二千点、9、10飜が倍満で一万六千点、11、12飜が三倍満で二万四千点、13飜以上は数え役満で役満と同じになり、三万二千点になります。

・緑一色 ・・・索子の23468と発のみで上がった時に完成する役満

・大四喜 ・・・風稗をすべて刻子にして上がった時に成立する役満 ここでは二倍役満として扱っている

・字一色 ・・・手牌を風稗と三元牌で染め上げて上がると成立する役満

・四暗刻単騎 ・・・手牌を暗刻のみにしてあがると成立する役満 ここではダブル役満として扱っている

・純正九蓮宝燈 ・・・1112345678999の清一色の形にどれか一枚加えて上がった場合に成立する役満 ここではダブル役満として扱っている。

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