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チートトーナメント  作者: 掘削名人
予選リーグ
9/22

第3グルーブ

第1グルーブ第2グルーブの試合が終わり、第3グルーブの試合が始まる。


第3グルーブは、

カイン 出身世界フォーム

セブン 出身世界ブッセ

アイザック 出身世界トーサ

リード 出身世界ドーン

の4人だ。


『只今より、第3グルーブ第1試合、カイン、出身世界フォーム対、セブン、出身世界ブッセの試合を行います。始め!』


 試合開始の合図とともに、セブンは、武器を持たずにカイン目掛けて、一気に距離をつめた。そして、右手を下方から一気に振り上げる。瞬時にカインは左手に装備している盾で防ごうとするが、盾は真っ二つに斬れてしまった。


「なに?」


 カインは、盾が素手で斬られたことに驚愕し、警戒するためにバックステップで距離をとる。だが、それをセブンはカインを追い、間合いを広げない。そしてつかさず、右手でカインに斬りかかった。カインは今度は、右手の剣で攻撃をいなそうとするも、剣は、セブンの右手に触れた瞬間に、砕け散ってしまった。


「な、なんだ?その右手は!」


「ハハッ!俺の右手はテュランダル。お前が、俺の攻撃を防ぐ事など不可能だ。」


「デュランダル、あの、神話の?」


「そうだ。俺の右手による攻撃は防御不能。さらには、俺の右手は、破壊不能な聖剣なのだ。くらええぃ!」


 剣を砕かれたカインは、警戒のために、距離を取ろうとするも、直ぐ様セブンは間を詰める。距離を取るカインと間を詰めるセブン。暫く、その膠着が続いた。


「ははっ。逃げようとしても無駄だ。俺のデュランダルは最強。俺の勝利は絶対だ。」


「そうとは限らない。1つ聞くが、お前の攻撃は防御不可能だと言ったな。ならば、避けることは可能なのか?」


「ハハッ!なんだそれ?強がりか?避けることは可能なのかって、避けられるものなら避けてみろ!」


「なるほど。ということは、避けることは可能だということなんだな。」


 カインはそう言うと、後退を止め、セブンに向けて前進した。


「ハハッ。破れかぶれか!くらええぃ!」


 前進するカイン目掛けて、右手を横に払うセブン。だが、セブンの攻撃は空振りに終わった。


「???????」


 一瞬の出来事に、状況を理解できないセブン。直後、ハッと後方の視線に気付き、後退しながら後ろを向くセブン。そこには、今戦っている人間とは思えないように落ち着いて直立しているカインがいた。


「お、お前、俺の攻撃をどうやって避けた?」


「いや、避けたもなにも、普通に通りすぎただけだ。」


「嘘つくな。そんなんで俺の攻撃を躱せるものか!」


「まあ、信じられないだろうな。だが、気付かないのか?先程までの俺の動きが全力だったと、誰が言った?」


「な、なに?」


「俺は、ちょっと速度を上げただけだ。これしきの速度で俺の姿を見失うとは。ひょっとして、お前、自分のスキルを過信しているだけで、そこまで強くはないのか?」


「なんだと?舐めるな!

俺は今まで、このデュランダルにより無敗。無敵なんだ。星の数程の魔族を相手にしてきたんだ。俺のレベルは最高峰まで上り詰めている。そんな俺が、弱いはずがねえ!」


 激昂したセブンは、右手に力を込めた。すると、右手から光を放ち、たちまちセブンの全身を覆った。


「クハハ!この状態になると、今までのようにはいかないぞ!攻撃力もスピードも、今までとはけた違いた!行くぞ!」


 次の瞬間、カインは一瞬にしてセブンの懐に移動し、右手でセブンを殴り付けた。セブンが右手に力を込めた直後のために、セブンの体に拳が直撃することなく、偶然ではえるが、カインの攻撃を右手で防御するかたちとなった。


「ぐっ!ぐぐっ!」


 だが、右手で防御したからといっても、カインの攻撃の威力を全て吸収できるわけもなく、セブンの体は後方に超高速て吹き飛び、壁に叩きつけられた!


「がはあっ!」


 衝撃で、セブンの全身から多量の出血。だが、右腕だけは無傷だった。


「ほう。さすがはデュランダル。破壊不可能とは本当らしい。だが、その怪我では、もう動けないだろう。降参したらどうだ?」


 圧倒的強さのカインの提案により、セブンは、降参するしかなかった。勝負が決した後、観客席はざわつきが収まらなかった。カインはこの戦いで、スキルを使用した気配が全くなかったのだ。ただ早く動き、ただただ強く攻撃した。それだけなのだ。なのに、神話の武器の力を宿しているセブンを圧倒した。そのカインの底知れる強さに、皆驚いていたのだった。



-----------



『それでは、第2グルーブ第2試合を行います。アイザック、出身世界トーサ対、リード、出身世界ドーンです。始め。』


 試合開始の合図とともに、アイザックは上空10mの高さまで浮遊し、上空に様々な魔法を出現させた。


「こ、この魔法は?」


「ハハッ。この魔法は、さっきの対戦で見ていたもの。俺は、「模倣」というスキルを持っている。一度見た技わ魔法は、瞬時に習得できるんだよ。」


 この、アイザックの「模倣」は、アイザックが言う通り、一度見た技や魔法を瞬時に取得できるというもの。だが、スキルは習得できない。だから、エクスカリバーやグングニルなどは模倣できないのだ。だが、技や魔法を瞬時に習得できる、それだけでも十分すぎるほどの強力なスキルだ。


「ハハッ。驚いたか。では、この魔法の一斉射撃、喰らいやがれ!!」


 アイザックが右手をリードの方へ向けると、上空の魔法が一斉にリードの方へと向かっていった。だが、そんな状況にも関わらず、リードの表情は冷静そのものだった。

 アイザックの放った魔法の威力は凄まじく、闘技場一面が砂ぼこりで一杯になった。勝利を確信したアイザックは、浮遊魔法を止め、闘技場に着地した。


「あっけなかったな。やはり、俺のスキル「模倣」は最強。相手がどんなスキルを持っていようと、今、俺が使える超豊富な技や魔法を駆使すれば、簡単に倒すことができるんだよ。」


 勝利宣言ともとれるアイザックの言葉。だが、観客席からの声援は、アイザックに対するものではなく、以外なものを見た様などよめきだった。砂ぼこりが収まると、そこには、無傷で平然と立っているリードの姿があった。


「な、なんだと?お前、あれだけの魔法を、全て受けきった、というのか?」


「いや、さすがにあれだけの魔法を受ければ、立っていられないどころか、命を落としていただろう。だから、俺は、お前が放った魔法を全て避けたんだ。」


「全て避けただと?そんなバカな。そんなこと、できるものか!」


「まあ、できるさ。一つ一つの魔法を大きな動きで避けると、次に対応できないからな。必要最低限の動きで、躱し続けたんだ。」


「う、嘘だーー!」


 目の前の状況を受け止められないのか、アイザックは、再度魔法をリードへ向けて放つ。だが、その魔法がリードに当たることはなかった。リードは、わずかに半身にすることだけで魔法を躱したのだ。


「そ、そんな簡単に?」


「いいや、簡単ではなかったよ。」


「????」


 リードは、簡単そうに魔法を避けていたのにも関わらず、簡単ではなかった、という。どういうことか、訳が分からない。アイザックは混乱していった。


「くそ!」


 アイザックは、何度も何度も魔法を放つも、リードは、わずかな動きだけで全ての魔法を躱していく。アイザックは混乱していた。だから、自分の魔力残量のことなど、全く思考から外れていたのだ。アイザックの魔力がなくなるまでに、それほど時間はかからなかった。アイザックが魔法を使えなくなったところで、リードは口を開いた?


「どうだ?まだ、続けるか?」


 リードに質問されたことで、アイザックは我に返り、自分の魔力が残っていないことに気付いた。


「いや、もう、戦えない。俺の敗けだ。」


 アイザックは、魔力がなくなったことと、相手の得体のしれないスキルを目の当たりにしたことで、戦意を喪失してしまい、ギブアップした。


『おおーっと。これはまた、面白い結末だー。お互いが無傷での決着ーーー!終始攻め続けたアイザックが、まさかの降参宣言だー!』

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